ありふれた奇跡よ

朝起きて、はあまあ、こんなもんかと自転車で出勤し、
夕陽がきれいだなあとチャリをかなり飛ばしながら
近隣スーパーをまわって安物をつかみ、
家で一番下等なビールもどきをのむのでさえ「ありふれた奇跡」のひとつだったのか。
一度断絶がないと「ありふれた奇跡」の存在はなかなかわれわれ凡人にはわからない。
うちの父のように1回脳内出血で倒れたら、どれほど「ありふれた奇跡」がわかるか。
わからない人も或(あるい)はいて、そういう人もいるからおもしろいのだろうけれど。
でもさ、「ありふれた」ものってつまらないよね、やっぱ。
なにもないのにそれが「奇跡」だとわかるのはよほどの哲人や聖人ではないか。
先日、山田太一ドラマの「ありふれた奇跡」を、
日本映画チャンネルの再放送をリアルタイムでぜんぶ見たけれど、
庶民の左官の青年が名家の山の手のお嬢さまと結ばれるって、
やはり「ありふれた奇跡」ではなく「ありえない奇縁」なんだよね。
2016年も毎週のように放送時間にリアルタイムで視聴していたけれど。
あの男女、すごい詩的な会話をしてんのねえ。
「ありふれた奇跡」ごっことかふざけて、
2009年放送当時女の子とドラマの会話を真似た記憶がある。

わたしはいつ「ありふれた奇跡」に戻れるのか?
職場復帰という意味だが、クビにならなければ。
ひとりの医療スタッフから「今度(肋骨を)やったら終わりかもしれませんよ」
とストレートに脅されているから(親切なご助言をいただいているから)。
一生左肋骨が痛い余生なんてまだ40歳なのにいやだしなあ。
経済効率を考えたら「ぜんぜん痛くない」
と強弁に主張して明日復帰するのがいいのだろうが(する人多そう)、
痛いものは痛いし、今日咳込んだら激痛が走ったし。
医者のOKを待つしかないのだろう。
散歩してもいいですか? って聞いたらスタッフがダメと。
ひとつわかったのは医者にはなるべく質問しちゃいけないってこと。
自転車に乗ってもいいですかは聞かなかったからOK。
チャリがなかったら生活必要品を購入できませんよ。
今日事故後はじめて自転車を運転してみたけれど怖いったらない。
いまこけたりしたらおそらく終わりだから。
ゆっくりスローモーに前後左右を確認して安全運転。
するとスマホを見ながら運転する背広姿の会社員とか目に入るけれど、危ないって。
でも本人も事故を起こすまではその危なさに気がつかないのだろう。
そのへんはお互いさま。べつに怒りもわかない。
なにをしても事故を起こす人は起こすし、起こさない人は起こさない。
起こしたら「ありふれた奇跡」の価値がわかるという功徳がついてくるから、
そこまで悪くないのかもしれない。自損事故ならね。自損ならば。
会社のみなさんにご迷惑をおかけして申し訳ないと反省しておりますが。
あんがいわたしなんて1週間で存在を忘れられたかもしれないし、
あの肋骨バカはどうしてんだ? 
とか悪口のいいさかなになっているかもしれないけれど。

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