「最新 行動経済学入門」

「最新 行動経済学入門」(真壁昭夫/朝日新書)

→内容は知っていることばかりだったので1時間程度で読み終わってしまった。
人間はかならずしも経済的に合理的な行動をしないというのは、
学問的には最新の知見らしいけれど、庶民的には当たり前っしょという話で。
ま、とかく人間は得をした喜びよりも損をした悲しみを強く感じるもんさ。
百円得したときの喜びは百円損をしたときの悲しみよりも大きいんだって。
え? 喜びや悲しみは数値化できないじゃん、
なんてお偉い学者先生に言っちゃいけない。

主観確率と本当の確率の問題でまたつまづいた。
よくさ夢追い人が極めて確率の低い夢を追求することがあるじゃん、お笑い芸人とか。
あれって主観確率は高いんだよね。自分ならお笑い芸人になれると思う。
けれども、本当の確率はものすごく低いわけ。千人にひとりとか。
ここでさ、疑問に思うのは本当の確率ってだれがわかるんだろうって話。
だって、人間はもともと持って生まれたものが違うでしょう?
だったらその人の夢がかなう本当の(客観的)確率なんて出るわけがない。
生きてみないとわからない世界なんだから。
それにこれは学問的にうまく説明できないのかもしれないけれど、
主観確率の高いほうが(おれならやれる!)うまくいく確率も高まるような気がする。
主観確率が客観確率を変えるという可能性もあるのではないかと思う。
「かならず治る」って思っていたほうがガンからの生還率もきっと高いだろうしね。

最初と最後が有利っていうのは残酷だけれど本当だと思う。
最初に与えられた情報と最後に与えられた情報が、
どうしてか聞き手の印象に残ってしまう。
著者は有名な音楽家の友人がいるらしい。
その人から聞いたこととして、音楽コンクールの裏側が紹介されている。
なかなか平等な審査は難しいとのこと。
どうしても最初に演奏した人と最後に演奏した人の記憶が残ってしまうらしい。
きっと公募小説の下読みなんかでも、そういう運のようなものがかならずあるのだろう。

お金の話をすると、いまは長期ファンドができないんだって。
本当は5年後、10年後に利益が上がればファンドマネージャーとしては合格なのだが、
3ヶ月に1回投資家に利益状況を説明しなければならないから、
このため長期間保有すれば利益が取れる銘柄は嫌われ(保有していても損切りされ)、
いますぐ利益が取れそうな銘柄ばかり買われる傾向にあるらしい。
われわれは損が気になり目先のことばかりに目がいってしまいがちである。
これを「近視眼的損失回避行動」というとのこと。
「近視眼的損失回避行動」とは――。

「手近の損失を気にするあまり、将来もっと大きな損をするか、
あるいは長期的な利益を取り損なってしまうこと」(P142)


某所でバイトしている知り合いから聞いた話。
そこは年末の12月がとにかく忙しいらしい。
忙しいと高額な(日雇い)派遣を取らなければならず、それは損失である。
だから、12月に向けてほとんどだれでもいいからという感じで人を取っていた。
1月になったらがくっと仕事量が減るのをわかっていたのにもかかわらず、である。
12月はうまく乗りきった。利益も出たであろう。
でも、じゃあさ1月はどうするのって話。
たくさん取ったバイトを休ませるしかない。
もしくはベテラン以外は少しずつ平等に稼がせて引きとめておく。
そこは外国人も働いているらしいけれど、びっくりしただろうね。
12月の感覚でいたら1月は生活できるだけ稼げないし、
いちばん驚いただろうことは、だれもそんなことを教えてくれないんだから。
日本人ってなんなの? って思った新入りの外国人がたくさんいたような気がする。
知り合いがそんなことを言っていたけれど、まあ、そんなもんだよと返答した。
それが資本主義だもん。
目先の利益のことだけ考えて、あとのことは弱い部分にしわ寄せ。
知ーらねっ。生産性と効率性さえ上がれば、ほかのことは知ーらねっ。
だって、どうしようもないじゃん、というのはすごいわかる。
本当にどうしようもないんだから。世の中きびちいなあ。

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