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「往生要集釈」

「往生要集釈」(法然/大橋俊雄校注/「原典 日本仏教の思想 5」岩波書店)

→「選択本願念仏集」へいたるまでの道のりを見ていきたい。
法然は本書(講演の記録とも言われる)で、なにを言いたかったのか。
中国古僧の道綽や善導を重んじよ、である。
道綽の「安楽集」を読め。それから善導の「観経疏」を読め。
しかし、当時の天台宗で道綽や善導はあまり流行っていなかった。
本場の中国でだってどうだかという話もあるくらいである。
ならば、秀才の法然はどうするかといったら、
天台浄土教の大成者である源信の名著とされる「往生要集」を持ち出してくる。
「往生要集」ならばみんな読んでいるし、評価も高い。すなわち権威がある。
博識ぶって(いや本当に博覧強記なのだが)いろいろな経典や論書を引用しながら
「往生要集」の解釈を自分の寄せたいほうへ持って行く。
研究者によると源信は智顗(ちぎ)のほうを善導よりも重んじていたらしいのだが、
法然は多数の仏典からの引用を証拠として出し、
源信は「往生要集」で道綽、善導を重要視していたと結論づける。
「往生要集」の本当の意味はこうだとオリジナルの独自解釈を証明してみせた。
こうして源信の「往生要集」の権威を利用して道綽、善導の株を上げたわけである。
聞いたこともない経典や名前がたくさん出て来たので、
法然の勉強好きには降参する。おそらく当時の同僚僧侶もそうであっただろう。

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