「99の接吻」

「99の接吻」(鹿島田真希/河出書房新社)

→いい小説なのでたいへん満足した。久しぶりに精神のぜいたくを味わった。
芥川賞を受賞した「冥土めぐり」よりも(愚かなわたしには)
こちらのほうが十倍以上もいいと言いたくなるくらいだ。
なにがいいのかといったらエロいところである。
著者や関係者をみな殺しにしたらこの仮説も信憑性が出るだろうが(しませんって)、
この小説を書いたのはどう考えても男としか思えないので困る。
はっきり言うが、通常は女流の書いた性描写ほど興ざめするものはないのである。
老害選考委員たちはなぜか女の書いた性描写に高得点を与える傾向にあるようだが。
でもさ、いいかい、しょせん女なんか男の妄想のなかにしかいないのだよ。
女は男の妄想を演じていればいいのに、昨今の女は人権意識のせいでだめになった。

だが、しかし、けれども――。
鹿島田真希氏の傑作エロ小説「99の接吻」を読んで時代はここまで来たかと思った。
鹿島田氏の妄想する女は、
いまAVを見慣れた男がイメージする女よりもはるかにエロくてとてもいい。
著者が男よりもよほど同性たる女に希望を持っている、
俗な言い方をすれば欲情しているのが本当にすばらしい。
とてもいい小説を読んだと思う。

余談だが、小説に客観的感想などあるのだろうか。
わたしはこの小説の舞台を身近に知っているからおもしろかったこともあるのだから。
正直に白状すると、関西が舞台の小説というだけで親しみを抱けないところがある。
とはいえ、フランスが舞台というだけで仏文学を称賛するアホもおられるから、
どこまでも文学作品の評価というのは恣意的(たまたま偶然)と言わざるをえない。

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