「売文生活」(日垣隆/ちくま新書)

→本書から学んだことは、原稿料なるものが都市伝説ではなく実在していたということだ。
世の中には本当に文章を書くだけでお金をもらえている人がいたのか。
あんなものは無知な若者をだます類のインチキ儲け話ではないかと思っていた。
繰り返しになるが、へええ、本当に文章を書くだけでお金をもらえる人なんかいたのか。
それっておかしくないかなあ。
だって、文章ってたとえお金をもらわなくても書いてしまうものでしょう?
ああ、そうか。そこで作家とライターのちがいに行き着くのか。
作家は書きたいものを書くけれど原稿料は雀の涙ほどでほとんど食えない。
いっぽうでライターは注文仕事で職人技だが、なんとか人並みに金を稼ぐことができる。
自分のために書くのが作家で、人様のために書くのがライターではないか。

いや、本当にそうなのだろうか。
というのも、ネットをぶらぶらしていると食えないライターというのがいるらしいからだ。
え? 食えないライターなんてありえないじゃん、と思う。
だって、ライターは作家とちがって食うために自分を捨ててやるものでしょう?
食えなかったら職能がないということだから、ほかの仕事をするしかないじゃありませんか。
作家ならべつだ。書きたいことを書いて食えないのは、まあ当たり前だろう。
ライターで食えないと嘆いている御仁はいったいなんなのだろう。
そのくせ、他人にはどうでもいい自分語りの思い出話を、
さも誇らしげに無料でブログに書いている自称ライターってなに?
自称ライターや自称お笑い芸人は気持が悪い。
ライターやお笑い芸人は他人に奉仕するサービス業ではないか。
自己表現をしたいのなら、
作家や自作自演の舞台俳優を目指したらいいのではないかと思うのだが。

どうやら現実に存在していたらしいライターという職業で(驚いたなもう!)、
高収入を得ている著者がお書きになったいわばドヤ本の本書を読んでこんなことを思いました。
生意気いって、すんません。ああ、原稿料なんて都市伝説かと思っていたや。
原稿料とやらを得るためのこつを著者は夏目漱石から学んだようだ。

「執筆や出版にかかわる条件は、依頼があったときにのみ有利に交渉しうる、
という鉄則を、最初に身をもってやり遂げた最初の作家が夏目漱石だった」(P88)


COMMENT









 

TRACKBACK http://yondance.blog25.fc2.com/tb.php/3689-b128428b