情が移る

いまバイトを休んでいるけれど、
それは怠惰に遊びたいだけではないのだ(遊んでいますが)。
まあ働くのも楽しいしまじで、しかし働かないで好きな本を読んでいるのも楽しい。
いまさあ、右のひじがピンチなんだ。痛くてたまらない。
洗濯や食器洗いもおっくうになるくらい。
言うまでもなく、きっかけはバイト先の書籍ピッキング。
先週の、あのサブマネ(サブマネージャー)の横で働いた日。
ふっと気づいちゃったんだよね。いい? ここだけの秘密にしてよ。お願いだから。
もしかして、おれそうとうに書籍ピッキングを理解しているんじゃないか?
基本的に地頭(じあたま)はいいと思うし、短時間パートさんよりも総ピック時間は多いし、
アッキーという若いけれど優秀な先輩に恵まれたこともあって、
あれれ? おれ、もしかしたら書籍ピッキングの本質を理解したんじゃないか?
とか思ったわけ。がんばりすぎた。このために右腕のひじを壊してしまった。
きつい間口(持ち場)を振られたくないから、こちらのピッキング力向上は絶対秘密で。
しっかし、サブマネもかなりピックがうまいなあ。
横で見ていてうまいなあと感心することしきりだった。
だから、負けまいとがんばりすぎてこうして右ひじを壊してしまったのかもしれないけれど。
その日、わたしはサブマネの5倍くらいの時間ピッキングをしている。

先週、右腕が壊れてどうしたか。
そういえばと気づいたのである。若年先輩バイトさんはよく左手でうまく本を持っている。
なーんだ、右腕がダメなら左腕があるじゃないか。
みんな右手でピッキングをしているけれど、ぼくだけ左手でピッキングをした。
みんなと逆回転をしたわけである。
やっぱり案の定、馴れないためだろう、誤ピック(数え間違い)を出してしまった。
なんかさ、チョー受けるの。
おれがさ、逆回転で書籍ピッキングをしたら真似をする人が現われるのだから。
ベトナムっ子のヒエンさんも何回か左でまわっていたなあ。
ぼくが左でまわっていたのは、単に右腕が痛くて使えなかっただけだから。
1年以上日本に語学留学をしているのに、
まったく日本語がわからないベトナム女子のヒエンさんはサブマネとぼくのお気に入り。
むかしヒエンさん日記をつけようかと思ったこともあったなあ。
どうしてこの子にひかれるのかわからなくて(女性としてではなく人間として)考え続け、
ある日、この子は類人猿なんだとチョー失礼なことを思ったり(ごめんなさい、ごめんなさい)。
サブマネのヒエンさんに接する態度は出来の悪い娘に接する親のようでとても好ましい。
ベトナム古株パート女子のヒエンさんはたまに電話なしで遅刻することがあるみたい。
わかりますよ、サブマネ、出来の悪い子ほどかわいい。ヒエンさんは第一級のなぞ。

右ひじが痛いのなら病院に行けばいいと言われるかもしれない。
でもさ、整形外科に行ったって
どうせレントゲンを撮られて湿布と痛み止めを出されて終わりでしょう。
それだけで4、5千円を取られてしまう。
わたしの日銭なんてそのくらいのこともあるのだからとても病院には行けない。
会社に医療費を請求するとか、会社を恨むとか、そういう感情はまったくない。
変な話だけれども、半年以上勤務して社員さんやパートさんに
びっくりするくらい情が移ってしまった。ただの契約相手とはまったく思えない。
会社のためにならこの右腕の一本くらい、なんて思ってしまうくらいだ(99%嘘だけれど)。
情がわく、情が移るってあるよなあ。
あいさつしかしたことがないけれど、パート仲間のたとえば
ミッカー、ユーミ、ミッチャン、ウーエ、ヨッシー、マス、イワサキさん等々に
ひとりで勝手にかなりの親しみをいだいてしまっている(表記した方は女子比率高め)。
パート仲間にでさえこれほど親愛の情があるのだから、いわんや社員さんである。
やっべえな。かなり情が移ってしまった。
右のひじがとっても痛いけれど辞められないじゃないか。
左でやろう。少しくらい誤ピックが増えたところで左でやってもいじゃないか。

COMMENT









 

TRACKBACK http://yondance.blog25.fc2.com/tb.php/3880-7425df70