現実の怖さ

昨日バイト先で忙しい手作業をしている最中、
社員さんがいきなり来て「明日、休んでいただけませんか?」という。
そんなもん「わかりました」と答えるしかないじゃん。まあ、その瞬間をねらったんでしょうけれど。
現実ってすげえなと思った。
その後、その社員さんとすれ違ったとき、
彼は携帯をながめるふりをして目を合わさないようにしていた。
怒っているわけじゃないのね。彼だって仕事としてしょうがなく伝えたことなのでしょうから。
だれかが憎まれ役をしなければならないわけ。
この書籍出荷倉庫は、1日の仕事量が安定しないんだ。
前日にならないと明日どのくらい仕事があるのかわからない。
で、いままでは高額な日雇い派遣に頼っていたけれどコストがかさみすぎる。
このため、だれでもいいからって直接雇用の安価なバイトを取りまくったわけである。
しかし、仕事のないときはバイトを休ませなくてはならない。
コスト削減のしわ寄せがいちばん立場の弱いアルバイトに来るのだろう。
たしかにこのバイト先はいろいろな意味で(差別じゃありませんよ)、
ちょっと他ではお目にかかれないような人もいるからおもしろいのである。

この会社は書籍取次としては中小といってよい。
1回つぶれそうになったらしいし、仕事を取ってくるには値段を下げるしかないのだと思う。
そうするとどれだけ安く人手を確保できるかになる。
いい大人を時給850円で雇って、その中年にいきなり明日休めという。
おれが社員だったら相手の気持を考えてそれはいえないが社会人はいわなければならない。
「こんなことやっていいんだろうか?」と思いながらも、
自分が食うために他人に辛い思いをさせなければならないのが会社なのだろう。
おれだって辛いもん。
昨日、親しみを感じていた高齢バイトさんが早く帰らされていた。
そのぶんこちらが2時間半ぶん(850円×2・5)多く稼げたことになる。
でもさ、絶対にベテランの彼を働かせたほうが仕事の効率はいいわけ。
新しいバイトなんていれるから彼が困らなくてはならなくなってしまった。
なんか昨日は見ちゃいけないものを見てしまったような気がした。
うちのブログをお読みの少数の読者さんは、こういう世界を実地で知らないような気がする。
やっぱり文化水準が一定程度ないと、他人の幼稚な読書感想文なんかに興味を持てないし。
世の中にはこういう世界があるわけなんだね~。
文化事業らしい(笑)出版の世界の底辺の底辺では、こういうことが繰り広げられている。

一定以上の年齢を超えると、この底辺から抜け出せないだろう。
他で雇ってくれるところはないし、そもそもバイト探しをするためのタメがない。
もうどうしようもない。ほとんど敗戦処理のような楽しみのない人生しか待っていない。
ある高齢バイトさんから「あんまり考えないほうがいいですよ」
とか言われたけどリアルで震えたもん。
新刊書店で華々しく積まれた書籍の裏側にこんな地獄があったとは思いもしなかった。
昨日バイト先で見かけたのは佐野洋子の絵本「100万回生きたねこ」。
河合隼雄の本に紹介されていて、いつかブックオフ百円ゲットをねらっていた。
ストーリーは知っていたが、絵は見たことがなかった。
バイト中に最後のページだけちらっと見てみた。なみだが込みあげてきた。

COMMENT

naonao URL @
06/18 21:53
. そろそろ、脱出したほうがいいです。

考えなくても生きていけるならいいけれど、社会的にも性格的にも、そういうわけにはいかないし、yondaさんには考える力やテキスト力や知識がある、そして日々若さは失われていくのだから、いま頑張ってほしいです。

いまの状態で就職するのが厳しいならば、就職以外の道を探るか、就職できる自分になるか、ですよね。

・士業などの資格をとって就職する
校正者なんかもありですよ

・起業する

これはできるのではないですか?

その先に、

・哲学や宗教の知識を活かした切り口で企画書を作り出版社に持ち込む、原稿を書いて投稿する

とかできたらいいですけど、これは普通にやると難しそうなので、コネを作る方策から考えたほうがいいかもしれません

また、

・ピッキングが少ないときにやれる仕事を提言する

これは無理ですか?
棚卸しとかデータ整理とか、ピッキングにまつわる仕事を日常業務に組み込んで、業務の平準化をはかれたら、休みを強制されたり不用意に人を増減させなくて済むように持っていけないでしょうか。

また、とりあえずの案として、

・牧場や旅館など住み込みで集中的に稼げるところへ行く

もありではないですか?
東京は暮らすだけでも家賃や物価が高いですから。


脱出するのは、歳を取るごとに難しくなる。

思考力がない人なら仕方ないですけど、絶対やりようありますもん。

上から目線のコメントにしかならないので何日も書くの迷いましたが、「考えると怖い→考えない」という同僚の言葉に影響を受けてしまったらもう本当に逃れられなくなると思いました。

Yonda? URL @
06/18 23:50
naonaoさんへ. 

あ、あ、ありがとうござます。
ごめんなさい。緊張して、ど、どもっちゃいました。
そういえば、どもりは治らないですね。
これで自殺する人も多いのでしょう。
だって、できる仕事が限定されますもん。

ありがとうございます。
おかげさまで、どもらないでいえました。
顔も知らないわたしなんかのことを、
そんなにご心配してくださる方がいらっしゃるとは。
本当にどうもありがとうございます。

過疎ブログのコメント欄とはいえ、
なにかの拍子でご覧になってしまう方もおられます。
表立ったところではいえない、いろいろ複雑な事情がございます。
naonaoさんが、ここにお名前や勤め先を書けないのとおなじです。
いろいろ書けないそれぞれの事情はございますでしょう?
メールならいえるのかと申しますと、そうそう簡単ではないような気もします。
この人は信じられると思った方には賭けられますけれども。
人生はまったくわけがわかりません。
なにが起こるかは本当にわかりません。

わたしは観音さまだか阿弥陀仏だかを自己流に信じています。
勝手に運がいいと思っています。
人生どうなっても、それは神仏のおはからいだと思いたいところがあります。
いざとなったら自殺すればいい。
そうなるかどうかも神仏や運命におまかせして得られる安心もあります。

うーん、公開のコメント欄では書けない悲劇や喜劇がございます。

今日は8時間ピッキングオンリーだったので肉体的には楽でした。
昨日4時間もガチ肉体労働の「入庫」をやらされて死ぬかと思いました。
昨日も今日もそれなりに意味深い体験でした。

30まで生きない自信が20代のころはございました。
ところが、もうすぐ40。
計算違いなことばかりです。
こうなると思っていても、
そうならないというのがわたしの人生の真実です。
40まで生きたら天寿をまっとうしたといっていいと思います。

歯切れのよくない文章でごめんなさい。
世の中には、
ずっと不遇でそれを不遇だと考えない人もいるみたいです。
naonaoさんのような方からは信じられない人生もあるのかもしれません。
いや、あるようです。

38歳になっていまさらながら思い知った真実は、
人生これ不平等に尽きます。
ネットってなんなのかなあ。
顔も名前もないけれど、善意や悪意はみなぎっている。

今日はリアルのバイト先で
おっさんバイトのIさんと少し言葉を交わせたのがよかったです。
naonao URL @
06/22 04:07
. お仕事お疲れさまでした。
西原理恵子はまだまだ売れていますか。
Iさんとお話できてよかったですね。

いただいたレスが、私が20代全部付き合っていた人とそっくりなことをおっしゃっていたのでびっくりしました。

俺は20代で死ぬはずだったのに死に損なってしまった、失敗した、お前は自殺なんかしちゃだめだというけど、「死んだら全部終わる」ということ自体が俺の支えなんだから、自殺に成功したら許してくれよ。
そんなことを言ってました。

重度のアトピーで、だから身体がかゆくて痛くてろくに眠れなくて、自殺願望にとりつかれていて、離人症や神経症やうつをコンボで患っていて、救いを求めて西洋哲学を院まで進んで学んでいたけど、無職になりました。
アルコールと煙草に溺れていて、とても頭がよくて繊細な人だったから、現実をぼんやりさせていないと本当に自殺していたと思う。

忌野清志郎みたいな特別な歌声を持っていて、高橋源一郎みたいな小説も書いて、ミロみたいな絵も描いて、私が担当してる大半の作家たちより才気はあるのに、何もものにせず、現実に潰されていく人と、同じ部屋で寝起きしていました。
皮膚が剥がれて真っ白に粉を吹いた顔をかきむしるから、シーツがザラザラのべちょべちょになる。
私の髪の中まで、彼の粉でフケまみれみたいになる日常でした。

でも、彼は一念発起して正社員になり、そこはブラック企業だったけど、心身に鞭打って働いて貯金を始めました。

それは私に新しい男ができたからですが、好きな女と生きていくためにはできなかったことが、「別れてやるため」にはできたんですね。
ああ、でも、彼がどんな状態であれ自殺しなかったのは私が怒りまくってたからかも。笑

彼とyonda?さんは別人ですし、抱えてるご事情は存じませんが、どんな事情であれ、再起できないとは思えません。

どんなぎりぎりのところからでも、人は再起できるのだと思います。


まあ、彼は東日本大震災で故郷が被災してまた心が折れて親元に帰ったわけですが、こないだ着信があったから、いまも生きてると思います。



もし重大な病気などお持ちでしたら、それこそ大野更紗さんみたいなブレイクの仕方もあるわけで…。


こちらのblogを読みはじめたときはもちろん存じませんでしたが、件の彼も、いま38歳なんです。
専攻はドイツ観念論哲学ですが、仏教もよく勉強していました。河合隼雄や山田太一や中村義道を愛読してましたね。高学歴フリーター。しかも、過労死しそうに働いてた私よりもずっと苦しんでいたのを見てきました。yonda?さんと似通う部分は大きいですし、20代全部一緒に暮らした彼を通して知ったこと、察する拠り所となっている部分はとても多いです。

あと、私はどもります。
大人になってからどんどんどもるようになっちゃいました。
つっかえるの恥ずかしいんで一度脳内シミュレーションしてからしゃべるんですが、そういうことやってるとどもりまくりますね。
いやなもんです。

誰だって人生なんでも思い通りにいってるわけもなし、そんなに「別」にしないでください。

いや、「別」なんですけどね。
それでも。

- URL @
06/27 11:15
管理人のみ閲覧できます. このコメントは管理人のみ閲覧できます
Yonda? URL @
06/28 19:23
naonaoさんへ. 

貴重なアドバイス、ありがとうございます。
やはり一流の人は一流の人生体験をお持ちなんですね。
naonaoさんがすごい方なのだと改めてわかりました。
そんなお方からおコメントをいただけてとても光栄です。
再起できるとおっしゃってくださっていますが、
そもそも起きたことないので再起はないような気がします。
いえ、これはたぶんこちらの誤読でしょう。
ネットで先生を発見したと思いました。
これからもご指導、ご助言をなにとぞよろしくお願い申し上げます。
たいへんためになる珠玉のお言葉、
何度も何度も小生は読み返しました。
naonaoさんのような一流に一歩でも二歩でも近づきたいです。
どうかいろいろ教えてください。
ありがとうございます。








 

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