「詐欺師たちの殺し文句」

「詐欺師たちの殺し文句 あなたの「欲」と「迷い」を見逃さない」(日名子暁/主婦の友新書)

→将来人をだます仕事に就きたいと思っていないこともない。
なぜなら、人をだます商売がいちばん金が儲かるような気がするからである。
言っておくが犯罪行為をしたいわけではない。合法的な詐欺なんていくらでもある。
ほとんどの(は言い過ぎかな)客商売は詐欺をしているわけでしょう。
というのも、本来はそれほど価値のないもの(原価の安いもの)を
いかに顧客に価値あるもののように見せかけ高く買ってもらうかが商売なのだから。
居酒屋なんて原価50円もしないような焼うどんを600円で売っていて、
それが飛ぶように売れ「うまい、うまい」と絶賛されることもあるわけで。
各種専門学校も合法的に実体のない「夢」を世間知らずの若者に高く売りつけている。
うちの学校に来れば「努力しだいで」日本語がペラペラになり大学院にも入れますよ。
日本の大学院を卒業したら「努力しだいで」いい企業に就職できますよ。
本当はそんな成功をできるのは千人にひとりなのだが、
そこは「努力しだいで」という言葉をうまく使って「あなたは努力が足りない」とごまかす。
うちに来たらみんなシナリオライターになれます、
なんて汚い商売をしているスクール社長の自己イメージは慈善家なのだから笑える。

うまく金を儲けたかったら人をだますにかぎるのである。
詐欺が悪いことのように思っているあなたは一生下積みで終わるのではないかしら。
というのも、結婚も言ってしまえば詐欺でしょう?
自分をいかに価値あるように見せかけ相手を捕獲するのが結婚の実相である。
最後までお互いが正体を見せなければ、夫婦円満でした、めでたしめでたし。
そう考えると、デート商法が詐欺かどうかもよくわからんわけ。
デート商法とは、美人がもてない男に近づきいろいろ買ってもらい、最後はバイバイする。
これは違法の詐欺かってなると、かならずしもそうとは言い切れないわけで、
どうしてかというと、そのもてない男にとってはへたをしたら彼女との交流が
人生で最高の思い出になっているかもしれないわけだから。
たとえやらせてもらえなかったとしても。
行ったことはないけれど(行きたくもない)キャバクラもそういう世界でしょ?
人ってものは夢を見たがるから、
そこのツボをぽんと押せばお金を吐き出してくれるんじゃないかなあ。
多くの読者をうまくだました小説家はベストセラー作家となり世間から評価される。
結局、相手の欲望をうまく把握することが金を儲ける秘訣になるのだと思う。
著者は詐欺師ではなくルポライター。

しかし、誰でもしばしば経験することだが、
その物事が「ウソ」か「ホント」か分からないのが、人の世である。
とりわけ、誰しもが持つ欲望を刺激されると、そのウソかホントかの判断が難しくなる。
欲望とは、分かりやすくいうと「金」「異性」「出世」「名誉」「安定」
などに対する欲望であり、濃淡の差はあっても、人は誰でもこういう欲望を持っている。
持っているから生きているのだ。そして、その欲望を満足させる話があれば、
とりあえず話だけでも聞いてみようかという気持ちになる」(P10)


よくさ、訳知り顔の苦労人みたいのがさ「世の中に甘い話はない」
とかいかにも世知長けたふうで言うじゃないっすか。
でもねえ実際、現実に甘い話があるというのもまた事実であることを忘れてはいけない。

「過去の例でいうと、たとえば上場間近の未公開株や土地の区画整理、
新幹線の予定地などなど。その情報をいち早く入手し、
すばやく手を打って巨利を得た者も数多く存在する」(P19)


遠いところへ行ったとき帰途の電車内で読むには手ごろでいい本だった。
あーあ、楽をして金を儲けたいなあ、
と車中の人はみんな考えているんだろうなあ、とぼくは思った。
人間、汗水流して働くのがいちばんとわたくしは考えていますがね。
え? え? え? ホントですよ! ウソつかない。
ぼく、正直者ね。ト、ト、トモダチになってください♪

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