「飛ぶ教室」

「飛ぶ教室 2008年冬 追悼・河合隼雄 河合さんと子どもの本の森へ」(光村図書)

→「飛ぶ教室」は河合隼雄も創刊メンバーのひとりとなった児童文学雑誌。
この号は河合隼雄の追悼特集だから、氏の人となりを知りたくて読んでみた。
河合隼雄が死んだらさっそうと悪口を書いたのは精神科医の中井久夫だが()、
この雑誌の追悼記事では(当たり前だが)だれも死人の悪口を書いていない。
それぞれが河合隼雄からかけられた言葉をたいせつに思い出していた。
死ぬ直前の河合は作家の今江祥智にこんなことをいったという。

「今江さん、星座ちゅうのは初めから決まってますねん。
今江さんがだれに出会うかちゅうことは、最初からもう決まってんねん」(P41)


最後はあれな人になっていたのかなあ。
まあ、わたしもあれな人だから、
だれと出会うかは決まっているとどこかで思っているけれど。
あれな人だったかもしれない河合隼雄は詩人の工藤直子にはこんなことを言っている。

「これが正しくてあれは間違い、というような『絶対正しい答』
というのはないと僕は確信しています。
絶対正しい答がないから人生が面白いんじゃないでしょうか。
大切なのは、どんな道を選ぶとしても『私はこうしました』
と言えるやりかたで選んだかどうかだと思います」(P49)


当時新人作家だった伊藤遊には、
児童文学賞の選考委員長としてこんな言葉をかけている。

「時間をかけて考えることが大事やからね。
面白そうな話を思いついたからといって、パッと書いてはいけない。
書きたい気持ちを我慢して、
もうこれしかないと思うものが自分の中から湧き出てくるまで、
待たないといけない」(P58)

「頭で考えてお話を作ってはいけない。
たましいから生み出されたものでなければならない。
お話を作ろうとせずに、自然に生まれてくるのを待ち続けなさい」(P59)


河合隼雄さんっていったいどんな人だったんだろう。
ノーベル文学賞間近の村上春樹は、つまらない駄洒落ばかりいう関西弁のおっさん、
みたいなことを書いていたけれど。

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