「諸行無常を生きる」

「諸行無常を生きる」(ひろさちや/角川oneテーマ21)

→仏教業界用語の「諸行無常(しょぎょうむじょう)」なんて知らないほうがいい。
諸行無常とは、みんなすべてあらゆるものが変わるという意味である。
善はいつしか悪になるし、悪だと思っていたものも変な調子で善になったりする。
いつだったか、どこだったか、あるいは最近だったか、
とても幸福そうな人に親切にしていただいたことがある。
世間知らずの当方にとっては、いろいろ教えていただく――それがいちばんの親切だ。
わたしよりもはるかにお若く見える3歳年上の男性のお言葉をいまも深く記憶している。
とても仕事のできるお忙しい方でしたので、ことさら言葉が身にしみた。
自分とは正反対の人とお話させていただくのは、とてもありがたいものである。
人生の先輩は、若いお嫁さんがいらっしゃるという。
諸行無常――その嫁はんが死んじゃったら地獄ではないか?
人柄のとてもよろしいビジネスマンの彼は3人のお子さんがいるという。
諸行無常――それはリスクとも言うべきで、
いつか子どもに自殺や病死、犯罪をされたら地獄に堕ちよう。
うらやましいことに見るからに優秀なため稼いでおられるらしい。
諸行無常――明日交通事故で死んでしまったら、
万が一にもハイパーインフレが起こったら、
1億円近いご貯金はどうなるのでしょうか?
「諸行無常」ならばプラスはかならずいつかマイナスに変わる。
「諸行無常」ならばマイナスはかならずいつかプラスに変わる。
プラスの象徴とも言うべき彼とマイナスの権化のわたしが出逢って
連絡先を交換したという事実は、これからプラスになるのかマイナスになるのか。
そもそもプラス(善)やマイナス(悪)ほど当てにならぬものはないではないか。
いまでは極悪人になっているヒトラーとて選挙で人民(庶民/大衆)に選ばれたのである。
ヒトラーが希望の星で、ドイツ国民から期待される最高指導者の時代もあったのだ。

「ドイツのヒトラー(一八八九―一九四五)は選挙で選ばれて首相になったのです。
国民に人気のある政治家でした。
ヒトラーが悪人とされたのは、ドイツが戦争に負けたためです。
何が善であり、何が悪であるか。
われわれ人間にはそれを判断できる能力はありません。
それを知っておられるのは仏だけです」(P184)


COMMENT









 

TRACKBACK http://yondance.blog25.fc2.com/tb.php/4318-76b7a985