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「少女ミステリー倶楽部」

「少女ミステリー倶楽部」(ミステリー文学資料館編/光文社文庫)

→自意識過剰は14歳くらいの少女だけに許される期間限定の行為である。
自分をどのキャラにもうまく同化できないで、
かといってメンヘラや不思議ちゃんというキャラもいやで、
そうなると学校に行けなくなるのだが、
いざ学校へ行かないと今度は不登校児のキャラになってしまうので、
それもいやだっていう。
男全般、男の自意識過剰は恥ずかしくて目も当てられないし、
おばさんの自意識過剰は厚かましい。
わたしは職場にこんなアクセス数50人(1日)の過疎ブログが
ばれているのではないかという
自意識過剰な面もまだかなしくも残存しているが、
しかし、やっと大人になった部分もあり、
「食いつめて高時給に目がくらんで短期仕事に応募したものの、
単純作業の仕事でさえろくにできない恥ずかしさを自覚しながら、
にもかかわらず厚顔にも気づいていないふりをする痴呆的微笑が売りだが、
それがちっとも売り物になっていないほど落ちぶれ果てたおっさん」
のキャラにおのれを溶け込ませている。自意識過剰だなあ。

まあ、ユング的な意味でだれのこころにも自意識過剰な少女がいるのよ。
いまの職場である女性トレーナーが休憩時間に
スポット派遣がたくさんいる休憩室に入れないで、
入ろうとしてターンして外に出たときは年齢にそぐわない少女を見た。
おなじトレーナーがなにに悩んでいるのか、
休憩室でうつむいて暗い顔をしているときにも不安定な少女を見た。
わたしに休憩時間に入るのが早いと走って飛んできて注意した女の子が、
ああ、あんなことしなきゃよかったと休憩室で寝転んだり、
わざとわたしに聞こえるように
こんな会社はひどい会社と会社批判を始めたときは、
自分を持て余しているようで、いま思えばかわいい少女だった。
円形脱毛症になるほど、
思い悩むまじめな中年男性のなかにも少女はいる。
ほとんどの自意識過剰は醜いが、少女のそれだけは美しい。

本書は少女を題材にしたミステリーのアンソロジーである。
どれもわからなかったことがわかり善悪がはっきりする話で、
少女的なるもの、少女性、処女性、
いわば不可解な自意識過剰とは相いれない意識が明瞭とした小説であって、
そのぶん読み物としてはおもしろい。
いちばんを挙げれば木々高太朗の「老人と介護の娘」である。
没落した名家の美少女が、
元は法律学者をしていたという高齢男性の家に破格の条件で雇われる。
両親思いの娘さんはお金がない自家のことを思って、
意にそぐわない住み込みの介護の仕事に就く。
明文化はされていないが、明らかに下半身の世話も求められていた。
糞尿の世話という意味ではもちろんなく、男と女の関係のことである。
当然、男を知らない生娘(きむすめ)の
まじめな少女には覚悟のいることだった。
ある日、老人が寝床で死んだ。どういうわけか?

娘さんは晩にマッサージのためにという理由で老人の寝床に呼ばれていた。
いよいよ女になるのかとどれほど生娘の少女は緊張したことだろう。
それを覚悟のうえでの住み込みだったのである。
ところが、指一本、清い身体に手を触れられることはない。
男はうつぶせになっており、少女はそのうえにまたがり、
肩から首を手でマッサージするのである。
今日はされなかった。でも、明日はされるだろう。
いったいどんなことをされるのだろう。
少女はこっそり自室でおのれの裸体を姿見(鏡)にうつしてみた。
むろん、性行為をまったく知らないわけではないが、
小説で読んだことがあるだけで、
そのとき身体が火照ったのを覚えている。
あのときポカっとしたのはどこだったか。
今日こそは自分は女になるのだろうと思って寝床へ向かうが、
なにもされない日々が続く。
名家の子女でまじめで本をよく読んでいるから、いろいろ考える。
自分になにか落ち度があるのではないだろうか。
また衣服を脱いで姿見のまえに立ち、おのれと向き合う。
身びいきなのは知りつつもあたしは美しいと思う。
なぜ男は手を出してこないのだろう。
マッサージの仕方が悪いのだろうか?
相手のうえにまたがり胸を押しつけ肩から首を手でもむ。
男は「もっと強く、強く」と言うだけである。

老人の死因は絞殺。検事の判断は不起訴。事件性なし。
検事の推理を聞こう。

「想像ですから、気にとめないで下さい。
つまり股を開いておしつけ、手は首にかけて全身の重みがのったので、
想像では、オルガスムスが来たのでしょう。
少女の、最初のオルガスムスではないでしょうか。
それで時間をすっかり忘れ、忘我の境になったのではないか――と」(P260)


死んだ老人の長男はそれを聞いてこう言ったという。
「――ハテサテ、では老人も満足して死んだでしょう。
父としては、それは色っぽい大往生でした」
そう言うと、男だけがわかるひくい笑い声を立てた。
いまア○ゾンの川口倉庫で働いているが、ローターが本当によく出る。
1時間に10個以上ローターばかりピックしたことがある。
お買い上げありがとうございますだが、
職場や仲間内では社交家ぶって、
自宅や自室では自分の世界に耽る女性の内向的な少女性っていいよなあ。

COMMENT

空談 URL @
01/07 17:05
. 木々高太"郎"な。50すぎで書いた作品か。たぶん作者自身がインポになり、なおかつ「どうせ死ぬんなら、美少女の股間で窒息死してえなあ」と夢想したからそんな話を思いついたのだろう。








 

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