「少女病」

「少女病」(文:田山花袋/写真:藤牧徹也/青山出版社)

→いまのグラビアに出てくる美少女を見てもちっとも心ときめかない。
テレビは最近ぜんぜん見なくなったけれども、
出てくる少女の質が下がったのが一因かもしれない。
いまのいわゆる美少女って完成されすぎているんだよなあ。
不完全なところ、もろいところ、危ういところが少女の魅力のように思うのだが。
常識なんかまったく無視して大人なんかバカにしくさっている少女の輝きってなーい?
「おはよおございまあす」とかギョーカイ人に笑顔でペコペコする少女なんて老婆だろ。
物怖じしないで危険なことをやって、あとで羞恥に震える少女とかいないかしら。
「蒲団」で知られる田山花袋の小説「少女病」は、
おれさまのようなきもいおっさんが主人公。
道ばたや電車のなかで見かける少女たちをあれこれ品定めするだけの小説。
いまのギャルからは「きんもっ」とプギャーされそうな小説である。

「午後三時過ぎ、退出時刻が近くなると、家のことを思う。
妻のことを思う。つまらんな、年を老(と)ってしまったとつくづく慨嘆する。
若い青年時代をくだらなく過ごして、今になって後悔したとてなんの役にたつ、
ほんとうにつまらんなァと繰り返す。
若い時に、なぜはげしい恋をしなかった? 
なぜ充分に肉のかおりをも嗅(か)がなかった?
今時分思ったとて、なんの反響がある?
もう三十七だ。こう思うと、気がいらいらして、髪の毛をむしりたくなる」(P107)


おっさんさあ、人生あきらめが肝心だよ。妻も定職もあるんだからまだいいじゃん。
こちとら三十八でもうすぐ三十九になるのに妻どころか定職さえない。
田山花袋の「少女病」は、まあ贅沢病みたいなもんになるのだろう。
人間、欲をかいちゃ切りがねえって話だ。こいつは欲が深いんだ。
美少女を見てはいちいちこんな妄想をしているのだから。

「美しい眼、美しい手、美しい髪、
どうして俗悪なこの世の中に、こんなきれいな娘がいるかとすぐ思った。
誰の細君になるのだろう、誰の腕に巻かれるのであろうと思うと、
たまらなく口惜しく情けなくなってその結婚の日はいつだか知らぬが、
その日は呪うべき日だと思った」(P115)


それはもうあきらめるしかないんだから。身のほどを知れよ、田山花袋。
本書には藤牧徹也氏の撮影した少女の写真がたくさん挿入されていたが、
このいかにも現代的な娘っ子にはまったくの興ざめであった。
結局、いちばんの美少女っていい小説を読んたとき、
そこに出てくる少女をじぶんのあたまで思い浮かべたものがそれなんだ。
いたずらっぽい目をした少女はいいよなあ。
大人の女性でもときたまいたずらっ子っぽい目をするけれど、あれもまたいい。
すっかりおっさんになったずら。生まれ変わったら美少女になりたいにゃ。

COMMENT

東方不敗 URL @
04/30 23:14
カワイイは正義. >いたずらっぽい目をした少女はいいよなあ。
大人の女性でもときたまいたずらっ子っぽい目をするけれど、あれもまたいい。
すっかりおっさんになったずら。生まれ変わったら美少女になりたいにゃ。

もしかして、ヨンダさんも栗山千明様のファンですか?
Yonda? URL @
05/07 08:11
東方不敗さんへ. 

栗山千明は少女のころがいちばんきれいでした。成長するにつれて劣化とは言いませんが、神秘性が薄くなってきたのは残念なことですが、キャラがはっきりしたという面ではいい女優になったということなのでしょう。








 

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