生活の香り

よかったなあ。さっきベトナム人の女の子と職場の階段ですれ違ったんだ。
ふつうなら「お疲れさまです(お疲れさまでした)」でしょう。
自然にぼくの口から「きれいだね」という言葉が出てきた。
ベトナムの妙齢の女の子でもバイト中は作業着なんだ。
帰宅時にこんなにきれいに化けるとは思わなかった。
考えもせずに思ったそのまま「きれいだね」と言えたのがじつによかった。
これに「ありがとう」と答えてくれたベトナムっ子もよかった。
ベトナム人は遠慮するのか「ありがとうございます」と日本人相手には言うんだ。
「ありがとう」なのがよかった。
「きれいだね」
「ありがとう」
3時の休憩時間に聞いたらほかの高時給のバイトに落ちてしょげていたらしいけれど、
がんばれと思った。
きれいなんだから、がんばれ。
そういえば休憩時間に「お金持の男をつかまえて結婚しちゃえ」と言った記憶が。
しかし、こんなにきれいだとは思わなかった。
一瞬のすれ違いである。
「(ハッとつかれて)きれいだね」
「ありがとう(ございますはない)」
今日いちばんの収穫だった。生きているのっていいこともあるなあ。
いつ時給850円から卒業するかわからない、
あのフレンドリーなベトナムっ子が幸福になることを祈る。
いままでこのバイトを続けられたいくぶんかの理由は、
かならずやあのベトナムっ子の人懐っこい笑顔にあるのだから。
すれ違うだけでも人はいいのかもしれない。
「きれいだね」
「ありがとう」

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