「私は如何にして幸福の科学の正会員となったか」

「私は如何にして幸福の科学の正会員となったか」(景山民夫/太田出版)

→けっこうズタボロな人生を送っている気がするのだが、新興宗教とは縁がない。
よほど悪人相なのか、キモいのかヤバいのか新興宗教にさえ誘ってもらえない。
本書は直木賞作家の影山民夫(故人)が、
新興宗教の幸福の科学に入るまでの事情を語った手記である。
読み物としておもしろいかと問われたら、
だらだらとした自分語りが多く退屈というほかない。
売れっ子の直木賞作家ともなると、
だれもが自分に興味があると勘違いしてしまうのだろう。
宗教のことはよくわからないが(わかったらおしまいだが)幸福の科学もまたわからない。
いま公式HPを見たら佳子さまがどうだとか。
皇室の佳子さまの守護霊メッセージを大川隆法氏が公開したそうである。
え、それ、どんなお笑いですか? 
とも思うが、楽しんでいる人がいるなら、どんな信仰もバカにはできないと思う。
どうせ生きているのはつまらないんだから、
幸福の科学にでも創価学会にでも入って、ハッスルしたほうがいいとも言いうる。
新興宗教信者の特徴は、目が生き生きしていることだと思う(逝っちゃっているとも)。
宗教は阿片(麻薬/違法すれすれスタミナドリンク)だから、
バンバン注入されたらバリバリと変な元気が出てきてしまうのだろう。
新興宗教は末端の弟子よりも教祖や側近がおいしいんだよなあ。
仏教史を独学してきたが、もっともおいしい思いをできるのは、
最初に教祖を教祖としてあがめたてまつった側近(一番弟子)なのである。
伝統宗教、新興宗教、どちらもポイントになるのは「正しい」という観念である。
人はどうして「正しい」ものにあこがれたり、「正しい」ことをしたがるのであろう。
夫婦喧嘩とか相続問題とか結局「正しい」ことが争われているわけでしょう。
自分は「正しい」ことに興味がないと放言したら、どれほど楽になるか。
景山民夫もまた「正しい」ことにとりつかれて幸福の科学を盲信するようになったようだ。
本書で故人はかなり挑発的なことを書いている。

「正は正、邪は邪、正しいことは、たとえダサイの、理想主義だのと言われようと、
主張していかねばならない。正しいことを正しいと貫き通すためなら、
ワタシは誰の如何なる挑戦でも受けます、かかってきなさい」(P188)


この人はどこまで自分を「正しい」と信じていたのだろう。
きっと自信にあふれていたことだろう。
景山民夫が幸福の科学に入信したきっかけが本書に書かれている。
重度障害をお持ちのお嬢さんの死が大きかったようだ。
本人は否定しているが、人間は自分のことでさえ「正しい」ことはわからないのである。

「僕が『幸福の科学』の正会員となった理由として、
よく、この長女の死を挙げて分析しようとしたり、断定する人がいる。
景山には重度の心身障害を持つ娘がいて、
その娘に対して何もしてやれなかった苦しさを逃れようとその死をきっかけに、
救いを求めて宗教に走ったのだ、という説である。
そういう分析自体が、実はとても無礼なことである。
それはおいておくとして、この見方は根本的に違う。浅はかすぎる。
信仰を持つこと、イコール救いを求める行為、という思い込みが、
まず僕の場合はあてはまらない。
求めたのは、悟りであって、決して救いではない。
ましてや、もし救いが欲しかったにしても、
それは長女が死によって不自由な肉体を離れたとき、既に与えられているのだ。
彼女の魂が完全に死んだ肉体を離れていることを認識したとき、
僕は心の底から、「よかったね、お前、一生の修行が終わって」と言った。
娘の長いとはいえない今回の一生は、偶然の結果ではなく、
彼女自身が選んだ今世紀での魂の修行なのだということも、何故か理解していた。
「今度の修行はちょっとしんどかったけれど、よく頑張ったね」
と、彼女をねぎらったことを、鮮明に覚えている」(P98)


みなさまはこの文章をお読みになられて、どう思うでしょうか?
狂信者、きんもっ、とか思われるのでしょうか?
わたしは、景山民夫は悟りを開いていると思う。
もしそれが幸福の科学のおかげなら、かの宗教団体は本物である。
幸福の科学はきっと「正しい」。
創価学会がそうであるように、幸福の科学もまた「正しい」。
わたしはどの新興宗教団体も「正しい」と思う。
だって、ひとりではないわけでしょう? 
複数人がある「正しい」ことを信じておられる。
ひとりぼっちのわたしなんかよりも、どの新興宗教も「正しい」のではないだろうか。
しっかし、景山民夫の運のよさには驚く。
彼の書いていることが「正しい」のならば、
わたしにもこれからどんどん幸運が舞い込むような気がしてならない。

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07/16 23:32
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