「60歳で小説家になる。」

「60歳で小説家になる。」(森村誠一/幻冬舎新書)

→人にはいろいろ適性ってものがあるじゃないですか? 能力差みたいなもの。
なかには重いものを運んでもさほど苦にならないものもいる(すげえ!)。
お菓子を箱に入れるのが超人的に早い女性がいる。
ものの数をかぞえるのが正確で、ロボットを超えるがごとき存在がいる。
おれ、ぜんぶダメなんだよねえ。
重いものを運ぶと翌日にはすぐに腰が痛くなるし、
お菓子を箱に入れるのも遅く、いくら経験を積んでもまあ限界が見える。
ものを数えるなんていう最低作業でもどこか自分に自信を持てない。
言葉にだけは誤った錯覚した自信のようなものがあるけれど、だれも評価してくれない。
もう女の子しかいないと思うんだ。
きれいな女性やかわいい女の子から愛され、
「土屋さん、がんばれ」って言われるしかない。
かつてそういう時期もあったのだが、芽は出なかった。
えええ? 本当におれごときが女から愛され応援された時期があったのか?
著者いわく、小説家になりたいなら「まずは日記に嘘を書きなさい」――。

「まずは日記に嘘を書く。他人に見せるために美化してもよい。
小説家志望者が、毎日文章を書き続ける訓練として、
もっとも入りやすいのが日記である。
ただ、経験した事実を、正直に書いてはいけない。
他人に見せる意識がないと、文体と文章が甘くなる。
平安朝時代の公家は他人に読ませることを意識して、日記を書いていた。
読ませるつもりで書くと、自分の感性の素晴らしさを誇張し、
虚構が加わるので、文芸になる。
それらの多くが古典として現在に残っている所以(ゆえん)である」(P112)


どこまで日記に嘘を書いていいのだろう。
わたしがいまの職場に好きな女性がいると
世間に実名で公開してみたらどうなるのだろう。
これは本当か嘘か。
あっちゃんかミッキーかアキちゃんかさっちゃんかチヅルなのか。
森村誠一いわく、日記に嘘を書くのが文芸のあけぼの。
アキとさあ目が合ったとき、泣くほどの笑い目をしていてちょーおもしろかった。
ハッシ―との雑談を盗み聞きしていたけれど、親とそりが悪い33歳独身なんでしょ。
おれはさ、盗み聞きしかいまの職場に楽しみはないから。
それにしても、やっぱりあっちゃんはかわいいなあ。
30オーバーだって聞いて、おれにも手が届くのかと妄想を抱いた。
ミッキーは独身かわからないけれど、お姉さんキャラだよねえ。
チヅルは怖い。今日で会社を辞めたいと言ったら、
そんなことではどこの会社に行っても通用しないとお叱りを受けた。
メガネを取るとかわいいのはチヅルもアキちゃんもおなじ。
おれ、いったいなんのために働いているんだ。いったいなにを書いているんだ。
いやいや、森村先生が小説家になりたいならば、まず日記に嘘を書けと――。
嘘と本当ってなんだろう。きゃぴきゃぴ、えへへ♪
本ばかりいっぱい読んできた人生でした。

「親から伝えられた遺伝子の数や組み合わせによって、
独自の遺伝子型が形成されるように、
大量の作品を読みこなすことによって、自分の文体が構築される。
遺伝子組み換えによる突然変異もありうる。
影響と模倣は異なり、作家志望者の基礎体力ともいえる読書量が少ない者は、
模倣に陥りやすく、大量の読書で培われた基礎体力が、
独自の文体や突然変異につながっていく」(P146)


ぶっちゃけ、もうむかしのように新人賞をめざすのってうんざり、げんなり。
だってもう40歳だぜ。いいおっさん。敗北中年。孤独中年。絶望中年。
賞を取って喜ぶ歳でもないような気がする。文芸の賞かあ。

「およそ文芸の評価は主観的な要素が強い。
ある人にとって極上の美味が、
別の者にとっては吐き気をもよおすような不可食物(食べられない)となるように、
不朽の名作が予選ではねられたり、
駄作がグランプリとなることも少なくない」(P166)


おれはさ、「神田川」みたいな嘘くさい世界が好きなわけ。
女と惚れあって、惚れた女のために力仕事をして安賃金をもらってくるみたいなね。
ひとつのマドレーヌをふたつにわけてふたりで食べたみたいな世界さな。
小説家になりたければ日記に嘘を書けって、おれ死にたい(笑)。



ひとつのマドレーヌをふたりで食べたしさみしき春よ。

COMMENT

囃子先生 URL @
03/02 23:04
. まさかとは思いますが、この「女の子」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。もしそうだとすれば、あなた自身が統合失調症であることにほぼ間違いないと思います。








 

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