「修験道の魅力」

「修験道の魅力」(麻生文雄・ひろさちや/清流出版)

→お坊さんの世界というのは思った以上に体育会系のノリなのだが、
そのなかでもキングオブ体育会系みたいのが修験道である。
なにせ山のなかを歩き回るわけだから。
麻生文雄というのはもう死んでいるのだが、その修験道の世界のお偉いさんらしい。
すげえ俗っぽいやつで竹下景子と対談したとか自慢しているのがかわいらしい。
ひろさちやさんのおもしろさは、言っちゃいけないことをぽろっと言うところだ。
本心ではひろさん、高僧とかみんな大嫌いなんだろうな(わかりませんが)。
高僧なんて人づきあいのスペシャリストというだけで、
ひろさんと比べたらぜんぜん仏教の勉強なんかしていないわけだから。
修験道の世界も軍隊のように階級があるらしい。
それを聞いたひろさんが正直なのかふっと不穏な質問をするので笑ってしまった。

「行者さんの位が上がったら、何かメリットはあるのですか?」(P59)

修験道トップの麻生文雄をバカにしていると思われてもおかしくない。
部下がたくさんいる高僧の麻生猊下(げいか←尊称)はなんと答えたか。
まず意表を突かれたという感じで口ごもる。メリット? メリット?
それから思い出したように自分のように大僧正になるとみんなから尊敬してもらえる、
とあまりにも俗っぽい本音で答えている。ひろさん、おもしろすぎるぜ!
醍醐寺大僧正の麻生猊下はわかったような説教をするのである。
合掌の精神で生きていると女性はみな美人になります、とか。
そんなはずないだろうが! とひろさんが思ったかどうかわからないが、
自分は美人よりも不美人のほうが飽きないので好きだと空気を読めないことを言っている。
麻生猊下は自分の威厳が通じないことに対談後、傷ついたのではないだろうか。
もしくはひろさちやは生意気だと手下に息巻いたのではないだろうか。
あいつ、おれをなんだと思っていやがる!
批判しているのではなく、生前の麻生猊下は人間味があるいいお坊さんだったのだと思う。
ひろさんは子どものようにスパッと本当のことを言ってしまうのがおもしろい。
邪気がないから相手も怒るに怒れないのだろう。ひろさんのキャラは大好きだ。
しつこく繰り返すが、お坊さんでも仏教学者でもない(独学ゆえ)ひろさんが大好きだ。

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