「壊れたおねえさんは、好きですか?」

「壊れたおねえさんは、好きですか?」(中村うさぎ/文春文庫)

→壊れたおねえさんは好きかと問われたら、べつに好きでも嫌いでもないが、
正直なところめんどうくさいのはいやだよなあ。
闇フェロモン過剰な壊れたおねえさんは、
女あつかいに手慣れたイケメンくんにまかせたいような気持がある。
本書で中村うさぎ嬢(お嬢さんというよりただの年上のおばさんなんですが)は
「闇フェロモン」なる言葉を造語していたが、その語感に言葉フェチとして参った。
異性の闇フェロモン(傷、ダメぶり、コンプレックス、トラウマ)に負けちゃう男女は
少なからずいるのだろう。
相手の傷を愛するという表現が本書にあったが、
物語性の弱い人生を送ってきた男女ほど相手の闇フェロモンにやられてしまうのだろう。
健全な大学生のころ柳美里が好きだったのは、たぶん闇フェロモンゆえだろう。
こちらが闇をいっぱい抱えてからは柳美里にまったく興味がなくなった。

好きな女の顔ってあるなあ。
相手が自分に惚れているだろうと確信して、
「あんたあたしのことを好きなんでしょう? 
隠しているつもりでしょうけれど、あたしは知っているから」
と自信たっぷりないたずらっ子めいた女の顔ほど美しいものはないと思う。
あれはぞくぞくっと来るよねえ。
相手の秘密を自分だけが知っているという自信が女を輝かせるのだろう。
秘密をわざとちらりちらり見せるのがもてるコツなのかもしれない。
中村うさぎ嬢(←嬢ってなに?)は長いこと、
タンクトップからブラジャーの紐を出している同性のことを単にだらしないだけ
と思っていたらしい。あるとき真実を教えられる。「このほうが男は喜ぶんですよ!」

「だから私、わざとこうやって、
ごくフツーの下着然としたブラジャーの紐を見せてるんです」(P81)


相手の隠しているものを見てしまうと優位に立ったような気がして
うっかり惚れてしまうようなだらしのない精神を男女ともに持っているのではないか?
このため、本来隠すべきものを意図的にちらちら見せる男女がいるのだと思う。
相手の隠しているものほど見たいものはないのではないか?
そういうものをちらりと見せられると、思わず相手を好きになってしまわないか?
隠すべきものが多い人ほど闇フェロモンを放つのだと思う。
ああ、そうだったらどんなにいいことか。もてたいなあ。
ここだけの話であなただけに白状するけれど、ああ、女からもてたいなあ。
これは絶対に秘密にしてください。お願いします。

COMMENT

東方不敗 URL @
02/16 22:34
秘密のアッコちゃん?. 個人的には、鬼束ちひろが好きです。
Yonda? URL @
02/17 09:20
東方不敗さんへ. 

まっとうな人生を送っている人ほど闇フェロモンに参っちゃうようなところがあるのかもしれません。








 

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