「創価学会財務部の内幕」

「創価学会財務部の内幕」(「学会マネー研究会」/小学館文庫)

→おーい、みんな、創価学会って知っているかい?
あんがい意外と街の人は創価学会のことを知らないような気がする。
わたしだって創価学会の存在を知ったのは20代半ばだから。
芥川賞作家の宮本輝さんの小説が好きで好きで、
ネット検索したらそのときはじめて創価学会という巨大宗教団体の存在を知った。
だから、少なくとも大学を卒業するまでは創価学会のことをまったく知らなかった。
だって、学校でも予備校でも教えてくれなかったもん。
河合塾の日本史の桑山先生が日蓮の話をするときに、ちょっとにおわせたくらい。
史実は史実ですから、とかさ、うふっ。
けれど、人口比率を考えると絶対にわたしも小中高、大学で学会員と遭遇しているわけ。
なのにどうして創価のことを知らなかったかというと学会員が隠していたからだと思う。
宮本輝先生も内部機関誌ではばらしているが、公的エッセイではいっさい触れていない。
どうして学会員って創価学会員であることを隠すのだろう?
答えは偏見があるから、差別があるから、恥ずかしいから。
このため、隣人が隠れ学会員かもしれないという一般人の恐怖をときに誘う。
この1年のわたしなんて逢う人逢う人が学会員に見えてしようがなくて、
それほとんどビョーキだよって話。

わたしは創価学会のことが自分と正反対だからかなり好きである。
学会員って要するに高校の体育祭とかで夢中になる熱いイイやつなんだなあ。
そういうのが嫌いな高校生の当方は体育祭も文化祭もわざわざ欠席したから。
あのときなにも言わなかった担任の地学N先生は偉大っすよ。
欠席したけれど人一倍、
そういう熱い輪にあこがれているようなところがわたしにはある。
学会員だってスリープ(未活/非活)7割、ほどほど2割、バリ活1割くらいっしょ?
みんなバリバリ生きたいけれど、そういうのは疲れちゃう。
けれど、やっぱ、バリバリ活動しているものへの憧憬のようなものはある。
けどけど、文化祭の練習に来ない? とか誘われるとうざい人はうざく感じる。
あいつに役割を与えて仲間に入れなきゃとか思うのがおそらく学会員メンタル。
で、それが嫌いというのではなく、とってもいいんじゃないかなあと。
創価学会以外にも学会的なものって世の中にたくさんあるじゃないですか?
社訓を毎朝大声で叫ぶ会社とか、あれですよあれ。
いまは存在するのか知らないけれど社員旅行ってキモいけれど、
それはそれで美しいじゃん。
社員旅行を取り仕切っているリーダーが裏では陰口をたたかれていたり……。
そういう、なんちゅうか、人間くさいのって、つまり学会的で日本的で、
あっていいんじゃないかな……というか、むしろそれが「リアルな絆」みたいな。
濃い人間関係とかいまは創価学会くらいしかないんじゃないかしら。
高校時代にしか存在しないような、
ピュアでなまの人間の愛憎劇を味わえるのが学会。

本書によると、経済的には創価学会は税金を納めていない全国規模の大会社。
この本ではそれが悪いような書かれ方をしているけれど、
節税はどこの会社もやっているっしょ?
まったく無意味の選挙投票チケット1枚と引きかえに強制徴収される税金ほど
アホらしいものはないわけだから。
税金を払うくらいだったら創価学会に寄付してわずかでも見返りをもらったほうがいい。
脱税か節税かなんてよくわからないのよ。
合法ギリギリの税金対策なんていくらだってあるはずである。
税務署が黒といったら黒、白といったら白になる世界。
いったいなにが「正しい」っていうの? いったいなにが不正なの? 本書より。

「ここまで創価学会と大手都市銀行の〝関係”をつぶさに観察してきた。
そこには、話し合いで双方が妥協点を見いだし、共に利益を得ようではないか、
という〝癒着(ゆちゃく)”の構図が見えた。同じ「輪」(円)の中で、
「宴(うたげ)」を盛り上げる、それも持てる同士で……。
そんな両者の関係もあらわになった」(P60)


え? 癒着のどこがいけないの?
みんなひいきにしているものには、いい思いをしてもらいたいと思うでしょう?
自分の親族、血縁は厚遇するというのが歴史上、人間の本性ではないか?
それを癒着っていわれても、おまえはどこかと癒着していないのかって話。
創価学会はひとつのファミリーだと解釈すればいちばんわかりやすいと思う。
ファミリー企業がいっぱいあって、お互い助け合っている。
そうはいってもファミリーはいいときばかりではなく、
ファミリーゆえに争うとドライにはいかず、とことんヤクザに近くなる。
私見では、いま創価学会は誕生以来、いちばん健全でいい時代なのではないか。
というのも、ビックダディでゴッドファーザーの池田先生がゴニョゴニョになってしまい、
おかげで学会員がそれぞれ自分のあたまで考え意見し行動するようになっている。
いつ勲章マニアの池田先生があれになったかは諸説あるが、
わたしは芥川賞作家の宮本輝先生が紫綬褒章を取るまえだと思う。
池田先生がお元気だったら宮本先生は絶対に紫綬褒章を怖くて取れなかった。
現実をよく知らなかった若輩のわたしは宮本輝の小説にリアリティを感じていたが、
もういいおっさんになったこちらからするとあれは病的妄想だ。
創価学会に入れば宮本輝の小説世界を生きられるのかなあ。
山田太一ドラマの庶民はとにかく本を読まないけれど、
宮本輝の小説の庶民は見栄をはって源氏物語とか読もうとするんだ。
作者の宮本輝だって読んだことがないくせに、笑っちゃう。
学会員のすばらしさと恥ずかしさは庶民が源氏物語を読もうとするところにある。
わたしは権威主義(勲章! 古典! ゲーテ!)で、
なおかつ反権威的(価値創造! 創価ルネサンス!)であるという、
矛盾した面をあわせもつ創価学会という人間くさい秘密組織が、
どこか自分とおなじうさんくささがあるため、しかるがゆえにおもしろくて好きだ。

本書ではいろいろと裏の金の儲け方を知ることができ非常に有益だった。
そういう手があるのかと、ふむふむ。
匿名のライター集団もみんな本当は創価学会のことを憎からず思っているんだろうなあ。
創価学会はおもしろすぎる。

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