【ご報告】5月1日に買った本

連休だもの。昼から軽く酒をのんでひさびさに神保町へおもむく。
むかしは近所に住んでいたため週に数回は行ったものだが、いまはめっきりご無沙汰。
今年に入ってからははじめてである。なーに、やってんだかなあ。
いつも本ばっかじゃん。
バイトで本の仕分け、暇なときは本を読む、連休は本の買い出しか。
ああ、そう、神保町で古本屋のなかに入るのは田舎もんよ。だって、高いじゃん。
アーバンなプロは古本屋まえのワゴンをあさるのさ。
結局、ほしい本を探しているわけじゃないわけ。
こんな本があったのかと知らないものにめぐりあいたいという願望が強い。
だから、ワゴンの古本をごそごそあさっている、それだけで楽しい。
某古書店のワゴンに文芸誌のバックナンバーが100円でずらり。
ほほう、「すばる」がごっそりある。
すると、としたら、ならば、いまがあれと出逢うときなのか。
ずっと探していて、まあ見つかんないよねと思っていた、あれ。ゲットだぜい。

「すばる 1998年3月号」 100円

これに単行本未収録の山田太一の戯曲「あかるい郊外の店」が掲載されているんだよね。
読みたい所有したいとずっと思っていた。
日本に山田太一ファンは数知れずいるでしょうが、
いちばん山田太一のホンを読んでいるのはたぶん我輩さまではなかろうか。
山田太一さんとは逢ったこともないし話したこともないし、
どっちかが死ぬまで今後永遠に逢うことも話すこともないけれど、
むしろこういう関係ってすてきじゃね。
有名人に逢いたがる信者みたいなやつよりよほど自分のほうが上等だと思っている。
人とおなじことってしたくない。
しかし、どうして古本をごそごそあさるのがこんなに楽しいんだろう。
おお、これはこれはなんだろう。

「仏教聖典」(山口益編/平楽寺書店) 500円

箱入りの分厚い本でお経の現代語訳がたくさん入っている。
読みたいと思っていた大乗仏典のほうの「涅槃経」が収録されているので購入。
これはもしかしたらけっこうな掘り出し物なのかもしれない。
いま調べたらアマゾンでは4万8千円だぞ。
ヤフーオークションの実売価格でも7千円とかついている。
わたしが生まれるまえに出版された本で定価が3千5百円だからね。
これはおいしい、ただただおいしいわい。
こんなものを読んでも女にもてないし、
金はもうからないし、世間からは認められないのに、
いったいなにをしているんだか、ぼくぼくぼく。いいじゃん。男の子だもの。
男の子ってそういうものよ。男の子だもの、連休だもの。

神保町の古書店は黄金週間ゴールデンウイークでもやっていたが、
果たして早稲田、高田馬場の方面はどうなっているか。
神保町から九段下まで歩き、南北線で早稲田へ向かう。
早稲田大学の学生が大勢いたから、大学も今日はやっているんだね。
むかし4年間、ここに通っていたんだよなあ。
そしてそして、これを書いてもいいのかどうか。絶対に秘密にしてちょ。
ここだけの話、大学時代のほうがいまよりも稼いでいたんだよね。
週2の家庭教師(大学斡旋の中抜きゼロ)、
週2のコンビニ夜勤でじつのところいまよりも高い月収を得ていた。
きっと2000年の早稲田一文卒でわたしより落ちぶれた人はいないのではないか。
しかし、ここは非常に重要なのだが、いまとっても楽しいってこと。
世間的には零落者に見えようとも、本人はいまスーパー充実している。
正直、大学時代よりもいまのほうが楽しい。
基本さあ、悪い意味であたまのいい人にばかり囲まれて生きてきた。
むかしは知らなかった偏差値40の女子高生の目の輝きをいまのわたしは知っている。
そのほかいま現在進行形で、非常に偽善くさいしインチキくさいが、
大学では学べなかったことをいまもいま、いいおっさんがバイト先で経験している。

早稲田~高田馬場の古本屋は商売っ気がないんだなあ。
今日は平日なのにお休みばかり。文英堂書店も休みなのはショックだった。
もっと働けよお。いや、働かなくていいか。うん、これでいい。よろしい。
正直、ゴーリキー目当てのところがあった。
やたら古本のヒキが強いおれさまが神保町や高田馬場に行ったら
ゴーリキーくらい砂鉄のようにひっついてくるだろうと完全な自信があった。
それにゴーリキーなんてしょせん左翼だからいま人気はないでしょ?
求めているのなんておれくらいだから絶対に激安で入手できると信じて疑わなかった。
ところが、カンダでもババでも格安のゴーリキーは見当たらず。
ふうん、そうきましたか。
ババの古本屋は店じまいが早いので(カンダもそうだけど)ブックオフより先にまわる。

「ふかいことをおもしろく 創作の原点」(井上ひさし/PHP研究所) 200円
「小林秀雄をこえて」(柄谷行人・中上健次/河出書房新社) 100円


大学卒業後数年は中上や柄谷の通俗権威にだまくらかされたこともあったなあ。
でもさ、ぶっちゃけ中上や柄谷の言葉は時給850円労働者に伝わらないわけでしょう。
井上ひさし先生や僭越ながらわたくしめの言葉なら時給850円労働者に伝わる。
なら、どっちが偉いのって話。
文学って人になにかを伝えたいという行為ではありませんか。
人を笑わせたい、泣かせたい、つまり他者とかかわりたい、他人に影響をおよぼしたい。
だとしたら、中上や柄谷のどこが偉いのかって話になるわけ。
ひと通りババの古本屋をまわってから、早稲田のブックオフへ戻る。
早稲田のブックオフは土地柄か生きのいい本が安く買えるんだ。

「先生はえらい」(内田樹/ちくまプリマー新書) 108円
「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」(木暮太一/星海社新書) 108円
「サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている」 (西内啓/マイナビ新書)108円
「医学部の大罪」(和田秀樹/ディスカヴァー携書) 108円
「どうせ死ぬなら「がん」がいい」(中村仁一・近藤誠/宝島社新書) 108円
「名短編、ここにあり」(宮部みゆき・北村薫編/ちくま文庫) 108円
「爪と目」(藤野可織/新潮社) 108円


えええ!? いつから消費税って5%から8%に上がったの? ちょーショック。
それと、ここらへんは大人の事情がからんでいて詳細は書けないけれど、
むかしは自分で買う本を決めて、自分が読み自分のために感想をブログに書いていた。
いまも基本は変わらない。
変わらないけれど、いまはバイト先のみなさんが買う本を決めて、
自分が読みみなさんのために感想をブログを書いているような気がしないでもない。
まあ、狂人の妄想だわさ。バイト先のみなさんが大好きだからおかしなことを妄想しちゃう。
高田馬場のブックオフには、新たな210円コーナーができていた。
定価の半額では売れないが、しかし108円には落としたくない本が並んでいた。
そこからいっぱい買っちゃったよ。

「西行物語 全訳注」 (桑原博史/講談社学術文庫) 210円
「フロイトとユング」 (小此木啓吾・河合隼雄/レグルス文庫) 210円
「やっぱり、人はわかりあえない」(中島義道・小浜逸郎/PHP新書) 210円
「~果てしない孤独~ 独身・無職者のリアル」(関水徹平・藤原宏美/扶桑社新書)210円
「あの人と「酒都」放浪」(小坂剛/中公新書ラクレ) 210円
「立派になりましたか?」(大道珠貴/双葉文庫) 108円


高田馬場から池袋に行き、埼京線に乗り換える。
年々思うのは、電車に乗るたびにきれいな女性が増えているような気がする。
あの人もこの人もきれいで、あの子もこの子もかわいいと思ってしまう。
そりゃあ、こちらの年齢は上がるばかりで劣化は進むばかりなのだから当然なのだが。
しかし、年々人のいいところを見抜く技術が高まってきたとも思えるわけだ。
なんでもない人の美しさ、輝きをいまのわたしは知っているのかもしれない。
ま、おれさまは特別だから(←おいおい……)。

COMMENT

コバヤシ エイト URL @
05/05 14:22
. 初めまして。コバヤシエイトと申します。
いつもこちらのブログを拝読しております。これまで知らなかったタイトルの本や、知らなかった世界の話がいろいろ書かれていて、不勉強な人間にはたいへん為になります。
これからも更新を楽しみにしています。
Yonda? URL @
05/07 08:29
コバヤシ エイトさんへ. 

くだならぬブログをお読みいただき、本当にどうもありがとうございます。ブログ作者として、このたびのようなコメントをいただけるのはまさに僥倖というほかありません。今後とも精進していきたく存じます。どうかよろしくお願い申し上げます。








 

TRACKBACK http://yondance.blog25.fc2.com/tb.php/4090-e3068635