現実と妄想

精神病患者の特徴はおかしな妄想を語るところである。
おかしなことを言う人は狂人と見なされる。
いまわたしの周囲で起こっていることを語ればきちがいあつかいされるだろう。
本当に起こっていることなのだが、
それを書いたらそんなことはありえないと言われてしまう。
あげく、精神障害者のように思われることだろう。
繰り返すが、正気と狂気の境い目はおかしなことを語るかどうか。
だったらさ、異常な体験をしていても、それを口にしなければ狂人にならないことになる。
世界の秘密を知ってしまったと語るのは大半はきちがいだと思うが、
秘密を知っても知らないふりをすれば正常な人として遇される。
しかし、秘密は人を孤独にするから、たいがいはその孤独に耐えきれない。
結果として世界の秘密のようなものを言葉にしてしまい
周囲を困惑させ精神病院へゴーとなってしまう。
言わなきゃいいのだが、それを言わないのがかなり難しいのである。
たとえ「本当のこと」でも、周囲にそれを信じてもらえなかったらきちがいあつかいされる。
対策としては経験した「本当のこと」を決して口にしないことだ。
39年生きてきたが、ここに書いてもだれにも信じてもらえないことをけっこう体験している。
そんなことありえないということは、人によっては高頻度で起こるのである。
ところが、その現実を言葉にしたら精神病的な妄想に思われてしまう。
この1ヶ月に起こったことを書くことはできない。
書いたらわたしは精神病あつかいされることをわかっているから。
逆に言えば、書かないからこそわたしはまだ常識を失っていないそこそこ正常な人である。
「本当のこと」というのは「本当に思えること」なのかもしれない。
ある人が現実を語ったら妄想に思われるということは少なからずあるのだろう。
その人の現実ではない妄想を語ったほうが現実的と周囲から受け入られることもあろう。
世の中で精神病とされる人の数パーセントは「本当のこと」を体験したのではないか。
ただし、彼(女)は弱かった。
語ってはならないそれを秘密としてキープできるほど孤独に強くはなかった。
いや、ひとりその妄想を現実として信じてくれる人が不運にもいなかったとも言いうる。
わからないものを安直に言葉にせず、
わからないままにしておけるのが本物の精神力だろう。
現実を語ったら妄想になる。妄想を語ったら現実となる。世界にはそういうところがある。

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