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「がんと仲良く暮らす」

「がんと仲良く暮らす」(ひろさちや・佐藤昂/春秋社)

→佐藤昂というエリートサラリーマンは、ひろさちやの義弟(妻の夫)らしく、
がんになったことをなにか特別なことのように考え、
どんなコネを使ったのか2冊闘病記を書き周囲に配り、
ぜんぜん反響のないのがさみしくなったのか、
有名なひろさちや先生に共著をお願いしたらしい。
佐藤昂はがんになったおかげで安っぽい自己実現のようなものを果たしたと満足げだ。
「がんでもいきいきしてるおれってすごくねえ?」
と周囲に負けたと思われたくないエリートが息巻いている感じが不愉快だった。

数ヶ月まえ原因不明の吐き気があり、胃カメラとCTの検査を受けることになった。
病院の受付で、これ、ひょっとしたらがんもわかっちゃいますか? 
と聞いたら笑顔でイエス。
かといってすぐ検査を受けられるわけではなく2週間後に胃カメラ、
3週間後にCTって感じだったかなあ。不安で狼狽(ろうばい)したものである。
がんかもしれないなんて恐怖で凍りつくじゃないですか?
末期がんだったらラッキーだけれど、初期のがんだったらめんどうくさい。
なまじ近藤誠医師のがん放置理論とか知っているから、がんだったらどうしようと。
知らないほうがいいことってあるよねえ。
自分ががんであることとか、近藤誠医師のあれも知らないほうが幸せ。
結局、逆流性食道炎だったわけだが、いまも吐き気があるけれど、
病名もわかっているし、たぶんもっとも強い薬をのんでいるし、
これ以上できることはないとわかっているから以前のような不安はない。

受賞歴ゼロだが長寿の仏教研究家のひろ氏が、
受賞歴多数でストレスに殺されたような元文化庁長官、河合隼雄の言葉を引用している。
孫引きさせていただく。

「癌(がん)の宣告を受け、手術不能と言われてから、
医者の予想に反して長く生き続ける人があることは、
最近よく知られるようになった。
このような点を研究したあるアメリカの心理学者は、興味深い結果を見出した。
つまり、癌の宣告を受けて、まったく気落ちした人は早死にする。
それと同時に、何とかこれに負けずに頑張り抜こうと努力する人も
早死にすることがわかったのである。
それでは、長命する人はどんな人であろうか。
このような人は癌に勝とうともせず、負けることもなく、それはそれで受けいれて、
ともかく残された人生を、あるがままに生きようとした人たちだった」(P95)


ひろさちや先生の本から河合隼雄の言葉を引用するのは
さすがに失礼余りあるので、ひろ氏の言葉も拾いたいが、
なにか媚びているような気がしていやなので、
ひろさちや氏の知り合いのドイツ人が言ったという言葉でも引っ張っておくか。

「いいか、友人というのは、
そいつのためなら自分の命まで投げ出すことのできる者を言うのだ。
だから、友人は一生に一人か二人しかできない。
場合によると、友人なしで終わることもある」(P6)


いつのまにか40歳を超えてしまったので訳知り顔で言わせてもらうが、
男と男、女と女というのはぞんがい友人になれないのではないか?
仲間や師弟にはなれるけれども、友人にはなれない。
なぜなら同世代の同性だとどうしても競争になってしまうところがあるからである。
どっちが稼いでいるかとか、どちらが美しいかとか、持っているブランド品の数とか。
わたしは幸か不幸かがんではなかったが、
いまがん闘病中の人に激励の言葉を送らせていただく。
がんばれ、がんばれ、がんに負けるな、あきらめるな、がんに勝て!
がんになると仲間が増えそう。仲間は励まし合うのが好きだよねえ。
ちなみに友人の少なそうなひろさちや先生は、
仲間依存症、師弟依存症のようなところがある創価学会を嫌っておられる。
友人もシンパも多かった河合隼雄は創価学会と極めて良好な関係であった。

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