だから、なに?

男「ショーペンハウエルがこう言っています。(…略…)」
女「へえ」
男「カントがこう言っています。(…略…)」
女「そう」
男「あのニーチェがこういうことを言っています。(…略…)」
女「(だから?)」
男「わかっておられないようですが、ヴィトゲンシュタインはこう言っています。(…略…)」
女「(なによ?)」
男「わかりませんか?」
女「(なにが?)」
男「むすっとしているのはなぜでしょう?」
女「なぜでしょう?」
男「あなたのご両親の学歴をお聞きしてもいいですか?」
女「はあ?」
男「……」
女「帰ってもいいですか?」
男「待ってください」
女「どうして?」
男「わからない」
女「なにが?」
男「それは……」
女「ニーチェも教えてくれない?」
男「はい」
女「なに?」
男「いや……」
女「じゃあ、もう帰るね」
男「待ってください」
女「どうして?」
男「聞きたいことがある」
女「あたしは哲学者じゃないけれど、いいの?」
男「はい」
女「なに?」
男「あなたは処女ですか?」

こういうセリフのやりとりが山田太一ドラマ「想い出づくり」にあったことを記憶している。
うっかり「想い出づくり」のビデオ(DVDではない)を新宿ツタヤで借りてしまったから、
のちにシナリオ本を買いあさり研究家を自称するようになってしまったのである。
「ありふれた奇跡」がいちばん好きだが、「想い出づくり」も哀しいまでにいい。
泣きたくなるほどにいい。YouTubeで「想い出づくり」の映像を見て何度泣いたことか。
いいのである。いいとしか言えない。

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