「ルッテル」

2005/08/02(火) 14:34:20

「ルッテル」(ストリンドベルヒ/舟木重信訳/「世界戯曲全集29」)絶版

新記録です。 

これ、わたしが手に取ったいちばん古い本。昭和3年刊行!
むかしはこんな古い本、きたないと触る気さえ起きなかったけれども、
人間は変わるもんだ。それともストリンドベリの魅惑がそれだけつよいのか。
300円だからと買っておいたもの。ほんとうに読む日がくるとは思わなかった。
旧仮名・旧字体+細かい活字組み+昭和3年の翻訳日本語=読みにくい×3

配役表を見て気づく。
ルッテルでルターのことか。ほら、あの、宗教改革の。
オズボーンの戯曲「ルター」を読んだことがあるし、
つい先日も世界史を勉強したばかりだから大丈夫か、
というあわい期待は……もろくも崩れる。
「ジャンヌ・ダルクもの」もそうだけど、こういう宗教劇は日本人には理解不能では。
幼児期から教会に通うことから生じる、なんというのかな、肌感覚、呼吸感覚のちがい。
こちら日本人はキリスト教でさえあやふやなのに、まして微細な相違などは手におえない。
わからないものはわからない。
だけど、うーん、わからないながらも、
ストリンドベリがキリスト教についてよほど考え込んだ、
その爪あとくらいなら、せめてわかったような気になってもかまいませんか。

ちなみにストリンドベリ。
幼少期はキリスト教べったり。
青年期にほのかな疑問。
中年期に「地獄期」と称したほどのキリスト教不信に陥る。
晩年はようやくキリスト教への信仰を取り戻す。
――というのはあくまでも告白小説等での「自称」で、
周囲から見たストリンドベリは生涯狂気のうちにあったとか。

COMMENT









 

TRACKBACK http://yondance.blog25.fc2.com/tb.php/343-5129dafc