「生き残るヤツの頭の働かせ方」

「生き残るヤツの頭の働かせ方」(桜井章一/アスコムBOOKS)

→副題は「20年間無敗の雀鬼が明かした本質洞察力」。
意地悪いことを言うと、自称最強でもう勝負はしない麻雀屋のおっさんが話した人生論。
雀鬼が新興宗教の教祖みたいになっていてクスッと笑ってしまった。かわいい。
編集者と会談中の雀鬼がいきなり道場生(弟子)に命じたらしい。
「この編集者さん、言うことがつまらないんだよ。ちょっと頭をひっぱたいてあげて」
道場生は雀鬼の命令にしたがい、見知らぬ編集者の頭をポカリとやって去って行ったという。
雀鬼はこのシーンを絶賛している。
常識にとらわれず、知らない人の頭をひっぱたくことができた道場生はすばらしい。
それから遊び心をもって非常識な行動を許すことができた編集者も立派である。
え? それはちょっと違うんでないかい? それ、パワハラじゃね?
師匠の命令は絶対服従の道場からは個性ある人材は出てこないような……。
売れ筋の雀鬼さまのお弟子さんから殴られたら、サラリーマンはこらえるしかないような……。
もしわたしがこの編集者だったら、その場の判断でお茶を雀鬼の顔にかけるかもしれない。
そうしたら雀鬼は、ほう、こいつはなかなかおもしろいと認めてくれるのだろうか。
それともおれさまになにをするんだと激怒するだろうか。
前者だったらばホンモノで、このホンモノくささが雀鬼の魅力である。

雀鬼イズムをひと言で要約した個所がある。

――「いいか、悪いか」とか「頑張ったか、頑張らなかったか」とか
「正しいか、正しくないか」など、世の中でいいとされている基準ではなく、
「楽しいか、楽しくないか」を行動の基準にするのだ――(P116)


そりゃあ、高学歴高収入でかしこまった編集者の頭をポカリとやったら楽しいわな。
どんな顔をするのか興味もあって、その場にいたらゲラゲラ笑ってしまいそうである。
「楽しいか、楽しくないか」で行動する雀鬼さまに成功者も権力者もひれ伏すらしい。
これはフカシなのかそれともホントなのか。
事実だとしたら日本経済、ちょっとヤバいんでないかい?
でも、ぶっちゃけ、社長さんが社長で通じるのは社内だけで、外ではただの人だよね。
なんでみんな自分の会社の社長でもない社長さんをあんなにあがめるのだろう。

「前の章でも書いたように、権力者とか、権威のある人というものを私は何人も
見てきたが、その権力、権威が及ぶ組織の中では偉そうにしているが、
一個人になるとほとんどの人が何かに悩み、何かを恐れ、苦しんでいる。
何をそんなに恐れているのかわからないが、私に相談に来る権威ある人たちは、
例外なく、びくびくしていたり、おどおどしたりしている。
私の前では権威など意味がないので、一人の人間として対峙することになる。
そうなったとたんに、自分の弱さをさらけ出してしまう」(P117)


雀鬼さん、悪ガキすぎて、かっちょええよ。好きだぜ。

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