「パリ・ブールヴァール傑作集」

「パリ・ブールヴァール傑作集」(賀原夏子編/梅田晴夫・小沢僥謳訳/劇書房)

→ブールヴァールはフランスの喜劇のこと。
肩ひじの張らない大衆娯楽演劇のことだそうである。
収録作品は「恋の冷凍保存」「人生の請求書」「ロコモティブ」。
どれも読んでいるあいだはおもしろいのだが、だからじゃあなに? と聞かれると困る。
ただおもしろいだけでいいじゃん、というのがブールヴァールらしい。
お芝居は定型的なセリフがあるように思う。
劇を引き起こすセリフだ。たとえば、こういうものがそうだろう。

「さあさあ、落ち着いてください。これはお芝居なんです」(P32)
「人生思うようにいかないものでして……」(P124)
「なんにも起こらないってことが、幸福なのかって聞いてるのよ」(P152)
「真実っていうのは、人をよろこばせることよ」(P214)


まあ芝居っ気たっぷりなやつらが、おフランスな芝居をするのである。
現実で芝居なんてやられたら迷惑だけど、舞台のうえでなら許される。
しかし、俳優さんやタレントさんは電撃結婚やら離婚やら、
実人生でも芝居っ気のある人が多い。
そういうものはほぼ美男美女だから成立していることだ。
いちばん楽しいのは迷惑をかえりみず人生で芝居をすることなのだろう。
次に楽しいのが舞台のうえで自分が芝居をすることだが、これは美男美女にしか難しい。
他人の舞台上の芝居を観るのそれなりにも悪くないけれど、あれはやたら金がかかる。
金がかからないのは戯曲として読むことだが、芝居の楽しみのなかでは最低なのだろう。

COMMENT









 

TRACKBACK http://yondance.blog25.fc2.com/tb.php/3431-0b1554f4