「日本の原郷 熊野」

「日本の原郷 熊野」(梅原猛/とんぼの本/新潮社)絶版

→ファンである一遍は、熊野で悟っているから読んでみた。
むかし旅行をしたことがあるので懐かしいのと、そういえば梅原節も恋しくなったので。
ものすごーくいいかげんな間違った要約をすると、
熊野は「日本霊異記」にも登場する聖地で、
仏僧のくせに神社好きだった一遍が究極の悟りを開いた場所ではあるけれども、
28回も熊野御幸をした後鳥羽上皇が鎌倉幕府と戦争して負けちゃったので、
それからケチがついて落ちぶれちゃったよね、という話。
梅原猛さんは政治とズブズブになったのを熊野衰退の原因と見ている。
ぼくに言わせたら、まあ現世利益のないのがばれちゃったからじゃないの? みたいな。
28回もお願いしに行って一世一代の喧嘩に負けたら、そりゃねえ。

もうこの齢になったからぶちまけちゃうけれど、信仰とか現世利益が9割じゃない?
結局はみなさん(ぼくも含めて)神仏はなんでも現世利益なんだよね。
逆に言えば現世利益があると宣伝しないとお客さんが来てくれない。
いままで見て見ぬふりをしていたけれど、
けっこう読み込んだ親鸞も一遍も現世利益について言及しているんだよね、あはっ。
念仏はお得ですよ、と。いいことありますよ、と。
思えば12年まえ完全絶望のさなか、熊野に参詣したけれど、いまだ願いはかなってないな。
いまはあるのか知らないけれど、
熊野古道スタンプ帳に全20個ものスタンプを苦労して集めたけれど願いはかなっていない。
しかし、28回も参詣してもダメだった後鳥羽上皇みたいのがいるんだから、
1回くらいで不平不満を言っちゃいかんと本書を読んで思った。

当時傷心のぼくは熊野の人たちにいろいろ親切にしてもらってありがたかった。
客商売の邪魔をする気はないから、書いておこう。
世界遺産になったことだし、いまの熊野ならば願いがかなってウハウハかもしれませんぜ。
そういえばむかしは批評に踊らされて熊野作家の中上健次を神聖視していたけれど、
いまはあんな悪文、白状すると読み返す気にもならない。
劣等感からわざと難しい言葉を使って、なーにが路地だよ、とか思っちゃう。
中上健次のお嬢さんはだいぶ出世したよね。うらやましい。やっぱり熊野効果かな。
そうだ、そうに違いない。結論はみんな世界遺産の熊野に行こう!

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