「ジリアンへ、37歳の誕生日に」

「ジリアンへ、37歳の誕生日に」( マイケル・ブレイディ/三田地里穂訳/ 而立書房)

→戯曲。アメリカ産。
ユージン・オニール、テネシー・ウィリアムズ、アーサー・ミラーのせいで、
アメリカ現代演劇と聞くと、
どうしてもわたしはあの感動がまた味わえるのではないかと期待してしまう。
だが、まただまされた。くっだらねえ芝居である。
主人公は37歳のニート、ひきこもり、世捨て人のイケメンである。
元は大学教授で高校生の娘がいる。
エリート人生からドロップアウトしたきっかけは2年まえに妻が事故で死んだから。
いまは優雅にも別荘でニート生活を送っている(金にも困っていない)。
ものすごいイケメンらしく近所のナイスバディ―でパツキンの女子高生から片想いされている。
ところが、亡妻の姉夫婦がお節介にも「働け、働け」と執拗に迫ってくるのである。
理由は高校生の娘の教育に悪いからだという。働け、働け! 死んだ妻のことは早く忘れろ!
これはお節介の極みというほかないが、
亡妻の姉夫婦は新しいガールフレンドとのお見合いまで設定するのである。
あのさ、愛する人に先立たれたのなら2年くらいなにもしなくてもいいじゃん。
ほんとうに愛していたら10年でも15年でも無為に過ごさせてやったらよいではないか。
新しい女を紹介して、この代用品で満足しろ、なんていう親切はもはや嫌がらせだろう。
どうしてお金があるのに働かなきゃいけないわけ?
彼がまた大学教授に戻ったらポストがひとつ減ってだれかが不幸になるわけでしょう?
ほんとうに愛する人の死を悼むのなら20年でも30年でも喪に服せばいいと思う。
しかし、このイケメン元大学教授はたったの2年で亡妻のことを忘れ、
新しい女との愛に目覚め、そのうえ復職までしてしまうのだから。
あんまり人間を甘く見るなよと作者を怒鳴りつけたくなった。英語はわからないので日本語で。

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