「どうしたら桜井さんのように「素」で生きられますか」

「どうしたら桜井さんのように「素」で生きられますか」(桜井章一・香山リカ/講談社+α新書)

→精神科医の香山リカと雀鬼の桜井章一の対話本。考えてみたら雀鬼はすごいよな。
本人も自称しているが、ただの麻雀屋のオヤジでまったく権威を持っていないのだから。
にもかかわらず、これだけ著書を垂れ流すように出している。信者も多いらしい。
ちなみに売りの「20年無敗」はあくまでも自称ゆえ、
意地悪だが「全聾の作曲家・佐村河内守」臭がしないと言ったら嘘になろう。
国家資格ではない雀鬼(自称?)のなにがいいかと言ったら運しかないのである。
本書で権威ゼロの雀鬼自身が語っているけれど、
麻雀はほぼ運のゲームらしい(当方未経験)。
牌が配られたときに役が完成しているときさえあるという。
プロいわく、「いくら努力したってダメなものはダメだし、
努力しなくても何とかなってしまうのが麻雀」とのことである。
麻雀屋のオヤジと正反対の、権威ある国家資格の精神科医で、のみならず人気作家、
なおかつマスコミ文化人の香山リカは本書で東日本大震災に何度か言及していた。
いわく、東日本大震災で本当にたいせつなものはなにかばれてしまったのではないか。
それは運である。津波で死んだ人と生き残った人を分けたのは運でしかない。

人生における運の比重が大きいことがばれたいまもなお、
人びとはがんばることに重きを置いている。
精神科医のもとを訪れる心が病んだかわいそうな患者さんは、
香山リカに「がんばらないためのがんばり方を教えてください」と乞うてくるとのことだ。
人気作家で精神科医の香山リカいわく、「上を目指すから苦しくなる」のではないか。
とはいえ、いまは上に立つ人が自分の利益のために下の人の競争をあおっている。
上に立つ人が「がんばれば上に行けるぞ」と言うから下の人は苦しまなくてはならない。
有名精神科医は上に立ついわゆる成功者と対談することが多いらしい。
対談後に香山リカに相談を持ちかけてくるいわゆる成功者が多いとのことである。
かなりの成功者が家族の問題に苦しめられているという。
自分に近づいてくるものが金目当てに思えて人間不信になってしまったと告白するものもいた。
ならば、一見すると運がいいようないわゆる成功者も実際はそう幸福ではないのかもしれない。
もう東日本大震災から3年である。あの日にばれたのは運がいかに重要かということだ。
精神科医でマスコミ文化人の香山リカは麻雀屋のオヤジにすぎない桜井章一に問う。
いったい運とはなんなのか? とにかく運のいい麻雀屋のオヤジの答えに耳を傾けてみよう。

「運というものも、空気や太陽の熱のように、肌で感じるようにしていけばいいわけです。
しかし現代人は自然から離れ、人工物に囲まれた生活をしているので、
見えないものを感じる力はだいぶ衰えてしまっています。
感じることができないと、余計に人はつかもうという気持ちが強くなります。
金でもモノでも人脈でも何でもつかみ取ろうというふうになってくる。
そうなるとチャンスも運も同じくつかむものという感覚になる。
しかし、運やチャンスはつかもうとすればするほど、逃げられるものです。
空気に触れるのと同じようにそっと触れていく感覚を持っていたほうがいい。
それと同時に大事なことは、すでにつかんでいると思っているものに対しても、
絶対放すまいとぎゅっとつかみ続けることをしているとかえってダメになるということです。
つかんでいると思うものには、
「いつでも放します」というこだわりのない柔らかさが必要なのです」(P174)


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