「断食芸人」

「断食芸人」(カフカ/山下 肇・ 山下 萬里訳/「穴」百年文庫/ポプラ社)

→変化のない退屈な日常生活に飽き飽きして、
かといってそう時間があるわけでもないからカフカの短編小説を読んでみた。
むかしは流行った断食芸人ではあるがしだいにブームが去り、
みなにかえりみられなくなってひとり孤独に死ぬという話。
まあ、断食芸人なんていたとは思えないから、現実を風刺するお話なのだろう。
断食とは死につながる行為である。人間、食べなきゃ死んじゃうわけだから。
いまの人間は死を見ないようになって、
生きること(食べること遊ぶこと)にしか関心がなくなっているではないか。
国語教科書的には、そういったメッセージを読み取るのが正解なのかもしれない。
しっかし、カフカはなんじゃこりゃあ、というわけわかんないものを書くよなあ。
こういうのを読んでからアルバイトに行くと、いつもの光景が少し異なって見える。
文学の価値というのは、そのくらいならあるのかもしれない。
ちっとも人間も人生も変えやしないけれども、
1日のちょっとした昂揚程度の効き目なら相性のよい文学作品と出会えば。
なにもないよりは少しはましなのかもしれない。

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