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「囚人狂時代」

2005/09/22(木) 19:16:27

「囚人狂時代」(見沢知廉/新潮文庫)

→ちんぴらのお笑い獄中記。
読んだのは、殺人の前科があるこの自称純文学作家が先ごろ自殺したから。
ご祝儀みたいな感じ。香典ではない。やっぱ、うん、ご祝儀。
思う。これタレント本じゃない。文体とノリが。
このひと、なんでみずからを超大物みたいに書くのだろう。
自己イメージがすごい高いみたい。
IQ自慢をしているけどそれが逆効果だと気づかないのもタレント本の作者と同じ。
ときおり見られるつたない情緒的表現も見苦しい。
いまどきゴーストライターでも書かないような、くっさい表現が多い。
あとさ、他の受刑者の恥ずかしいところは容赦なく書くのに、
なんでじぶんの恥ずかしいところは書かないのだろう。
読者が読みたいのはそこなのに。
じぶんは政治犯だから偉いと思っているのも鼻につく。
ただの人殺しの分際で英雄気取りなんだからこの男。

あとがきでは大笑いした。笑いがとまらなくて困った。
引用する。

「結局、人生において、幸と不幸、苦痛と喜びの分量は、
差し引きゼロになるようになっていると、最近よく思う。
こうやって生きていることが、楽しいのだ」(P270)


人生、悟っちゃったようなことを書いているわりには
ずいぶん素敵な最期でしたね、見沢知廉さん!

COMMENT

因果はめぐる URL @
02/16 01:15
. すばらしい。これだよ、これ。まだ二十代の土屋青年の語り口が、生き生きしているじゃないか。青春を感じるね。

今はショボクレて謙虚になっちゃったから、こんな言いたい放題の痛快な文章はなかなか書けないだろう。








 

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