読者偏差値

なにごとも数字(データ)のご時世、作家ごとに読者偏差値を調べてみたらどうなるだろう。
これは絶対的な確信があるため言い切るが、
山田太一氏や宮本輝氏の読者偏差値は低いはずだ。
理由は作者の偏差値がどうのと不穏なことを言いたがるものもいるだろうが、
むろんそうではなく(正確にはわかりませんよ)、人気作家とはそういうものだからである。
多くのファンから愛される作家は、それだけ読者偏差値が分散化され、
平均としては下がってしまうのである。
あまり大きな声では言えないが作者ごとのイメージというものもあろう。
好きな作家が山田太一氏や宮本輝氏だと言うと、あまり知的な印象を持ってもらえない。
作者イメージというのは不思議でなぜか好きな作家が村上春樹氏というとお洒落になるらしい。
とはいえ、村上春樹氏も人気作家だから読者偏差値は相当に低いだろう。
身近に愛読者がいるので書いていいのかわからないが、
山本周五郎の読者偏差値はかなり低いはずである。
東大卒のノーベル賞作家、大江健三郎氏が好きだというとインテリっぽいのではないか。
実際、読者偏差値も高いのだろうと思われる(わたしは大嫌いだが)。
関係ないが太宰治を好きだと言ってもいいのは美少女、美少年だけである(要顔面偏差値)。
そういえば、作家と読者の顔面偏差値はどうなっているのだろう。
わたしは(異論は認めるが)柳美里氏が美人だったからいっときとても愛読した。
うっかり過去形で書いてしまったが、いまでもおきれいなのではないかと思う。
村上龍氏の愛読者は上昇志向の強いあぶらっこい人が多いような気がする。

「もてない男」小谷野敦氏の読者は間違いなくもてない男だろう。
「戦う哲学者」中島義道氏の読者はなぜか戦わない自意識過剰の小心者が多そうだ。
「患者嫌いの精神科医」春日武彦氏の本は
いったいどういう読者層が買っているのかさっぱり読めない。
ちなみに、小谷野敦文学博士、中島義道哲学博士、春日武彦医学博士、
この3人の博士は未成熟三銃士と勝手に命名している。
3博士ともにいいご年齢なのにまったく成熟していないのが感動的である。
「大人にならない(なれない?)」のもひとつの才能なのだと思う。
読者としてのわたしが知るなかでもっとも大人であるのは心理療法家の河合隼雄氏である。
潮出版社と岩波書店から同時に本を出せる人が河合氏のほかにいるのだろうか。
いるかもしれないが、あれほど節操がないのはやはり稀有なのではないか。

作家の知的&顔面偏差値と読者のそれはいったいどういう関係にあるのか。
自分でも信じられないが、
こんなブログにも少数ながらご関心をお持ちの方がいらっしゃるようだ。
学歴マニアの小谷野博士ではないから偏差値はまあどうでもいいが、
どんなお顔をしているのかはちょっぴり興味がある。
もちろん、作者の顔と読者の顔に関連性などないのはわかっているけれどさ。
顔というのは思いのほかその人の情報を伝えるような気がする(少なくとも学歴よりは)。
わたしがメール文通のようなものが苦手で、できたら逢いたがるのもこのためだ。
おなじ内容(文章)でもどんな顔の人が言うかで大違いなのではないか。
侮辱的発言や罵詈雑言でも心が病んでいると思しき貧相な高齢者から言われたのなら、
相手への同情が先立ち怒る気もしないだろう。
年下の美人からならなにを言われてもニコニコしているかもしれないし(これはウソだな)、
逆に美人だから調子に乗るなよと攻撃的になる可能性も高い(……いやなやつやね)。
精神科医は絶対に対面しないと診断できないわけである。
精神科医の偉いところは(ナースはいようが)一対一で面会しているところだ。
新興宗教の勧誘(折伏)のようにひとりを複数で囲んでいるのではない。
逢うのは一対一が好きだ。別に相手の学歴(偏差値)など事前に知らなくてもよい。
考えてみれば、読書とは面談と似たような作者と読者の一対一の勝負である。
こちらの顔を向こうに知られなくてよいのは書籍代を支払っているからだろう。
書評で相手の顔のことを持ち出すのはフェアかアンフェアかはわからない。

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