「被差別の食卓」

「被差別の食卓」(上原善広/新潮新書)

→被差別者らしい著者が世界の被差別者の食事を実際に食べに行くノンフィクション。
いやあ、おもしろかった。被差別者の人たちは安くてうまいものを知っているんだな。
いや、いまでは差別が表面上は消えているから、そういうメニューも一般に知られ、
逆に高級食品になっていることもあるそうである。あぶらかすなんてうまそうだもんな。
つまみながら生のままの焼酎でくいっとやれたら極楽だろう。
不謹慎な話だが、芸能や芸術の世界では被差別者というマイノリティー性はおいしい。
こんなことを言ったら怒られるだろうけれど、自称被差別者の著者がうらやましくなった。
被差別者ということでアイデンティティーに厚みが増すし、プライドも強くなる。
「おれを舐めるなよ!」という気持は生きていくエネルギーになるだろう。
「いつか見返してやる!」という怨念は生きていく張りになると思う。
むろん、そんなにいいことばかりではなく不愉快なことも多いのだろうけれど。
差別と聞くとカッカするような(被差別者ではない)熱い人権オタクが嫌いである。
こちらの思い込みによる誤読かもしれないが、
本書の著者はどこかおのれの被差別性をネタにしているようなところがあり、
そこがよかった。おもしろかった。いい本を読んだ。

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