「酒呑まれ」

「酒呑まれ」(大竹聡/ちくま文庫)

→父から幾度となく教え聞いたのは「飲む、打つ、買う」だあな。
男は飲む(酒、酒、酒)、打つ(賭博/ギャンブル)、買う(売女/買春)――。
このどれかで破滅するから注意しろ。
今日も父から明日の昼から飲もうという電話があったが、
月曜日からきつい仕事だし、書きたい本の感想も山ほど残っているので、
どうしようもないどうでもない事情ではないことを聞いたうえでお断りする。
バカな工員っぽいことを書くと(わたしのいまの身分はそれだが)、
男には酒、賭博、女しかないのだろう。それしか生きる楽しみなんかあらへんやないか。
正直、賭博も女もよくわからない(教えてくださいませ)。
酒だけは一丁前にわかっているような顔をしている男(わたし)の
絶賛するのが大竹聡さんである。むかしからファンだった。
大竹聡さんは「酒とつまみ」編集長にして、酒場エッセイ作家の技巧派。
著者の文章を読むと、うまいよなあと思うところが多い。
まあ、著者は酒を飲みながら売文を書くこともけっこうあるらしい。
開高健というすごさがよくわからないサントリー作家がいる。
山口瞳(男性)も同時代のサントリー作家だが、
サントリーには男の夢を誘うノウハウがある。
ぶっちゃけ、なにを厚顔にと叱られそうだが、サントリー作家の地位にあこがれている。
酒は健康によくないとされているけれど、飲むと楽しいじゃん。
いつしか古株酒場作家となったいかにも善人顔、イケメンで、
わたしもいつかお逢いできたらと願っている大竹さんの文章を引こう。
大竹聡さんは開高健のことをこのように書く。
開高健専属カメラマンだった高橋昇氏の思い出としてだ。
カメラマンは糖尿病なのに、ウニやらあんきもやら危なそうなものをがんがん食ったという。
好きなものは好きなだけやる(食う)。著者は――。

かつて開高健さんが通ったバーに[高橋昇に]連れて行ってもらったこともある。
昇さんは開高さんが残したザ・マッカラン十八年のボトルを受け継ぎ、
開高さんのネームプレートをボトルに下げたままにしていた。
もちろんストレートで飲む。
開高さんの思い出を話すとき、北海道出身の昇さんはなぜか関西弁になった。
「先生な、こうして、小指立てて、飲むんや、いつもな、小指、立ってるんや」
言っている昇さんの小指もピンと立っていておかしい。
何千冊だったかそれとも万単位だったか、数は忘れたけれど、
昇さんは開高先生から、とことん本を読んだら賢くなると教わったという」(P197)


わたしは酒、演劇、文学、宗教のことをよく味わった。それがわたしのいまのプライド。
えへっ、なんちゃって。いつかサントリーとお仕事をして、若者の酒離れをとめてみたい。
本書は酒好きが酒に呑まれながら書いたじつにいい本でした。

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