「うん、またあした」

「うん、またあした」(日比野宏/凱風社)

→エッセイつきのアジア写真集。正確にはたぶんアジア人笑顔写真集。
どうして(日本人ならぬ)アジアの人の笑顔ってこんなにすてきなんだろう。
たぶん自然から笑っているようなところがあるからだと思う。
わが国のように笑顔のマニュアルのようなものがあって、
それを真似して笑っているわけではないところがいいのだろう。
笑ってと言われて笑う笑顔にはなんの輝きもないのかもしれない。
自然にどうしようもなく出てきた笑顔ほど美しいものはないのではないか。
ねらわない。人生でねらわないことを考えてみたらどうだろうか。
たとえば、旅はどこか目的地があって行なうものだとされている。
しかし、名カメラマンでもある著者の流儀は――。

「初めての土地では、僕はクジでも引くように適当なバスに乗ってみる。
とんでもないところへ行ってしまったら、むしろ喜ぶべきだ。
そのとんでもないところへは、自分が意図すると行けないからだ」(P88)


わたしも数少ないながら著者とおなじように、
海外旅行先でデタラメのバスに「えいや!」と運まかせに乗ったことがある。
もしかしたらそれが旅なのかもしれない。
もしかしたらそれが人生なのかもしれない。
老いたわたしはいまや人生でどこに行きたいという目的地のようなものはない。
強いて行きたいところをあげれば「とんでもないところ」へ行きたい。
自分がまったく意図していなかったような「とんでもないところ」へ行きたい。
そこでいままで自分が知らなかったような笑顔と出会いたい。
まったく想像もしていなかったような人と出会いたい。
いままでの人生がそうだったから、これからもそうなるような気がしている。
「とんでもないところ」へ行けるような錯覚を本書を読んで強めることができた。
いい本だった。本当にいい本だった。

COMMENT

- URL @
11/11 18:22
. 「とんでもないところ」に私も行きたいです。知らなかったような人や笑顔と出会いたい。きっと行けるはず。
Yonda? URL @
11/11 22:47
名無しさんへ. 

「とんでもないところ」が刑務所だったらいやですよねえ(苦笑)。
- URL @
11/17 23:49
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