下積み修行

下積み修行というのは、経験してみてわかったが、こういうことなんだな。
親方から理不尽にもひたすら怒鳴られ叱られるのが下積み修行である。
「おまえ、そんなこともわかんないのか?」
「バカ。なにやってんだ。わからないことは聞け!」
「はあ? そんなこと常識で考えればわかるだろ!」
「だから、わからないことがあったら聞けと言っているだろう」
「本当にいまの説明でわかったか? じゃあ、これはどうする? 
ほら、わからないじゃないか。わからないことは聞け!」
「それはまえに言った。自分で考えろ」
「なにやってんだバカ。帰れ、もう帰れ!」
「そこをやったのはだれだ。おまえか? どうしてこうした? 
言え! わからないなら考えろ!」
「おまえふつうに考えたら、そのくらいわかるだろう?」
「まえに言った。言っただろう? ならどうしてこうした。説明しろ」
「おまえ大丈夫か? いますぐ帰っていいんだぞ」
「どうだ? 一生懸命仕事をすると、こころがすっきりするだろう(ホロリ)」

わからないことを聞いたら、そんなこともわからないのかと怒鳴られる。
よくわからないままにやったら、どうして聞かないのかと怒鳴られる。
どっちにしても怒鳴られる。なにをしていいかわからなくなる。
そもそも「わからないこと」がわからないということも少なくない。
なにをしても怒鳴られるような気がしてしまう。親方の殺気立った目が怖い。
自分が最低の存在のような屈辱感でいっぱいになる。
こういう下積み修行をして伸びる人もいるだろうが、つぶされる人もいると思う。
逆から見たら、いまあのような親方を演じられるほうが稀有なのではないか。
わたしはとても他人に対して怒鳴り散らすことはできない。
ちなみに最初に書いたのは、
経験した下積み修行のようなものをわかりやすくおもしろくしたものである。
実際の親方はそこまでひどくはなく、まあやさしい人であった。

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