850円の価値

今日は信濃町の病院へ行って、その後新宿方面まで歩く。
来月、血液検査をしてもらうが、まだわが肝臓は大丈夫だろうか。
新宿御苑前のガストで忙しい旧友とひさびさの対面。
まだ時給850円のバイトを続けていることを伝えると、複雑な顔をされる。
ぼくが誘ったのだしドリンクバー2人前を払おうと思ったら861円。
時給850円を知っているためか400円差し出してくる女友達にはまいった。
ここで平気な顔をしてお金をもらえるのが数少ないぼくの強みだろうなあ。

850円の価値について深く考えさせられた。
ぼくがいまのバイト先で1時間働いてもらえるのが850円の価値ということになろう。
ということは、ぼくが60分働いてもドリンクバー2人前さえ払えない。
しかし、850円はそんなに大金だろうか?
ベトナムでは月収5万円がかなりの高給取りになるらしいから、
ベトナム人にとっては850円は足蹴にできる金額ではないのかもしれない。
もっとも日本に住んで生活している以上、
850円の価値はそれほどでもないことに気づいているでしょうが。
高校生にとって800~850円はみずからの経験からしても大金のような気がする。

正直、いまのぼくにとっての850円の価値というものがある。
850円は安いファミレスのドリンクバー2人前にさえ値しない金額である。
どういうことか。1時間850円できつい作業はやりたくない。
時給850円というのはおしゃべりしながら働いてもいい金額で、
たまにミスを出すのもまあしようがない程度の労働賃金だと思う。
安かろう悪かろう、である。
時給850円なら、そんなハイスペックな人材を求めんなよ。
実際、バイトにそこまで求めていないのが、いまのバイト先の社員さんのいいところだ。
よく現実をわかっている。
社員さんがパートを注意しているところなど見たことがない。
社員さんだってたかだが時給850円でそんな厳しいことはしたくないはずである。
自分ができないことを他人に無理やりやらせるのは、人としてどうかって話だ。

パート先でもそれぞれ850円でどこまでできるかというラインがあるだろう。
なかには時給900円もいるそうだが、ならばきつい作業を回されてもやむをえまい。
(といっても、ぼくは50円程度にそこまでの価値はないと思っているけれどさ)
社会保険ボーナスありの社員ならともかく、
850円のパートのぶんざいでは重い写真集を高速で数千冊出すことはできない。
ヘビーなところを振られたら身体を壊したくないからスピードはかなり落とすし
(だって医療費くれないでしょ?)、ときおり腹が立ってオリコンを落とすこともあるだろう。
ほかの人はやれるのかもしれないけれど、ぼくをふくめて、
850円でこの作業はできないと思う人のほうがいまの職場では多いのではないかと思う。
重要なので繰り返すが、
ぼくにとっての時給850円はおしゃべりOKでたまのミスもやむなしレベル。
日本円850円で力のかぎりをふりしぼって身体を壊してまで働く気はさらさらないね。

いまの職場は早く帰ってくれと言われることが非常に多い。
早くやれと命令しておきながら、
がんばって早く終わらせたらご褒美ではなく逆に強制的に減給するのだから、
ふつうの常識をもった大人なら気が狂いかねないレベルの職場だと思う。
でもさ、1時間早く帰ってくれと言われる。たかだか850円じゃないか。
850円って安いファミレスのドリンクバー2人前もまかなえない金額なのよ。
そんなお金のためにムキになって怒るのは大人げないにもほどがあるとも言えよう。
高校生のようなお子さまならともかくだ。

結局、850円は850円なんだよね。
いまのバイト先ではあまりお金に困っていなさそうな主婦ほど楽な場所にまわされる。
きついところを振って辞められたら困るからだろう。
こいつはほかでは使いものにならないといったものほど酷使される。
でもさ、だとしたらおかしいんだ。
ほかでは使いものにならなそうな
日本語がほとんどできないフィリピンのおばさんが数人いる。
この人たちにとって850円は高額でしょう?
しかし、どうしてか古株のためか
フィリピンおばさんは楽な場所にまわされることが非常に多い。
そのうえ、どんな自信を持っているのかフィリピンおばさんたちはサボりまくりなのである。
ぼくがきつい持ち場でこうしてくれとお願いしても絶対にやってくれない。
それどころかあることないこと上に告げ口しに行くのだから。
あの人たちなんか他じゃ850円稼げないでしょう?
そもそも雇われるのが無理なレベル。
だったら、フィリピンおばさんはもっと働かせるべきではないか?
どうしてフィリピン女はオリコンを落としてもよくて(女で外国人の自称弱者だから?)、
ぼくがオリコンを落としたら(密告され)
怖い危ないと注意されなければならないのかまるでわからない。

とはいえ、いまのバイト先はおもしろい。
たとえば、このブログ記事に書いたような、いろいろ発見があるからだと思う。
生きのいいネタが入手できる市場はこちらが金を払っても得がたいものである。
明日辞めるかもしれないが、いまのところあの職場は相当におもしろい。
やはり社員さんも850円の現実というものをご存じで、
ミスをしても厳しい注意をされないところが素敵である。
社員さんから率先して
和気あいあいとおしゃべりしているような職場はめったにないのだろう。
やはりいまのバイト先が好きなのだと思う。
給与明細をもらっても数日見ないようにしていたら、金額に腹が立つこともない。
働いているというより遊んでいる感覚に近い。
(いえですね、本当の労働は遊びに接近すると偉い学者先生も仰せであります)
早く帰ってくれと言いにくる社員さんの硬直した表情からして味わい深いものがある。
「えええ?」とかどこまで本気か冗談かわからぬまま言ってみるのもまた楽しい。
なによりボランティアでないのがいい。
本は好きだからボランティアでもできないことはないが
(いままでどれほど本のお世話になったかを考えると)、
まだだれも手にしていない新刊書を手に取れてお小遣いまでもらえるのである。
忙しくない持ち場だったら立ち読みまで可能。
今月はじめ少しばかりお休みをいただいた。
どれほどみんなが懐かしくなったことか。
社員さんパートさんを問わず、みんなに逢いたいとそれぞれの顔が浮かんできた。
明日またみなさんにお逢いできるのをいまからとても楽しみにしている。

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