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2005/08/03(水) 16:32:36

「戯曲論」(ストリンドベーリ/千田是也訳/早川書房)絶版

→ストリンドベリがシェイクスピア劇を論じた書。贅沢すぎる一冊。
じぶんの好きな近代劇作家が、おなじくらい愛好する古典劇作家を分析するのだから。
いいでしょ、いいでしょ、ばんざ~い♪

内容? 教えたくないな……。でも、まあ、ひとつだけ。
ストリンドベリはこんな鋭い指摘をしている。
シェイクスピアの「リチャード三世」。
極悪人リチャード三世がアンを誘惑し成功するシーン。
ちなみにリチャード三世はアンの夫を殺した男である。
愛する夫を殺した憎むべき張本人に求愛され、それを受け入れてしまうアン。
近代劇ならまるまるひとつの戯曲を使わないとこのテーマは書けない。
それをシェイクスピアはわずか数ページでなんら無理を感じさせることなく成功している。
そこにシェイクスピアの手腕をみるストリンドベリ。 ふーむ。

おもしろいんだストリンドベリ。
ハムレットの分析で、ハムレットは20歳そこそこの大学生だと言い切る。
だけど、ほら、あの墓堀人のシーンで、ハムレットが30歳だというのが……。
たぶんそのことを学者かなにかに指摘されたのだろう。
ハムレットの章の最後に「付言」とつけくわえ弁解する。
いや、もうそれは弁解ではない。かれにはもはやハムレットの年齢など問題ではないのだ。

ストリンドベリは恫喝する!

「自分で戯曲一つ書いたことのない人間はシェークスピアについて口を出すべきではない」(P41)

これを書いたとき60歳にはなっていたというストリンドベリは老いてますます意気軒昂!

ストリンドベリシーズンはこれでひと区切り。
おつきあい、ありがとうございました。
岩波文庫「島の農民」が残っているけどこれはもう少し積んでおく。
おなじく岩波文庫の「大海のほとり」を入手したらセットで読みたいから。
「青書」「激動時代」(「女中の子」の続編)など探している絶版書は多い。
古書店めぐりはやめられないようです。
ストリンドベリ、いろんな意味でひとを疲れさせます(微笑)。

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