ネットをぶらぶら散歩していたら、もうリタイアしている年下がいるのね。
すでにひと財産を築きあげて、
これからは資産運用しながら余生としてのんびり生きようと決意した年少者がいる。
こっちは一刻でも早く出世したい(世に出たい)と焦っているのに……。
どこに違いがあるのだろうと、しばし年少リタイア組のブログを読みふけったものだ。
なんでも缶ジュースを自動販売機で買ってはいけないらしい。
スーパーでならはるかに安く売っているペットボトルをあの価格で買うバカはいるか!
トホホ、おバカさんで~す。
炎天下にお散歩していて喉がからからに乾いたときなんか、
もうほとんど金額を見ないで自販機から冷たい飲み物を買ってしまう。
だから、金が貯まらないのか、くうう。
しかし、待てよ。
リタイアさんのブログを読んでいると、2千円近くするビジネス本を平気で買っている。
それ、お金の無駄じゃないですか? ブックオフなら、きっとそれ105円あるよ!
暑くて町歩きたくないなら、あるよあるよ、ブックオフオンラインあるよ!

「人生学ことはじめ」(河合隼雄) ¥250
「いいかげんのすすめ」(ひろさちや) ¥150
「世間の捨て方 日本がどうなっても楽しく生きるテクニック」(ひろさちや) ¥250
「ひろさちやのあきらめ力」 ¥250
「捨聖・一遍上人」(梅谷繁樹) ¥200
「恋愛のディスクール」(植島啓司) ¥150
「嫁ぐ娘、嫁がぬ娘へ」(山田太一編) ¥150
「懐かしドラマが教えてくれるシナリオの書き方」(浅田・仲村) ¥150


計8冊で1550円――。
驚くべきは、お盆直前に注文したこれらの本のうちもう6冊を読んでいること。
ネット古書通販が嫌いだったのは、立ち読みができないから。
味見ができないのがいやだったのだ。
このたびネット購入のプラス面もマイナス面も同時に味わう。
河合隼雄の「人生学ことはじめ」は氏の名言集(引用集)で、
まさにこういうものが読みたかった。
どうせ大した本ではないだろうと思っていたので現物を見て嬉しかった。
これは古典的な通信販売の楽しみかもしれない。
失敗したと思ったのは、ひろさちやの「いいかげんのすすめ」。
絶版になった過去の本からの丸写し(焼き直し)だった。
いまのひろさちや氏の奇天烈ぶりが好きなのに――。
現物を見ずにネットに記載された出版年度から判断したらすっかり騙されてしまった。

まあ、ひろ先生の本は騙し(インチキ)に満ちているからいいのである。
「人生は金じゃない」と言いながら印税目当てに新書を粗製乱造する氏の矛盾を愛している。
挫折や失敗という人生の傷にいちばん効くのはヒロポンならぬひろさちや!
このたび買ったヒロポンはもうすべて吸引してしまった。
するとあっという間に痛みは引いた。人生はいかにおのれをごまかすか!
あえて騙されるのがうまく生きるテクニックなのだろう。やはり死んではいけませんよ……。
禁を破る。とうとうネット通販のブックオフからも本を買ってしまう。
店舗のブックオフで本を買うだけでも罪悪感があったのに、
よもやネットでもお世話になってしまうとは。
賢明なみなさんはとっくのとうにご存じでしょうから、
いまさらボンクラ大学文学部出身のわたくしめが語るのは気恥ずかしいのですが、
ものを安く買うというのは合法的殺人行為をなしているに近い。
激安価格の裏側には多くの人間の血と汗と涙、
つまり辛苦、不満、絶望があることを忘れてはならないと思う。
我われがものを安く買うことで(たぶん相当数)自殺している人がいる!

当たり前のことですが、ブックオフで本を買っても著者には1円も印税が入らない。
出版社にも同様。
本来なら買ってもらえるはずだった新刊書店の収益も大幅に減少する。
かといって、ブックオフが一人勝ちしているのかといったら、もうわからないのではないか。
いまではつぶれるブックオフ店舗もちらほら見られる。
かの新古書店も安く人件費を買い叩いているがために本を安く売れるのだ。
コンビニ店長の地獄は広く知られるところだが、果たしてブックオフはどうなのか。

ブックオフオンラインさんから買った本は以下の7冊で計1550円。
ブックオフのネット通販のどこがすごいかといったら、
わずか1500円以上の買物で送料が無料になってしまうところ。
そのうえブックオフ総本山だから在庫量が半端ない。
ネット古書店のデメリットは送料のせいで相場よりも高くなってしまうこと。
このマイナス点をネットのブックオフは完全に解消している。
いまさら言っても遅いのだろうが、
ネットのブックオフをどうにかしないと
さらにさらに新刊書店や出版社の斜陽化は進むのではないか。
毛唐のだれだったかの言った「見えざる手」は日本の書籍文化をどうしようというのか。

「家族はどこへいくのか」(河合隼雄、谷川俊太郎、山田太一) ¥450
「鈍獣」(宮藤官九郎) ¥150
「山頭火 漂泊の跡を歩く」(石寒太) ¥150
「山頭火と歩く」(村上護、吉岡功治) ¥250
「これからの日本」(河合隼雄) ¥150
「日本人の心のゆくえ」(河合隼雄) ¥250
「快楽は悪か」(植島啓司) ¥150


サイトの検索欄にうっかり「山田太一」と入れたのがよくなかった。
罪を告白することを懺悔という。どうか懺悔させてください。ごめんなさい。
まったくふざけたことに、これでも不満を抱いてしまうのですから。
・注文確認から送付まで丸2日かかった。
・「山頭火と歩く」にラインがあり、中の汚れがひどかった。
しかし、ねえ? ぜんぶでわずか1550円でしょう? 送料まで入れて。
S急便はいったいいくらで配送を請け負っているのでしょうか?
1500円以上送料無料というのはふつうに考えたら恐ろしいことなのだ。
S急便の人が朝から晩まで休みなく酷使されていることのみならず、
劣悪な労働環境のせいで自殺者が出ていることさえネット社会では暴露されている。

安いからうっかりブックオフのネット通販を利用してしまった。
我われが安くなにかを買うことで、おそらくだれかが自殺している。
もっと早く送ってほしい願うことで、たぶんだれかが過労死している。
快適ではなかったとクレームを入れることで、だれかが上司から罵倒されている。
「安く早く快く」をここまで突き詰めた国は日本だけではないかと思う。
もっと安くしろ。もっと早くしろ。もっと快適にしろ。
もしかしたら年間自殺者3万人の背景にあるものは「安く早く快く」なのかもしれない。
しかし、我われは、いやわたしはだ。
このたび少なくとも「安さ」には逆らうことができなかった。
この買物をすることで、だれかを殺したのだろう。
殺してはいないのかもしれない。しかし、間違いなくだれかを泣かせたはずである。
久々にこのコーナーを1日だけ復活させてみよう。「買った本の報告」。
長らく更新をためらっていた。
もう本を買うのはやめようと思っていたからである。
新しく本を買ってしまうと、ついつい読んでしまう。ものを書かなくなる。
これでは成功や賞金と縁遠くなってしまうではないか。
と思いつつも、わたしはブックオフ中毒。書籍購入依存症だ。
ブログには書かなかったが、実のところブックオフとの蜜月は続いていた。
ってゆーか、出版社のみなさん、目を覚ましてください!
ブックオフをどうにかしないと、御社はご倒産いたしますことよ♪
一度2千円オーバーのハードカバーを105円で買ったら、
もう正規の書籍購入ルートは使えないと思う。

某大学病院の診察を済ませ、新宿の国島書店へ。
ここは午前中は開いていないことが多いので要注意。

「過ぎ去りし日日」(井上靖/日本経済新聞社)絶版 300円

おなじく井上靖の「白い風赤い雲」という小説の単行本が、なんと3千円!
もしかしたら、これは文庫になっていないのだろうかと携帯電話にタイトルをメモ。
それから誕生年ごろ出版の絶版官能小説を1冊購入。
エロゲーどころかAVも理解できない身ゆえ、もしかしたらとの希望がありまして。
結果はNG。著者は左翼出身の芥川賞候補作家。
名前を出して批判したらあまりにも可哀想なので、こういう形でとどめておく。
「ダメなやつは一生ダメ」を目の当たりにすると打ちひしがれる。
とぼとぼとブックオフ新宿靖国通り店へ。

「写真集 ガンガー生々」(安藤亨/中公文庫)絶版 105円
「内舘牧子の仰天中国」(JTB) 105円
「二十四の瞳からのメッセージ」(澤宮優/洋泉社) 105円


最後の「二十四の瞳~」は、なんとも物悲しい。
著者は利益度外視で出版したのでしょう。
ところが、アマゾンでレビューはつかない。
新宿界隈の文化人に贈呈した本も読まれないでブックオフに売られてしまう。
悲しみがあれば喜びも。
「写真集 ガンガー生々」は、むかし半額で買わないでよかった♪
インド、ガンジス河を中心とした写真集。
わたしは5年前、ガンジス河の河口から源流まで旅をしました――。
ブックオフ大久保明治通り店へ。

「白い風赤い雲」(井上靖/角川文庫)絶版 105円

先ほど3千円で買おうかどうか(少しだけ)迷った書籍の文庫版が105円!
おのれの古本の引きのよさには、いまさらながら驚く。
顔も頭も性格も、目も鼻も口もよくないが、書籍との縁だけはどうしてかいいのである。
おなじブックオフで――。

「仏教の源流―インド」(長尾雅人/中公文庫BIBLIO) 105円
「道元禅師語録」(鏡島元隆/講談社学術文庫) 105円
「だましの手口」(西田公昭/PHP新書) 105円
「トラベルライターになる方法」(樋口聡/青弓社)絶版 105円
「いくたびか、アジアの街を通りすぎ」(前川健一)絶版 105円


本を買うならブックオフ♪ である。
しかし、この行為は日本の文化を衰退させてしまう。
なぜなら権利者(著者、出版社)に正当な利益を与えていないからだ。
うふふ、まあ、わたしひとりくらい構わないか。
そのうち成功したら、何千円の本だって、定価で買いますから。うん、約束したぜ!
ブックオフ詣では続く。早稲田駅前店へ。
ここは規模縮小(以前は本館と別館があった)から先、
ろくな収穫がなかったけれど、この日はとんだ漁獲高!
わたしは田畑をこつこつ耕すタイプではなく、マグロ漁で一攫千金を狙う山師なのだろう。
たかだがブックオフの105円棚で発見する自分――。お笑いくだされ。

「アキバ通り魔事件をどう読むか!?」(共著/洋泉社) 105円
「TVドラマはこう書く!」(西条道彦/映人社) 105円
「図解雑学 人間関係の心理学」(斎藤勇/ナツメ社) 105円
「2時間登頂ハイキング 関東編」(紀村朋子/山と渓谷社) 105円
「問題は躁なんです」(春日武彦/光文社新書) 105円
「河岸に立ちて」(井上靖/新潮文庫)絶版 105円
「山口瞳「男性自身」傑作選」(嵐山光三郎・編/新潮文庫) 105円


ムック「アキバ通り魔事件をどう読むか!?」は「本の山」の読者で、
大学の後輩でもあるフリーライターの小林拓矢クンが寄稿している。
出版されたときに購入を迷ったが、定価で買わないでごめんな、小林クン!
「TVドラマはこう書く!」は定価が3千円。こんな本もブックオフなら105円で買える。
井上靖の「河岸に立ちて」は、世界各地の河川写真とエッセイ。
この書籍を見たのは初めて。
ガンジス河、チャオプラヤ川、黄河、荒川に生かされているわたしには必読の書。

この時点で18冊も買っているが、まだまだ貪欲である。
ついている日はとことんまで果実を味わい尽くすのが流儀。
だって、ついてない日は、どうしたってダメなのだから、ならば今日くらいは――。
早稲田-高田馬場の古本屋街を冷やかすが、収穫はなし。
ブックオフ高田馬場店へ。重たいリュックが肩に食い込む。

「アジア写真旅 エイジアン・ガール」(日比野宏/新評論)絶版 105円
「敦煌行」(健吾/潮文庫)絶版 105円


これで本日は合計20冊の本を買ったことになる。
本は読むのも楽しいけれど、買うのはもっとスバラシイ。
あと経験していないのは本を上梓する喜び。
よしんば夢が実現したら、ブックオフが生み落とした最初の作家ということになろう。
4ヶ月ぶりに神保町へ行く。まえ来たのは10月のブックフェスティバルだった。
この本の町は我が故郷と言ってもよい。
引越するまえは週に2度はかならず行っていたのだから。
もはや悠長に古本など買っている場合ではないとこの数ヶ月思っていた。
ひさびさの神保町である。帰郷したという感傷につつまれる。
なじみの古書店を巡回する。小宮山書店が大幅にリニューアルしていたので驚く。
諸行無常である。

田村書店ワゴンは収穫なし。というか、もう本はいらないのである。
そろそろ読書をやめなければならない。本を買っている場合ではない。
週末恒例の小宮山書店ガレージセールへ。深い感動につつまれる。

「あゝ荒野」(ユージン・オニール/北村喜八訳/文藝春秋新社)絶版
「テネシー・ウィリアムズ最後のドラマ」(ブルース・スミス/鳴海四郎訳/白水社)絶版
「上出来の人生だが サマセット・モームの警句とお喋り」(森村稔編著/産能大学出版部)絶版


3冊でたったの500円である。ワンコイン。
驚いたのは、オニールの「あゝ荒野」。ずっと探していた古書である。
どうしてこの探求書が今日こうして安価で入手できたのか。
つい先日、オニールの「氷人来たる」を読んだばかりである。
意味深い偶然に打ちのめされる。
この神保町から歩いて15分の日本エディタースクールでは、
本日より土曜校正教室が開講されている。ここに通うのはほぼ決めていた。
土壇場でくつがえしたのである。カタギの人生に「あっかんべえ」をした。
すると、神保町で長らく探していた「あゝ荒野」を激安で買えてしまう。
人間を超える存在から祝福されたような感激をいだいた。
「ふたつにひとつ」でこちらを選択してよかったのだと大きなものから肯定された気がした。
この感覚はオカルトと紙一重だからあまり詳述したくはない。
ただわたしは深い感動を覚えたということだけ記しておく。

あれだけの本がわずか500円で買えたのだからと、よけいな買物をしてしまう。
山田太一シナリオ掲載の「月刊ドラマ」バックナンバーである。
もちろん矢口書店ではない。
ヴィンテージという古書店が「ドラマ」のバックナンバーを少数揃えている。
まえから知っていた。価格は定価の半額程度の400円。
ところが、ケチなわたしはこの雑誌が100円でしばしば入手できることを知っている。
ずっと購入するのをためらっていた理由である。
この日、一気に買ってしまう。400円×4冊で1600円。
どのみち、いまとなったら神保町への交通費だけで往復1000円近くかかる。
ならば、こんなところでケチケチしてもしょうがないのではないか。
そのうえ、いまを逃したら、もうダメかもしれない。いまもいま、ドラマの勉強をしたい。
なんとかドラマで、あるいは文筆で、収入を得たいのである。

「大丈夫です、友よ」「結婚まで」「奈良へ行くまで」「旅立つ人と」品切れ 1600円

ものは考えようである。雑誌を400円で買ったと考える必要はどこにもない。
今日は書籍雑誌をふくめて7冊購入した。合計金額が2100円。
こう考えればいいのである。得をしたバンザイと思っていられる。バンザイ!
今年こそ飛躍できないかと狙っている。まだあきらめていない。あきらめきれない。
一発、二発、三発と花火を打ち上げてやりたいと思っている。
願わくば、今日購入した本がよき火薬にならんことを!
ゴキゲン!
大失敗をしてしまったと思ったら、とんだラッキーが。
ビックカメラのポイントカード。思えば1年以上、使っていない。
あわわ、いくらだったか、ポイントが入っていたのにやっちまったぜ。
カードの裏には有効期限が1年としっかり記載されている。
まずった。泣きたい。おカネをどぶに捨てたようなもんだ。
しっかし、なのだ。電話で問い合わせてみたら大丈夫とのこと。
いまはポイント使用期限が2年間に延長されているらしい。
これはタナボタ。さっそく池袋ビックカメラでお買い物。
ポイントは2500円も入っていたことが判明。
健康器具コーナーで歩数計を買おうと思う。
ところが、種類がいっぱいあって、どれがいいのかわかんないよ~。
おばさん、いやベテラン店員さんがそばにいたので質問。
「あの千円前後の歩数計でおすすめってありますか」
即座にひとつのメーカーを推薦される。じゃあ、これにしますね。
最近、迷ったときは偶然にまかせるようにしている。
ポイントでご精算。ただで歩数計が手に入ってしまった。

歩数計(オムロン)980円→無料

1階へ。そうだ! ずっと携帯電話を換えようと思っていたのだ。
もう4年近く、いまの機種を使用している。いつ壊れてもおかしくない状態。
こういうのは勢い。いま機種変更してしまおう。
エーユーの携帯コーナーにおもむく。店員さんにいろいろ聞く。
驚いたのは、いまって機種変更0円じゃないんだね。
4年使っていても新機種を求めるとなるとウン千円かかるとのこと。
よくわからないのだけど、今日はジャイアンツ優勝セールで88円の携帯があるとのこと。
だけど、携帯の料金設定というのはわかりにくい。
考え抜かれた計算式のもと決められているのだろうけれど複雑すぎる。
店員さん、才能あります。わたし、徹底的に質問します。即座に逐一お答えくださる。
うん、これは才能。とても真似できるものではない。
とはいうものの、こちらのあたまのなかはチョコレートパフェ。
「あのう、せっかくですが、一度家で考えてみたいのですが……」
「もちろん構いませんが、この価格はジャイアンツ優勝セールですから、次回は」
損をしたくない!
「買います。これでいいです。お願いします」

携帯電話 W62K(京セラ) 88円

いま調べてみたら、これジジババ向けらしい、あはっ。
わけのわからん機能は廃して、使いやすさを重視したタイプだってさ。
うん、いいよいいよ。どのみち携帯なんて通話とメールしか使わないから。
携帯でテレビなんざ見たくはない。

せっかく池袋に来たのだから都内最大売場面積をほこるジュンク堂書店へゴー。
ほしい本がある。岩波文庫、今夏の復刊だからまだあるはずだが……。

「往生要集 (上)(下)」(源信/ 石田瑞麿訳注/岩波文庫)1680円

1階のレジへ。いつもはずらりと女性店員なのだが今日は男性が多い。
ふたつ空いた。イケメンとキモメンである。
人と違ったことをしたい! キモメン店員に岩波文庫をさしだす。
ところが最低最悪! いままでこんなひどい客あしらいを受けたことがない。
キモメンはわたしの手から本を(まさに!)奪い取ると有無を言わさず袋へ投げ込む。
怒りよりも哀しくなった。
「あのねえ、あなた。ふつうブックカバーをつけるかどうか聞くでしょう。
そういう接客はないのではありませんか。
だったら、こっち(イケメン)のレジに並べばよかったじゃない」
男はロボットのような声で「すみません」と発話する。
ブックカバーをお願いする。
「いやね、わかるよ。安いバイト代でそんな愛想なんてふりまけないよね。
だけどさ、あんまりじゃないかな」
どうせ、おまえ、おれが美少女だったら丁寧な応対をしたんだろう!
本心はこう問いただしたかったが、趣味が悪いのでやめた。

やりきれない思いで店外へ出る。
美男美女の店員から失礼な接客をされたことはほとんどない。
相手を舐めたような応対をする店員は決まって……。
いや、かれらだって、もし客が美男美女なら……。
顔が悪いと性格も悪くなるというのは真実なのだろうか。
もとより自身をかえりみたら明々白々なのだが、そうではないと思いたいのである。
いつまでも理想を追い求める自分がいやになる。
それにしても、この世はせちがらい。

丸の内線で後楽園へ。ここから神保町まで歩く。
途中にある古書店のワゴンをひやかしながらである。
神保町の古本屋をひと通りまわるも収穫はゼロに等しい。
唯一は恒例の小宮山書店ガレージセール。

「異国の星 (上)(下)」(井上靖/講談社文庫)絶版 200円

思えば、三省堂書店神田本店も久しぶりである。
どんな新刊が出ているのか店内をキチガイのような荒々しい眼で物色する。
勝間和代さん、なんだかすごいことになっとるYO!
この世で恵まれている人はいいよな。どれだけ楽しいのだろう。
勝者と敗者をへだてる壁は厚い。
もうあの世に期待をかけるしかない。よし、ここは南無阿弥陀仏だ。
とうとう親鸞の「教行信証」を買う羽目におちいったか。
だけんど梅原猛によるとガチで難しいそうだからな。バカのおいらは心配だ。
岩波文庫で買っていいのか。そうそう!
わたしは日本古典は新潮社の古典集成で読むことにしている(ヨンダだからね!)。
たしか新潮日本古典集成に親鸞の巻があったはず。
こういうときは大書店の強み。店員さんにありかをたずねると4階とのこと。
ううむ、新潮社の集成は「歎異抄・和賛」で「教行信証」は入っていない。
なら岩波文庫で買うしかないのか。校訂の金子大栄は嫌いなんだけど。

およよ、これはなんだ? 日本古典文学コーナーの横に臨時の古書ブースがある。
老舗の三省堂書店も古書店との提携を始めたようである。
見ると、関心はどんぴしゃり。演劇コーナーがある。
軽い気持で棚を眺めると、この4、5年、ずっと探していた古書がある。それも2冊だ!
いったいこれはどういうことだろう。この本はどこにもなかった。
日本全国の古書店を網羅するネット販売でも見つけられなかった戯曲である。

「氷人来たる」(オニール/石田 英二・井上宗次訳/新潮社)絶版 1890円

署名入りのほうを購入。「田所茂様 恵存 井上宗次」と書かれている。
田所茂がなにものか、いまググったがわからなかった。
いやあ、生きているもんだね。
ユージン・オニールの「氷人来たる」を入手できる日が来るとは。
これを読んだらもう死んでもいいよ。悔いはない。
死んだあとは浄土へ行こう!

「教行信証」(親鸞/金子大栄校訂/岩波文庫)630円

ついでだから親鸞の師匠、法然の「選択本願念仏集」も買おう(読もう)と思ったら、
店内在庫には汚れがある。どうせ定価で求めるのなら美品で買いたい。
神保町を徘徊する。東京堂書店、書泉グランデには在庫なし。
交差点の横に岩波の直営店があったと思い出す。
行ってみるとすでに閉店している。

ふたたび池袋ジュンク堂書店へ。今日2回目である。
こうなったらやけくそ。なんでも買ってしまおう。

「選択本願念仏集」(法然/大橋俊雄校注/岩波文庫)630円
「天台小止観」(関口真大訳註/岩波文庫)630円
「酒場のオキテ」(吉田類/青春文庫)580円


シナ仏典の「天台小止観」が630円で買える国など日本をおいてほかにあるまい。
執筆時(=本日)のドル価格は驚愕の92円! キチガイめいた円高である。
勤勉な日本人のパワーは、岩波文庫を見たらわかるのかもしれない。
円高で大損をする国外輸出向け企業には、どうにも言葉のかけようがありませんが……。

ともあれ、今年の目標ができた。浄土仏典を読了したい。
今日購入した智(ちぎ)、源信、法然、親鸞の書物をなんとか本年中に読み終わろう。
浄土信仰をかためるためである。
いくらこの世で犬死にしようともあの世なら……という希望だ。
勉強しよう。もっともっと勉強しなくてはならない。
死ぬくらい勉強しなくては。できるのは勉強だけだ。
血を吐くまで勉強しようと思った。ゴキゲン!
世界恐慌2008が起こるかもしれないってね。金融危機である。
ものすごく乱暴なことを言ってしまうと、金融というのはフィクションなのよ。
たとえば、あなたが銀行に10万円を預けている。
これはフィクション以外のなにものでもない。
貯金通帳に10万円と記載されていても、それはなにも保証しないわけ。
通帳を八百屋に見せたからといってトマトを売ってくれはしない。
この論理を推し進めると、金融(=株式)そのものがフィクションだということになる。
極めて危ういフィクションのもとに成り立っているのが株式ではないだろうか。
だって、いくら株を持っているからといって、ご馳走が食べられますか。酒がのめますか。
言いたいのは、株式という制度が極度にもろい信頼のうえに成立している実態。
株は貨幣ほどの流通性がないでしょう。
いくら株券をさしだしてもスーパーでビール1本買えやしない。
この役立たずの株券の価値を支えているのが信頼である。
いま株価がどんどん下がっている。みんな株の虚構性に気づいたわけだね。
いっせいに株を現金にしようとする。株が売られる。株価の低下がとまらない。
世界の金融が崩壊したらどうなるのか。めちゃくちゃになるとしか言えない。
天才経済学者だって、金融が壊滅したあとの世界を予測することはできないはずだ。
いま世界ではとんでもないことが起こっているのね。
だけど、テレビではいつものように芸能人がわいわい騒いでいる。
わたしものんきに本を買いに行く。第23回早稲田青空古本祭(穴八幡宮境内)。
毎年、行っているように記憶している。
去年の成果はこちら(まあ、他人の買った本なんてだれも興味ないけどね)。

古書の世界は経済学そのものではないか。
古本をやりとりしていると、経済本来のすがたに気づかされる。
これは決して新刊書籍では味わえないことだ。
新刊書店では本の価格は一定である。ところが、古本はそうではない。
いろいろな古書店の集う、今日のような古本祭になれば、おなじ本でも価格が異なる。
ここに経済の原始的な実相が現われる。
つまり、おまえはいくらだったら買うか?
古本の価格は定められていない。言うなれば、あなたが値札をつけるのである。
その金額に見合わなければ買わない。合致すれば買う。
これこそミクロ経済学ではないだろうか。
この日、第23回早稲田青空古本祭で購入した書籍はゼロ。
むろん、ほしい本はいくつかあったが、こちらの希望価格と合わなかった。
べつに落ち込んではいない。わたしは異常なほど古本の幸運にめぐまれている。
どうしてか、毎回のように古書巡礼で掘出物に出逢う。
今日のような不運があるとかえって安心するのはこのためである。

会場をあとにして早稲田の古本街をぶらぶら。やはり求める本はない。
量販店ドンキホーテへ。タバスコが安い。
それから味盲の味方、レトルトカレー「LEE20倍」。

タバスコ 118円×3
LEE20倍 208円×2


坊主(=無収穫)のままブックオフ高田馬場北店に到着する。
先日、病院がえりに寄ったばかりだから、収穫はないはずである。
これで今日の購入書籍はゼロなら、積ん読が減って実によろしい。
そう思っていたところ、おのれブックオフめ――。

「ノンフィクションを書く」(ビレッジセンター)絶版 105円
「RPGシナリオメイキングガイド」(桐生茂/新紀元社)絶版 105円


困ったことである。自称作家のパンダとしては買わざるをえないではないか。
こののちもブックオフ店内をふらふらしていると井上靖の文字が目に入る。

「毎日グラフ別冊 追憶 井上靖」(毎日新聞社)入手不可

定価は1600円。どうせ売値が渋いブックオフ高田馬場店(これ有名よ)。
よくても800円くらいかと裏表紙をめくったら、なんと300円。
裏表紙が少し折れているせいかもしれない。
中身を見ると、貴重な作品が復刻(再掲)されている(一部分だけれど)。
井上靖は「猟銃」でデビューしたとされるが、
実のところ、そのずっとまえに懸賞小説に当選していたのである。
言うなれば、作家の本当の処女作が公開されている。
たとえ半額の800円でも買っていたであろう。それが300円というのだから悪くない。
なにゆえこうも古本のヒキがいいのでしょうか。

JRに乗車し帰宅する。最寄り駅横のスーパーに入店。
今日は10月1日。月のはじめは、ほとんどのスーパーで特売をする。
本日は両手が自由。
あまり古書を買い込まなかったのがよかった(ポジティブ・シンキング!)。
この特売で採算をプラスにしようではないか。
ジャンクフードは嫌いではない。レンジでチンの冷凍食品はむしろ好きである。
おお、広告には掲載されていない冷凍焼きそばが半額の168円になっている!
これは買い込まなければならない。
小麦価格が高騰したいま安価な焼きそばは嬉しい。
ところが、レジを通すと合計金額が想像以上に高い。
レシートを確認すると冷凍焼きそばが316円で入っている。定価だ。

ここですぐにクレームをつけたらいけない。
よしんば、こちらのミスだったら今後、
このスーパーを(恥ずかしくて)利用できなくなってしまう(自意識過剰!)。
即座に売場を確認する。
やはり売値は半額の168円になっている(むろん正確な半値とは20円違う)。
間違いない。わたしは間違っていない。
ひとのよいわたしだ。レジの女にこう問いただす。
「会計が間違っているんですけど、また並ばなければダメですか」
この時間はどのレジも行列である。
バイトの指示にしたがい、わたしはふたたび列の最後尾に並ぶ。
意外に思われるかもしれないが、こういうところでは怒らない。
ようやくわたしの順番。
「いえ、あなたのミスじゃないんですよ。店のミス。書かれている売値が違っています」
売り子は金額チェックに駆け出す。
二度も確認しているのだ。わたしが間違っているはずがない。
どうなるのかと思った。
定価でしか売れないというのか。それとも売値通り返金してくれるのか。
どのみちとあきらめていたが、嬉しいことに返金してくれるという。
わたしは168円の冷凍焼きそばを4つ購入したことになる。
不満がなくもない。この段階で午後8時を過ぎている。
特売価格開始の午前9時から11時間も経過しているわけだ。
このあいだどれほどの顧客が316円の冷凍食品を168円だと思って買っていたことか。
だれひとりとして指摘しなかったのは(わたしがだまされた)売値から明らかである。
みなさん、買い物のあとはレシートを確認しましょう。これしか言えない。

いま自作のチンジャオロースをつまみながら酒をのんでいる。
明日から3、4日、禁酒するつもりだ。
またまた血液検査ゆえ。
とある事情でかかりつけの病院をかえなければならなくなったのである。
なるべく肝臓の異常を知られたくない。
いや、いくらでも言い逃れはできるのだ。
医師から毎日の酒量を問われても、ビール2、3本とウソをつけばいい。
ほとんど酒をのまないのに肝臓の数値が悪いものがいる。
いっぽうでいくら鯨飲しても肝臓に異常が見られないものもいる。
実際、わたしだって医師が知ったら卒倒するほどの酒をのんでいるのに、
2年前まで血液検査に異常は見られなかった。
とはいえ、たまには禁酒もいいのかもしれない。
いまのんでいる酒をしばらくのめないのだと思うと、いつもより何倍もうまい。
しばしの別れだ。あばよ酒よ!
毎度の買った本のご報告。9月某日――。
ぐったりと疲れてブックオフ早稲田店へ到着。
この日、医師から血液検査の結果を伝えられた。
疲労はこのためであろう。無頼を気取っているくせに病気が怖いチキンなわたし。
かつて1週間の禁酒を断行したのは、なんのことはない。
血液検査に備えてだったのですね。
1週間の禁酒で肝臓はどのくらい復活するものなのか。
だれも興味がないでしょうが書く。
γ-GTP=274。これが飲酒三昧だったころの数値。
1週間禁酒してどれくらい下がったか。

γ-GTP=151!

やはり数字に顕著にあらわれるものですね。
しかし、これでもまだ基準値をはみだしている。
男性だと90までが正常。酒のみならまず無理な数値だと思う。
2ちゃんねるを見るとγ-GTP、500とか600のつわものがいて笑えます。
人間って意外と死なないものなんです。
もう死んじゃったけど中島らもは1300までγ-GTPがいったらしい。
もちろん即時入院。このへんは小説「今夜、すべてのバーで」に詳しい。

血を見るかぎり、もう少し生きることができそうだ。
なら本でも買うか。

「脱ぐしか選択肢のなかった私。」(英知出版)版元倒産のため入手不可 105円
「騒音文化論」(中島義道/講談社+α文庫) 105円
「私本歳時記」(山口瞳/新潮文庫)絶版 105円


ブックオフ早稲田店はむかしはよかったのだが、規模を縮小してしまい残念。
かつては2店舗あったのである。
いまはひとつの店舗にCD、ゲーム、書籍、漫画をぜんぶ詰め込んでいる。
がために書籍スペースが狭くなった。
ブックオフを出て、早稲田の古書店街をまわる。
この日の収穫は1冊のみ。ワゴン本だが美本。

「テレビドラマ創作講座」(西条道彦/映人社) 105円

別の日、近所のブックオフ。
105円で(ここ重要!)探していた「ふぞろいな秘密」が3冊もある。
ところが、200円と来た。悔しい。
ケチくさいのはブックオフか、それともわたしか。
手元に50円の割引チケットがある。これで150円。
まあ、構わないかという結論に達する。

「ふぞろいな秘密」(石原真理子/双葉社) 200円

この暴露本のレビュー、アマゾンにたくさんあったけど、あれはひどいもんだね。
考えてみたら年に数冊しか本を読まない人も大勢いるわけで、
その数冊のうちの1冊が「ふぞろいな秘密」の可能性も少なくないわけで……。
こんな暴露本を読んだくらいで熱く女性の生きかたを語られてもねえ。
いえ、決して本を読まない人をバカにしているわけじゃないんですよ。

「何も持たず存在するということ」(角田光代/幻戯書房) 105円
「青春放浪」(壇一雄/ちくま文庫)絶版 105円


人気作家・角田光代のエッセイは2008年の6月に出版されたもの。
こんな早く105円に落ちることもあるんですね。
ちゃんとプロパー(半額+50円)のシールが貼ってあって、
そのうえに105円シールだから正規のルートを踏んでいる。
出版されてすぐにブックオフに売られたのでしょう。
それが最短の3ヶ月で105円に落ちたと。
これじゃ作家はやっていけませんね。
だけど、この不況時代、作家のエッセイを1600円も支払って買う人っているのかな。
角田光代のエッセイを買ったのは新しくて物珍しかったから。
人気作家の私生活ってきっと輝いているんだろうな(うっとり)。
酒でものみながら読むことにしよう。成功者から学ぶざ~ますよ、おほほ♪
ブックオフ。あなたならどうする~?
105円本を物色していると、横にあるアダルトコーナーに男の子がやってくる。
ひとり。おそらく未就学児。まだ小学校へ行っていない。いや、1年生くらいかも。
興味深げにアダルトDVDを棚から取りだす。
児童は目を輝かせながらパッケージに見入っているのである。
わたしはお子様を凝視する。
見られていることに気づけば退散するのではないかと思ったのだ。
ところがエロぼうずは、アダルト世界に陶酔している。
見ると、全裸のAV女優が四つんばいでお尻を向けているポーズ。
おちんちんをくださいの格好である。
未就学児はうっとりと手に持ったDVDに見惚(みと)れている。

大人としたら、こういうときにどうしたらいいのだろうか。
このガキをブックオフに連れてきた親はいったいどこにいるのだろう。
小さな男児がアダルト作品にたましいを奪われているさまはグロテスクであった。
もとより、わたしは他人に説教できる身分ではない。だが――。
「おい、なにを見ているんだ」
低い声で男子に話しかけた。
少年はすてきな顔を見せた。おろおろ周りを見回し、恥ずかしそうに逃げていった。
無言で消え去ったのだ。この日、こうして禁じられたことが、
将来、男児の性を豊かにするのではないかとわたしは満足した。

「世界一周恐怖渡海記」(車谷長吉/文藝春秋) 105円
「歩くとなぜいいか」(大島清/PHP文庫) 105円
「医師がすすめるウオーキング」(泉嗣彦/集英社新書) 105円
「公明党vs.創価学会」(島田裕巳/朝日新書) 105円
「道化の目」(小田島雄志/白水uブックス) 105円


1冊をのぞいてどれも定価で買おうか迷った本である。
このうち1冊はつい数日まえ、新刊で買うはずだった。
だが、少し待ったらこのようにブックオフ105円で買えてしまう。
出版社はブックオフをどうにかしないと本当に潰れてしまうのではないか。

言い訳をさせてください。むかしは礼儀ただしい読書家だった。
絶版ではない書籍は断じてブックオフでは買わない。
この流儀を通していた時期がだいぶあった。
魔が差したとしかいいようがない。
定価の高いハードカバーなら絶版でなくても105円で買ってもいいのではないか。
最後のとりでは安価な新書、文庫であった。
絶版や品切れでない限り、いくら105円でもブックオフからは買わぬ。
この自制心の崩れたのが2年前である。
いまや節操なくブックオフ105円本を愛好している。
まったく恥ずかしいことだと思う。出版界のみなさまには土下座してお詫びしたい。

ブックオフを出る。近くの商店街でお買い物。
がっつりお酒のつまみを仕入れる。
レトルトのサムゲタンが期待大。韓国料理。499円もした。
さぞかし美味しいのではないか。ふたつ購入。
さあ、帰宅しよう。お酒が待っている。もうひとつわたしを待っているものがある。
録画予約をしておいた再放送番組。
ギャル曽根がアジアを旅しながら食べまくるという番組だ。
うふふ、ギャル曽根ちゃんってかわゆいよね。
白痴的な笑みを浮かべながら、
お口をおっきくあけて食物を片づけてゆくギャル曽根ちゃん。
こんなに癒される存在はほかにない。
むかしからこの大食い女王には目をつけていた。
テレビをつければギャル曽根がいる。ああ、生きてるのは、なんて楽しいのだろう。

(追記)ギャル曽根アジア大食い番組は録画されていませんでした。
きっと番組が変更されたのでしょう。雑誌テレビライフを参考にしたのが失敗か。
ちなみにギャル曽根ちゃんのアジア番組パート2が明日17日に放送予定。
これはなにがあろうと見逃せません!
神保町に本を仕入れ(なのか?)に行くのは3ヶ月ぶりである。
引越すまえは週に最低2回は行っていたのだからさみしいものだ。
ブログ「本の山」は、かつて神保町に隣接していた。
めずらしい本が多数登場したのも地縁によるものなのかもしれない。

まずは嫌われもの田村書店のワゴンから調べる。収穫はゼロ。
つづいて週末限定の小宮山書店ガレージセールへ。
いまやわたしにとって神保町はご近所様ではない。
悲しいかな、観光地のようなものになってしまった。
ならば、お土産を買わねばなるまい。ああ、情けなし田舎暮らし。

「半自伝 このままでいいのか、いけないのか」(小田島雄志/白水社)
「現代演劇 バーナード・ショー」(現代演劇研究会編/英潮社新社)
「タナトロジー≪死ぬ技術≫」(内村直也/日本放送出版協会)絶版


3冊で500円、すなわちワンコインなのだから安いものだ。

なじみの古書店をぶらぶらまわる。
最新の出版情勢を調べるため東京堂書店へ。
ここの3階にあるトイレはみんなの人気者。
ふたたび小宮山書店のまえに。
ううう、これはなんだ。
わたしは小宮山書店といえば、ふたつしか知らなかった。
お高くとまった店内(1冊数千円)と、乞食相手のガレージセール(3冊500円)。

小宮山書店まえの屋外に並んでいる書籍に初めて気づいた。
これも売り物なのだろうか。
目についたのは、ずっと集めていたシリーズがあったからであろう。
白水社の「現代世界演劇」だ。1冊に戯曲が複数つまっている。
ちなみにこの企画が商業的に失敗したせいで戯曲は売り物にならなくなったのだと思う。

白水社「現代世界演劇」は全18巻で40年ほどまえの出版物。
このうち15巻をすでに集めている。残りは3冊。
小宮山書店まえワゴンには「現代世界演劇」がずらりと並んでいる。数えると16冊。
2冊欠けていたせいでこうも不遇をこうむる羽目になったのか。
さて1冊いくらかと調べたら信じられない。
だれも戯曲なんて読まない現代とはいえ、これは安すぎる。1冊わずか500円である。
わたしはこのシリーズをすでに15冊買い集めたが、どれも500円よりは高かった。

携帯電話のメモ機能に「現代世界演劇」のバックナンバーを残しておいてよかった。
おかげで足らない巻がわかる。何度も何度も確認する。

「現代世界演劇2 近代の反自然主義(2)」(白水社)絶版 500円
「現代世界演劇5 実存的演劇」(白水社)絶版 500円
「現代世界演劇6 不条理劇(1)(白水社)絶版 500円


これでようやく白水社の「現代世界演劇」全18巻が集まったわけだ。
のべでかかった年数は4年か、5年か。
ともあれ、ひとつのことが終ったのだと思う。
終わりは始まりという。なにか始まるものがあるといいのだが――。
出版不況が洒落にならないくらい深刻なようである(例によって2ちゃんねる情報)。
なにが悪いのか。
書き手のレベル低下。出版社のモラル喪失。国民の活字離れ。
こういった建前はもうやめませんか。
みんながんばっているのだ。
作家はだれもが必死になって本を書いている。
出版社の編集者はそれを懸命に応援している。
読者はそうして完成した書物を読みたいと待っている。
この構図はむかしから変わらない。

ところがブックオフが登場してしまった。
このため「作者・出版社(編集者)・読者」の美しいトライアングルがめちゃくちゃに――。
なにがいけないかというとブックオフの価格だ。
大勢の人間の苦労によって生み出された書籍がブックオフでは105円で販売されてしまう。
ブックオフは卑怯なのである。
なぜなら、かの企業は書籍の製作にまったくかかわっていない。
そのくせ図々しくも完成品の価値のみネコババしているのだから。

とはいえ、ブックオフの顧客を責めるのは間違いではないか。
ひとたび出版されて間もない定価1500円の書籍をたったの105円で買ってしまった。
この読書家は今後、新刊書店で四桁もする書物を頻繁に買うだろうか。
よほどの富裕層でもない限り、難しいと思うのだが。
我われが享受している資本主義世界とは、なんのことはない、安ければいい世界だ。
ひとり勝ちした資本主義には、
世界における理想や、かく生きるべしという人生論がない。
カネがすべての世界である。
その手段がどうであろうと、本を安く売るからブックオフはもうかるのである。

ブックオフがこのまま発展するのかは疑問だ。
新古書店は、そもそも新刊書籍あっての商売。
このまま出版不況がつづき、新刊もいいかげんなものしか出なくなると、
ドミノ倒しのごとくブックオフも経営が立ち行かなくなるのではないか。
新刊書籍があってこそのブックオフ。
だのに、寄生虫ブックオフは出版社の血を死に至るまで吸い取ろうとする。
しまいには、みんないなくなるだろう。

7月15日ブックオフ新宿靖国通店。

「インド大修時代」(山田和/講談社文庫)絶版

350円だったものの割引券があったので250円。

同日、ブックオフ大久保明治通り店。

「煮え煮えアジアパー伝」(鴨志田穣・西原理恵子/講談社文庫) 105円
「最後のアジアパー伝」(鴨志田穣・西原理恵子/講談社文庫) 105円
「ラ・ロシュフコー箴言集」(二宮フサ/岩波文庫) 350円


失敗をいくつか。
ラ・ロシュフコーを知ったのは山田太一ドラマ「時には一緒に」。
岩波文庫のラ・ロシュフコー「箴言と考察」は品切れだった。
だから、古書店で見つけたら買おうと思っていたのだ。
ところが、この「ラ・ロシュフコー箴言集」は、
山田太一ドラマ放送後に新訳として出版されたもの。
ふつうに新刊書店で買えたのである。
105円ならいざ知れず、わざわざブックオフ半額で買うべきものではなかった。

「アジアパー伝」シリーズは「もっと煮え煮えアジアパー伝」が欠けている。
これを105円でそろえて、ようやく完結となる。
文庫くらい定価で買うべきなのに、ほんとうにごめんなさい。
ブックオフもいけないが、わたしはもっといけませんね。

同日、早稲田の正統的な古書店で買った古本。

「裸者と死者ⅠⅡ」(ノーマン・メイラー/山西英一訳/新潮社)絶版 1000円

いまはだれからも忘れ去られた長編小説。
わたしも敬愛する山田太一先生の推薦図書でなかったら買わなかったと思う。
使命が終ってしまった書籍といえよう。
だが、こういった古書も古本屋があるおかげで読者に流れる。
むかしながらの古本屋とブックオフはまったく役割がちがう。
ブックオフはかつてなら資源ゴミで捨てられていた紙くずをただ同然で引き取り売りに出す。

ブックオフから本を買ってはいけないのだろう。
だが、きみは餓えた乞食がコンビニの廃棄食物をあさるのを悪とまでは言うまい。

8月27日、近所のブックオフ。

「東京横町の酒房」(笹口幸男/講談社)絶版 105円
「無責任のすすめ」(ひろさちや/ソフトバンク新書) 105円
「思考の整理学」(外山滋比古/ちくま文庫) 105円
「篠山紀信 シルクロード[一][二][三]」(集英社文庫)絶版 315円


つまるところ、本を愛するわたしが本を殺しているのかもしれない――。