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「天龍源一郎の世界一滑舌の悪い人生相談」

「天龍源一郎の世界一滑舌の悪い人生相談」(白夜書房)

→重度の精神障害を持ち作業所に行くのがもういやだって、死にたいって、
そういう40男がよりによってエロ本紙一重のサブカル雑誌「BUBUKA」で
天龍源一郎さんに人生相談をして、
答えは「アイドルはみんな必死で生きている。そこから生き方を学べ」――。
人生相談の相談って裏では編集者が書いているんでしょう?
ガチンコで40歳の精神病の男が「BUBUKA」を買うって「なま」すぎる。
死んだほうがいいんじゃないのって世界。
相談者もそれを自覚しているから「死にたい」なのか。怖いぜリアリティーが。
答えが必死に生きている女性アイドルに学べって、
そこはもう電流爆破式でWARな人生問答だな。

結局、人生でスポットライトを浴びる人なんてほんのひとにぎり。
みんな屈辱、切歯扼腕のなかに夢かなわず無駄死にする。
1万人にひとりのスポットライトを浴びた天龍源一郎はいう。自分を貫け。
「なにこのやろう、こんちくしょう、いまに見ていろ」と思え。
不遇時代がなんだ。

「それに世の中って必ずグルッひと回りするから、
いつかはスポットライトを浴びるタイミングが来る。
俺も相撲からプロレスに転向した時、芽が出なかった。
でも「誰かがどこかで必ず見ている」という夢物語で自分を励ました。
そして”天龍イズム”というようなプロレスができた時に
スポットライトを浴びた、ということです(P37)


「誰かがどこかで必ず見ている」――。

天龍のこの夢物語で自分を励まして20年間生きてきて、
八王子さんが現われたときは涙が出るほど感謝した。
しかし、彼はメガネスーパーの田中社長みたいなもんで、
あっさりわたしを切って、いまでは刑事告訴も辞さないかまえであるという。
本当に「誰かがどこかで必ず見ている」のだろうか?
43歳にもなるとその夢物語を信じられなくなる。
自分ではこの43年、20年、手抜きはしないで懸命に生きてきたつもりだが、
おそらくみんなもそうで、スポットライトを浴びるかどうかは確率的な偶然の問題。
いま自分に夢があるのかはわからない、そういう年齢だが、
いつ夢をあきらめるべきか。天龍は人生相談に答える。

「夢をあきらめるタイミングって言うけどね、それは今じゃない。
ホントに切羽詰まっていたら、こんな甘い相談なんかしてこないからね。
行き詰って、苦しくなって、どうしようもなくなって、
辞めるしかないという時はいつか必ず来るんだ」(P139)


ネットにいっぱい悪口を書かれているけれど、
天龍同盟で一緒だった川田利明さんは、
うまいタイミングでプロレスの夢をあきらめたのだと思う。
その生き方、死にざまは悪くないが、三沢さんやハヤブサ選手はちょっとねえ。
わたしもこのあたりで堅実におのれの小さな器と向き合ってもいいのだが、
断崖絶壁まで切羽詰まっているかと聞かれたら、まだ行ける。
がんフィニッシュかと思っていたらがんではなかった。
いったいどうしたらいいんだろう、天龍さん?

天龍源一郎の女性観はすごいぞ。男にとって女とはなにか。
貧乳で悩んでいると「BUBUKA」に相談してくる女性なんか存在するのか?

「でもまあ、男にとってパッと見で顔、その後にスタイル……
胸なんて3つ目4つ目だから大丈夫ですよ!!」(P143)


内面はどこに行ったんだよ。女性の内面は。
それはパッと見ではわからないのは事実だが、
女は顔だってレボリューションだな白夜書房。
「BUBUKA」は大学時代、たまに買っていたよ。女が買える雑誌ではない。
生身の女性を愛せないというアニメ好きの
「BUBUKA」愛読者の相談にはどう答えるか。

「アニメの女はいつまで経っても同じままだけど、
生身の女性は変化があるからいいんだよ。
生身の女性と付き合うと、うまくいかなかったり葛藤もあるけれど、
逆に100%応えてくれるときの嬉しさもある。
年をとるにしたがって自分の色に染まっていく
女の人を見るというのは満足感が高いもんだよ。
お前がね、人から好かれるような人間だったら、
彼女をどんな色にでも変えられるんだよ。
究極の言い方をすれば、好きなキャラクターを作れる監督になれる、
かもってことだよね」(P123)


天龍源一郎はすっかり奥さまの嶋田まき代の色に染められたのだが
(天龍はまき代さんの作品)、
されたほうも相手を自分の色に染めたと思っていたのか。
天龍のお嬢さん紋奈(家紋が広がりますようにって意味)ちゃん。
馬場元子レベルに業界から「しょせん女のくせに」と評判が悪いそうだが、
わたしがおきれいな紋奈代表を自分の色に染めてやると思うまえに、
彼女は平凡なサラリーマンと運命的な結婚をしてしまった。
紋奈さんがいまやっているのはプロレス互助組織の設立。
猪木、藤波、長州、お父さまの天龍、みんなあくが強いけど、うまくいくのかな。
困ったらおれの胸に飛び込んで来いよ。
そのままパワーボムで持ち上げるつもりだが、
それはフランケンシュタイナーで返させるための布石である。
ともあれ、和光学園高校出身の嶋田紋奈代表にはいろいろご活躍をしてほしい。
紋奈ちゃんレベルの年齢、華で人生相談に答えるのは(本書で数回)、
ちょっと違和感があったが天龍の娘さんらしくていいとも言えよう。
紋奈ちゃん、天龍源一郎をしっかり看取ってくれよな。任せたぜ。

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