本人非公認の弟子を自称しているので山田太一氏推薦の「浮雲」をジェイコムで視聴する。
これはシナリオで読んだ記憶があるけれど、くそつまらなかったという記憶しかない。
それでもこちらは山田太一非公認弟子だから、困難に負けず映画を観るのである。
つまらないことをいまさら指摘してもしょうがないので、今回は登場する男3人に注目したい。
まずは主人公の森雅之で、こいつはよくわかんないんだがとにかくもてる。
たぶん森雅之の魅力のわかる人というのが恋愛能力が高いのではないだろうか。
森雅之のよさがわかる男女はもてるというような法則があるような気がする。
ヒロイン高峰秀子の親類のおにいさんである山形勲はなかなかよかった。
山形勲は高峰秀子の「最初の男」で「3年もおもちゃ」にしたそうである。
山形勲はのちにインチキ新興宗教をはじめ大儲けするのだが節操のない小悪党ぶりがいい。
田舎で小料理屋を営む小商人の加東大介が「浮雲」のなかでもっともよかった。
加東大介は金の力にものを言わせて若く美しい岡田茉莉子を妻にしている。
客の森雅之がしている高級腕時計に目をつけ加東大介は1万円でゆずってくれないかと頼む。
まさに成金根性である。
このときの人情家ぶった加東大介と森雅之の会話があとから見返すとおもしろい。
若い妻をめとったせいか加東大介は人生わかったようなことを言うのである。
加東大介(清吉)は自分の若くて美しい女房が調理場を去ると彼女を指して――。

清吉「(彼女が去ると)どうも、娘みてえに若いんでお恥ずかしいんですが……
 これも前世の因縁で、めぐりあいだと思っていますがね……
 旦那、めぐりあいってものは大切にしなくちゃいけねえ、
 めぐりあいにさからっても……」(「シナリオ文学全集9」より)


このあとどうなるかというと若く美しい妻の岡田茉莉子は森雅之と出来てしまう。
そりゃあ小太りのプチブルなんかよりは甘いマスクの森雅之のほうはいいだろう。
男の価値を正確に品定めする岡田茉莉子は森雅之を追って東京へ出ていってしまう。
これも「めぐりあい」と観念することができなかった旦那の加東大介は追いかける。
結果、東京で森雅之と同棲している岡田茉莉子を殺してしまうのだから。
訳知り顔で言った、「旦那、めぐりあいってものは大切にしなくちゃいけねえ」の台詞が空々しい。
しっかし、相手を殺したくなるくらいの恋愛とか一度でいいから体験してみたいよなあ。
ある意味で加東大介は「浮雲」のなかでもっとも幸福な男かもしれない。
生娘だった高峰秀子を女にして3年も好き放題おもちゃにした山形勲もおいしい役ではあるが、
あまり人生の熱狂を経験したとは言えず映画的には欠損した人物と言わざるをえない。
むかつくのは森雅之である。
自分勝手に生きているだけなのに「前世の因縁」か女が彼を放っておかない。
わたしは加東大介や山形勲は好きだが、森雅之は蹴飛ばしてやりたいくらい嫌いだ。
高峰秀子は特別好きでも嫌いでもないが、3年くらいおもちゃにするのは悪くないよなあ。
いや、贅沢を言ってはならない。
パンパン(米兵用娼婦)あがりで中絶経験ありの女性(「浮雲」における高峰秀子の経歴)でも、
いまのわたしは喉から手が出るほどほしいのだった。

(どうでもいいでしょうがシナリオ「浮雲」の感想↓)
http://yondance.blog25.fc2.com/blog-entry-2874.html

COMMENT

URL @
10/15 18:39
. 不細工でも無職でも恋愛や人生はあるよ。
俺にだってちっぽけな人生があるよ。
身内が自死したりしてないけど、毎日がちっぽけなりにドラマだよ。
確かに映画やテレビは美男美女が恋愛を演じてるけど、駅前でいちゃついてる不細工な二人連れに幸あれ!
Yonda? URL @
10/18 17:50
犬さんへ. 

おっしゃる通りだと思いますが、
どうしてかわたしは犬さんのコメントが喧嘩口調に読めてしまいます。
わたしはあなたの「ちっぽけな人生」を否定したつもりはありません。
どうしてそう批判的なのかもわかりません。
あんまり名前も顔も知らない人(犬?)の人生を知りたいとも思いません。
こういう態度が不愉快なのかもしれませんが、
わたしは貴犬のお気持がさっぱりわかりません。
URL @
10/23 04:48
痛いところ. 突いちゃってるかもね。おもしろいね。
Yonda? URL @
10/25 19:37
犬さんへ. 

はあ、そうでっか。








 

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