スピード狂の末路

知り合いの知り合いの知り合いくらいから遠いむかし聞いた話だったか。
わたしとなんの縁もゆかりもない人の話。
なんでも当方の記憶はおぼろげだが、
知り合いの知り合いがむかし交通事故で婚約者を亡くしたらしい。
どうして交通事故が起こるのかはだれにもわからないが、
だれかが急がせたり焦ったりするのが関係している可能性もなくはない。
スピード重視。早ければ早いほどいい。速度のためなら多少の犠牲はいとわず。
そういう世間風潮からかつて婚約者を交通事故で亡くした人がいまもいま、
急げ急げ急げ1分たりとも10秒たりとも無駄にするなと、
狭い場所で怒鳴りながら走り回っていたら、これは自業自得かどうか。
たしかに早いのはいい。
わたしはのんびりしているからレジで多少待たされてもぜんぜんOKだが、
スピードが遅いとヒステリックに切れる人というものがいる。
もっと早くしろ、スピードを上げろ、もっともっともっと、もっとできるだろう!
もっとだ、もっと! 人間に限界はないから、もっと!
彼(女)のご子息が交通事故に遭って死んだら、部下のいく人が戸惑うだろう。
不謹慎にもザマアミヤガレと思う人はいないはずだが。
人生経験上、たとえばヒステリックなほどにスピード狂のお子さまは
交通事故のようなものに遭遇する危険性が高いような気がする。
しかし、愛する人が交通事故で死ぬまではだれもがスピードこそ正義と思っているもの。
なかには婚約者が交通事故で死んだのに、
スピードきちがいでいつもイライラ暴走族状態で、
カリカリ周囲を威圧しているものもいるのだろう。
それはおまえが彼女を殺したんだな。なかにはそう思う人もいなくないだろう。
急げ、急げ、もっと早く、早く、1分でも1秒でも1コンマでもスピードを上げろ。
いいか、それが正義だ。正義は正義だ。
正義の人の愛するものは交通事故ではけっして死なない。正義はスピードだ。
急げ、もっと早くしろ、もっとだ、もっともっと!

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