「真実の証明」

「真実の証明」(阿部日顕/日新報道)

→日顕なんてだれも知らないでしょ?
学会員かどうかの見分け方って(学会員は正体を隠すことが多い)
みんな興味があるみたいだけれど、わたしの名前は「顕史」というのだが、
「日顕」の「顕」ですと言ってわかったら、相手は学会員ではないかという笑い話。
でもさ、いまの未来部の少年少女は日顕なんて知らない可能性もあるからな。
阿部日顕は日蓮正宗67世法主(いちばん偉い人)。
日蓮正宗は日蓮の弟子の日興系で富士門流と呼ばれ……
といろいろ説明できるけれどだれも興味がないでしょうから、
ものすごーくかんたんに説明すると日蓮正宗は日蓮宗の過激派。
自分たちだけが正しいと主張する他宗攻撃が好きな坊主集団。
で、日蓮正宗と創価学会の関係はというと、
むかしは創価学会は日蓮正宗の門徒組織であった。
どうして在俗の門徒団体に過ぎない創価学会が
宗教法人として認められたのかというと、
二代目会長の戸田城聖が坊主に女を送り込んではらませて(懐妊させ)、
その坊主を戸田先生が数珠で殴りまくったから……とかいう、
ブラックな宗教伝説めいたうわさもあるけれど真相はわからない。
ちなみにわたしはこの手の真偽定かならぬ、黒い下世話なうわさ話が大好き。
創価学会っておもしろいよなあ。

むかしの創価学会は宗教的権威を日蓮正宗に求めていたわけである。
仏教では三宝帰依と呼ばれ、仏法僧を重んじる。
仏法僧の「僧」の部分を創価学会は日蓮正宗に委託していた。
具体的にいえば、学会員の葬式には日蓮正宗から坊さんが来ていた。
代わりに創価学会は日蓮正宗に上納金を支払っていたわけである。
日蓮正宗は創価学会に宗教的権威をプレゼントし、見返りにお金をもらっていた。
むかし池田先生が偉い理由は日蓮正宗の信徒代表だったからである。
いま池田先生が偉い理由は、勲章をたくさんもらっている「庶民の王者」で、
そのうえ悪口を言うと学会員からなにをされるかわからないからである。
いえいえ、これは嘘も嘘、大嘘で、
学会員はみんなやさしいいい人たちばかりだとわたしは人生経験から思う。

1991年、日蓮正宗法主の日顕は池田名誉会長を破門。
ここまで来るにはいろいろあったのだが、まあ内ゲバみたいなものとも言えなくはない。
77年(79年?)第一次宗門戦争(仏教で戦争っておいおい!)では
池田が宗門(日蓮正宗)に詫びを入れるかたちになったのである。
91年段階では創価学会はもう日蓮正宗に「勝てる」と踏んでいた。
要するにさ、坊さんが必要なのって葬式のときだけじゃんって話。
創価学会でのお葬式は学会員同士が助け合うもので「友人葬」というが、
坊主不要で金がかからないことで知られている。
日顕が池田名誉会長を破門後、創価学会と日蓮正宗は激しく対立する。

1992年から創価学会が機関紙で報道を開始したのは、
日顕批判の「シアトル事件」(学会側の呼称)である。
日顕としてはまさか創価学会がそこまでしてくるとは思わなかったことだろう。
日顕は池田大作氏の人間としての恐ろしさを甘く見ていたところがある。
学会機関紙の報道では、
日顕が30年まえにアメリカで買春トラブルを起こしたというのである。
日顕がシアトルで売春婦ふたりを買い、
裸体をカメラで撮ろうとしてトラブルになり、路上で警察沙汰になったという。
証人は池田大作の愛弟子のヒロエ・クロウ女史と現地警察官のスプリンクルである。
いきなり30年まえもむかしのことを言われて日顕もうろたえたことだろう。
少しばかり日顕猊下が小物だなと思ったのは、
「いやいや、おれはそのときふたりではなく5人売春婦を買ったよ」
と笑い飛ばしてしまえばよかったのである。
いや、もう忘れたけれどあれは6人だったかも、7人だったかもなあ。
むかし政治家で愛人問題を問われたときに、
こういう回答をした大物がいたでしょう?
そもそも結婚していたらほかの女とやっちゃいかんとか、女を買っちゃいかんとか、
そういうのってくだらない常識とも言えなくもないわけで。

しかし、阿部日顕猊下は激怒なさるわけである。創価学会を名誉毀損で告訴。
わたしは日顕をなんとなく悪い人なんだろうな、
と思っていたけれど(学会の情報操作ってすげえ!)、
この本を読んでたいへんお気の毒な人だと同情したしだいである。
でもまあ、経歴を見るとエリートコースで出世しているし、
下のものにかしずかれておいしい思いもいっぱいしたことだろうし、
たらふくうまいものを食っていい酒をのんで芸者遊びもして、ちゃんと結婚しているし、
鎌倉時代の日蓮に比べたらだいぶマシな人生なんだから、
まあ「シアトル事件」も法難や前世の宿命だと思っていさぎよくあきらめてくださいな。
しっかし、創価学会ってあたまがいいんだなあ。
仏法の話をすると、釈迦が法華経を説いて「いない」ことはなかなか証明できない。
「シアトル事件」も日顕が起こして「いない」ことを証明するのは難しい。

ふたりの証人に証言されたらその事件がなかったことは証明できないのである。
日顕サイドは当初はなかったとされていた当時の手帳が発見されたと主張しているが、
裁判は結局は証拠と証人だから、この手帳もあるいは偽造されたものかもしれず、
しかし手帳の内容を見ると、だれそれはあいさつしないのでむかつく、
といった日顕猊下の尊大な感想が書かれており、どこかしら本物っぽいのである。
結局、日顕サイドの調査で証人の警察官スプリンクルが
30年まえ同地に勤務していなかったことが判明する。
さらにスプリンクルにはアメリカの創価学会弁護士から
月に約40万円の報酬が支払われていたことが明らかになる。
わたしも40万ももらえるなら偽証のひとつやふたつしそうだから、
スプリンクルを偉そうに上から目線で裁くことができない。
池田のアメリカにおける愛弟子ヒロエ・クロウは裁判中に不審死を遂げる。
真実を知っているのは彼女だけだったのだが、これで真実は消えたといってよかろう。
日顕はクロウの死に対して、
「仏法上の見地から言えば、天罰覿面(てきめん)の現証」と
およそ聖職者とは思えぬ発言をして喝采を上げているが、
「シアトル事件」によってしょいこんだ気苦労を考えると、
そういう荒っぽい口をききたくなる気もわからなくはない。
この事件で得をしたのは創価学会弁護士とスプリンクルである。
それから共通の敵ができて学会員の結束が固まったこともプラスだろう。
まあ、裁判長の弱みを握ったりうまく金をつかませたら(知らずにつかませる手がある)、
裁判の勝敗などどうにでもなるような気がしなくもない。
詳しくはわからないが、裁判は最後は和解に終わったようである。

あなたやわたしもいきなり5年まえの事件の犯人にされる可能性がある。
複数の証人がいて、たとえ偽造されたものでも証拠らしきものがあれば、
だれでも犯罪者になってしまうのだから、運が悪い人はお気の毒である。
社会正義などいつの時代にもどこの国にも存在せず、
金さえあればなんでもできるから金ほど重要なものはないと言えよう。
日顕サイドも金があったから、いろいろ調査することができたのである。
真実とは金が決めることなのだとたいへんな社会勉強になった。
とてもいい本だったので、悪侶の書いた一部を引用する。
これは真実っぽいぞ。

「思うに、特定の個人を陥(おとしい)れるために複数の人間が計画を練り、
一人の告発者が、「間違いなくこういうことがあった」と主張し、
同調する者が口裏を合わせ、大々的に宣伝を行った場合、
いかに一人が潔白(けっぱく)を叫んでも、
嘘が真実としてまかり通ることになる」(P192)


いやいや、日顕猊下にはたくさんの手下や子分がいらっしゃるではありませんか。
わたしはひとりぼっちである。
創価学会も日蓮正宗も法華講もみんなお仲間と楽しそうでいいなあ。
みんながみんな善人で、わたしだけひとりぼっちで悪人なのだろう。

COMMENT









 

TRACKBACK http://yondance.blog25.fc2.com/tb.php/4343-e44dd730