名前を覚える

いまの国籍性別年代多様な職場で働くことになって復活したのが記憶力である。
むかしはすごかったんだ。
中学時代はプリント1枚を意味も不明なままにそのまま丸暗記することができた。
基本、成績って記憶力に依存していると思う。
さてさて正直な話、
いまのわたしがいるバイト先に入った新人さんは、
おそらく周囲の名前を覚えるのはあきらめるのではないか。
それほど多くの人が働いているのである。
ぶっちゃけ、社員さんが人の名前を間違えて呼んでいるところを何度も目撃している。
さいわいなことに一度もわたしは名前を間違えて呼ばれたことがない。
よくあるおっさん顔のわたしなどの名前を覚えてくださって感謝、感謝、大感謝。
ある時期まではたしかに名前を覚えられなかった。
しかし、名前を覚えることから世界が輪郭を保つのだとも思う。

ネパール美少女のサリタさんが契機だったなあ。
どうしてもサリタという名前が覚えにくかったのである。
名前を覚えるきっかけは持ち場が明示された紙である。
これを瞬間的に見て前後の人の名前をあたまに叩き込むしかない。
女性の胸の名札をじろじろ見るのはセクハラになってしまう。
サリタという名前は記憶するのが難しすぎた。
このため、持ち場にはられている紙の裏に「サリタ」と書いたほどである。
サリタさんは2時から来ることが多いが、来てからも何度も紙を見直した。
そのくらい無機質なサリタという名前は覚えにくかった。
たしかその日の左横はユーミだったような気がする(ユーコさんだったかな)。
何度も紙の裏を見ているわたしを怪しく思っていたのかもしれない。
サリタという名前を覚えたいきさつはこうだ。
サリタさんはネパール人女子。
ネパールはインドの近く。インドといえば女性の着ているサリー。
サリーだから「サリタ」さん。
そういえばおなじネパール古株女子にスミタさんがいる。
「タ」が最後につくのかネパール女子の特徴かな。
こうしてサリー+タのサリタさんの名前を記憶することに成功した。
あとはこの要領で国籍問わず片っ端から名前を覚えるようにしている。

だけどさあ、いったいバイト先でパートさんの何人がわたしの名前を覚えているのか。
社員さんはそれが仕事だからまず覚えていらっしゃると思う。
問題はおなじ身分のパートさん。みんなわたしの名前なんて知らないんだろうなあ。
覚えてくださいとは口が裂けても言えません。
けれど、ゴックさんがわたしの名前を知らなかったら鬱だなあ。
まあ、人生なんて、人間なんて、そんなものだとは思うけれどさ。
女性パートさんでわたしを名前で呼んでくれた人はいまだひとりもいない。
唯一ユーミだけが休憩室で何度かわたしの噂をしてくれたなあ。
いろいろあった翌日に上がユーミをラインの横に入れてくれたときは、
おいおい、おもしろすぎるとブルブル震えちゃいました。
ひたすらユーミを無視して(横目でチラ見しながら)サリタさんがわに立ってしまったなあ。
あれは忘れられない1日だった。
あんなスリリングな経験をさせてもらうと、このバイトを辞められないじゃないか。

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