「子ども力がいっぱい」

「子ども力がいっぱい」(河合隼雄/光村図書)

→対談集。副題は『河合隼雄が聞く「あなたが子どもだったころ」』。
河合隼雄と各界の成功者たちとの対話である。
表に出ている会話部分では、みなさん自分の子ども時代を懐かしく語っているけれど、
河合隼雄のことだから裏では相手から悩み相談をたくさんされたのかもしれない。
むろん、そういう会話はすべてカットされている。
河合さんは絶対に守秘義務を破らない人だから、
生きているあいだ、有名人の人には決して言えぬ秘密をたくさん聞いたと思う。
その道のプロの河合さんは、なにもコメントせず、フンフンと例によって聞いたはずだ。
たぶん相手の秘密を聞いたときは、なにも言わないのがいちばんいい聞き方だ。
最低の聞き方は相手の話を途中でさえぎって、自分の苦労話をしてから励ますことだろう。
秘密を話しているほうはあまり自覚がないのだろうが、
人の辛い秘密を聞くのはかなりしんどいのである。

わたしもなぜかほとんど知らない人から深刻な秘密を突然告白されることが多い。
これは河合さんのように懐が深いからでは断じてなく、
相手は秘密を話したあとこちらなど一切かえりみず足早に去っていくので、
いわばゴミ箱みたいな人間という扱いなのだとわかる。
時間予約制の病院でまえの患者の診察が異常に長いと待たされてため息が出る。
常に1分診察を好むわたしは医者にくどくど自分の話をする人の気持がわからない。
医者やカウンセラーは相手の話をさえぎれないから疲れる仕事だろう。
「おれはおまえなんかに興味がないんだよ!」と寝言でいっているのではないか。
ハハハ、ユング学者の河合隼雄氏によると夢はそんな単純なものではないらしい。

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