「乙女の密告」

「乙女の密告」(赤染晶子/新潮社)

→日本人にもっとも知られた文学賞である芥川賞を獲得した作品である。
明日どんな小説だった? 
と聞かれたら答えられそうにないので今日のうちに読んだ感想を書いておく。
ワンセンテンスがやたら短いのが印象的だった。
こういう短文の積み重ねでも小説が完成するのかというのがせめてもの発見だった。
内容は世界的ベストセラー「アンネの日記」を下敷きにしているため、
批判めいたことを書いたら日本のみならず世界中の人権派からにらまれそうで怖い。
(だれもこんな過疎ブログを読んでいないのは存じあげておりますけれども)
ヒロシマ、ナガサキ、ブラク、ショーガイシャ、アウシュビッツはアンタッチャブル。
人権派の根本は、自分は人の痛みがわかるという壮大な勘違いだと思う。
しかし、そんなことをいったら小説を読むという行為までいかがわしくなってしまう。
もしかしたら読者は小説から他人(他者)ではなく自分を読んでいるとしたらどうだ?
そうだとしたら、小説にいっさい他者など書かなくてよいことにならないか?
小説には自分のことだけを書けばよろしいのだとしたら――。
「乙女の密告」が失礼ながらつまらなかった理由は、
作者が自分のことを赤裸々に書いていないからということになろう。

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