会社の利益

いまの会社は好きだし、来月も働きたいから(再来月のことはわからない)、
これから書くことは会社批判ではない。
会社や同僚のことを日曜日まで考えている仕事人間であることの表明である。
生産性を上げたら、だれが得をするのか考えてみよう。
まず確認しておきたいのは、会社の利益とはなにか?
これがいちばんの基本である。
会社の利益とは、売り上げから経費を引いたものである。
うちの会社はいわゆる下請けで、上の会社さまから業務を請け負っている。
本、漫画、雑誌の仕分けが仕事内容で、1冊いくらで請け負っている。
(底辺肉体労働者から言えば重さではないのがちょっとおかしい)

「本の冊数」-「人件費」=会社の利益

ここからいろいろなことがわかる。
人件費をおさえればおさえるほど会社の利益は上がるのである。
もっとわかりやすく言えば、人を苦しませれば苦しませるほど会社の利益は上がる。
会社は毎日の仕事の量が一定していない。
前日にならないと翌日の仕事量(本の冊数)はわからない。
このため、むかしは忙しいときは日雇い派遣を取っていた。
しかし、派遣はべらぼうに高額だから会社の利益は下がってしまう。
このため、パートを多く雇い仕事量の少ない日は、
休ませたり少額ずつ稼がせるという作戦に出たわけである。

これで苦しむのはパートだけではない。
パートに休んでくれ、早く帰ってくれという社員の精神的ストレスは相当なものだろう。
人の気持を考えてしまう人は、この仕事のストレスで心が病むはずである。
生活がかかっている人に早く帰ってくれ、なんてわたしは言いたくないから、
なろうと思ってもなれないでしょうが、ここの社員にはなりたくない。

「会社の利益」増加=「人の苦しみ」増加

スピードを上げろとマネジャーがよく言っている。
スピードを上げるとわれわれパートは体力の消耗が激しくしんどい。
そのうえ速く仕事をやればやるほど早く帰され収入が下がる。
社員も残業代がつかなくなるから、本当は社員もあまり早くやられると困る。
しかし、スピードを上げると人件費が下がるから会社の利益は増加する。

ここで重要なことを書く。
会社の利益を上げても、パートのみならず社員の給料も増えない。
いくら会社の利益が上がろうとも、パートや社員はうるおわないのである。
パートが肉体的に苦しんだぶんだけ、会社の利益は上がりパートの利益は下がる。
社員が精神的に苦しんだぶんだけ、会社の利益は上がり社員の利益は下がる。
社員の精神的ストレスは目には見えないけれど、ひどいのではないか。
むかしは現場二人体制で責任の所在をうやむやにしていたが、
いまはわたしと同年代のあの人だけなのでストレスは大丈夫でしょうか。

社員さんに聞いたら、うちの会社の給料は年功序列らしい。
もちろん成果などとはまったく関係なく、毎年ほんの少し上がるだけだという。
いくらがんばっても給与が上がらないのはパートも社員もおなじなのである。
では、なぜなぜ会社の利益を上げないといけないのか?
会社がつぶれたら、みんなが食い詰めてしまうからである。
正確には、みんなではない。
社員は会社がつぶれたら、いまのご時勢、次の正社員の職を探すのは難しいだろう。
しかし、一部外国人労働者を除いてパートはそうではない。
わたしだって金銭面で言えば、どのほかのパートをしても、
いまより収入が少なくなることは絶対にないと思う。

ならば、会社がつぶれると困る社員はもっとパートを大切にするべきだろう。
生産性を過剰に求める(速くやれ、早く帰れ)のはパートをおなじ人間として見ていない。
社員は会社のことを考えるならば(会社をつぶしたくないならば)、
パートをもっと重んじたほうがいいという結論になる。
給与を上げられないならば、もっと働いて楽しい職場環境にすべきだろう。
この点は上々でおしゃべりOKで和気あいあいとした面もあり、
とてもいい(わたしは輪に入っていないけれどさ、あはっ)。

会社存続=みんなが楽しく働く

原点に戻ろう。
わたしは会社人間で仕事中毒だから、パートの分際で日曜日も会社のことを考えている。
さて、原点に戻って、会社の利益とはなにか?

「本の冊数」-「人件費」=会社の利益

このため人件費をおさえればおさえるほど会社の利益は上がるのである。
おなじ人間を人あつかいせずに酷使すればするだけ会社の利益は上がる。
しかし、会社の利益が上がっても社員やパートの給料は増えない。むしろ減る。
会社の利益が上がったぶんだけ、
パートの肉体的疲労、社員の精神的ストレスは増加する。
ここでさらなる重要なことを書こう。
いまのままでも会社は利益を取っているのである。採算は合っている。
日雇い派遣を雇っていた当時と比べたらよほどプラスになっていることだろう。
しかし、そのプラスを従業員に還元しようとは考えないのが会社のようだ。

会社の利益を上げるとだれが得をするのか?
生産性を上げたらだれが得をするのか?
われわれが苦しんだら、そのぶんだれが得をするのか?
株主だというのが一般的な解だろうが、それだけではない。
株主だって自分のために多くの人が苦しんでいることを知ったらいやだろう。
株なんて持っているのは基本的に金持なんだから、
そこまで底辺を苦しませていることを知ったらゾッとするのではないか?
うちの会社の社員給与は成果主義ではなく、年功序列である。
だが、役職に就くとかなり収入が増えるようなのである。
常に原点に戻る必要がある。

「本の冊数」-「人件費」=会社の利益

会社の利益が上がっていい思いをするのはマネージャーなのである。
たしかに会社の利益が上がってもマネージャーの給料は増えないだろう。
しかし、マネージャー会議で威張れるのである。
ほかのマネージャーよりも自分は優秀だと誇示することができる。
マネージャーの見栄や達成感のために多くの人が苦しんでいたのかもしれない。
マネージャーはまだお若いのに体力的にしんどい作業はなさらない。
マネージャーは自分でパートに「早く帰ってくれ」と言うことはない。
マネージャーは自分でパートに「明日は休んでくれ」と言うことはない。
マネージャーの仕事とは人を数字として見て計算することなのである。
おなじ人間を数字として見て、
利益増加の計算式を組み立てるのがマネージャーの仕事である。
そんなことはふつうならできないが、
人ができないことをやったからまだお若いのに出世して高収入なのだろう。

とはいえ、だれかがやらなければならない職務である。
マネージャーの「中の人」にはまったく罪はないと思う。
だれがマネージャーになってもおなじ仕事をしなければならないのだろうから。
こういう経済の仕組みを学ぶことができるのもいまのバイトがおもしろい理由のひとつ。
読書だけではダメで、やはり実地でなければ学べないこともあるのである。
この記事に書いたことは元ネタのような本がある。
「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」というベストセラーだ。
いまの会社で働いていなかったら、この本をよく理解できなかっただろう。
働くことで読書の理解が深まり、読書をすることで働くのがおもしろくなる。
いま生きているのがけっこう楽しい、とっても疲れるけれど。
この記事は昨日今日と必死になって考えた結果である。
精神的に錯乱状態に近くなるまで、考えに考え抜いた。
体力的、精神的にクタクタである。
気が狂いそうになってもう絶対に連絡を取らないと決めていた人に電話をしてしまった。
相手のご迷惑になるからもう連絡は取るまいと決めていた大切な人たちに。
ラッキーなことに電話に出てくれなかった。
つくづくわたしは運がいいと思う。それに人に恵まれている。

COMMENT









 

TRACKBACK http://yondance.blog25.fc2.com/tb.php/4127-a6d2e2df