それぞれの秘密

人間っていうのは、どれだけ秘密を持ちこたえられるかで器が決まるような気がする。
秘密というのは人を孤独にするから、
群れるのが好きなタイプは必然的に口が軽くなるのかもしれない。
もちろん、友人が多い社交的な方のなかにも器が大きい人はいるだろうし、
孤独にもかかわらずブログにあることないことを書き散らしているぼくのような小物もいるだろう。
好きな人の秘密は知りたいけれど、知っちゃったら「なーんだ」となってしまうようなところがある。
知りたいけれど隠してほしいという難儀なことを、
同時に相手に求めるのが人間なのかもしれない。
暴露本とかおもしろいけれどね。
知っちゃうと一瞬はいいけれど、
その後は対象が以前と比べるとがくんと輝きを失い色褪せてしまうから困る。

夫婦や恋人は相手の秘密を知ったほうがいいのだろうか?
そんなこともテーマのひとつにした山田太一ドラマ「秘密」(東芝日曜劇場)を視聴する。
昭和50年放送だから、こちらは生まれてもいないぜ。
シナリオで読んだことがあるけれど、これにかぎっては見ないほうがよかったと思う。
もてない底辺の孤独な若い工員が、
おなじく孤独だがちょっとマブイ年上の人妻にデートに誘われチューしてもらうって話だ。
ライターの植島啓司氏のいう「突然のキス」をこんなむかしに山田太一氏は描いているのだ。
おそらく、このキスはふたりにとって忘れがたい甘い味のする秘密になったことだろう。
映像のどこがいけないのかというと、
もてない孤独な青年役がイケメンで長身すぎておもしろくないのである。説得力がない。
専業主婦役の中村玉緒はたしか38歳で高校生の娘がいる設定。
ああ、38歳はいまの当方の年齢だから、
時代を考えても完全に人生にしくじってしまったことがいやがおうにも自覚される。
が、それと作品評価は関係ない(ことにしておこう)。

わたしは朝日新聞を熱心に愛読するような山田太一ファンが嫌いだから、
まっとうな人生を送っているあちらさんたちからもあまり好かれてはいないような気がする。
まあ、それは被害妄想というやつで、
だれもそもそもこんなブログに興味など抱かないのが正しい現実認識だと思われる。
いちおう書いておくね。
今月12日神奈川県の平塚というところで山田太一氏の講演会があるらしい。
調べたらうちからだと往復で交通費が3000円。講演会の参加費が1500円。
あはっ、4500円っておれが土曜日に稼いでいる日銭とほぼ同額じゃん。
どうせ話は以前の講演会とかぶるだろうし、
わたしは有名人のためではなく自分のために生きているので今回はパス。

山田太一さん講演会「今わたしが伝えたいこと」
開催日:7月12日(土)13時〜14時30分(開場12時30分)
会場:升水記念市民図書館
参加費:1,500円(中高生1,000円)
http://www.masumizu-lib.jp/event/event_20140712.html

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