「潜み入る者」「群盲」

2005/08/25(木) 14:28:48

「潜み入る者」(メエテルリンク/堀口大学訳/近代劇全集24仏蘭西篇/第一書房)絶版

→戯曲。別の翻訳では題名を「闖入者(ちんにゅうしゃ)」にしている。
劇の中心人物は盲目の祖父。ときは例によって夜。
なにゆえメーテルリンクはここまで闇(やみ)に執着するのか。
ときおり弱まるランプの明かりも象徴的である。

盲目の祖父はその晩、何かがおかしいと感じるが原因はつかめない。
しきりに家族に問い詰めるも、目明きたちはそれを否定する。
門が開く音がする。が、誰もきていないと女中はいう。
階段をのぼる音がする。しかし見てみると誰もいない。
最後、難産で病の床に伏せていた娘の死が報告され、祖父は闖入者の正体を知る。
「死」という名の不幸である。
そのとき今まで決して泣くことのなかった赤ん坊がはじめて声をあげる。




「群盲」(メエテルリンク/神絢一訳/近代劇大系10)絶版

→戯曲。メーテルリンク、あなたってひとは……。
舞台は森。ときは深夜。登場するのは、めくらの群れ。
介護施設からピクニックに連れ出されたのが夜になってしまったらしい。
めくらばかり男6人、女6人。老いも若きもめくら。
なかには赤ん坊をかかえたきちがいめくらもいる。
筋のようなものはない。が、このインパクトは筋を必要としないかと(苦笑)。

ラスト。引率の牧師が死んでいるのが発見される。
どうやって施設まで戻ればいいのか。さわぐ群盲。泣き叫ぶ赤ん坊。
「死→赤ん坊の泣き声」というパターンが上記の「潜み入る者」とおなじである。
メーテルリンクの作劇力学の一端がうかがえる。

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