中坊に負ける

毎日のように大勝利する人たちも日本にはいるようだが、おれは先ほど中坊に負けた。
テレビ雑誌の占い欄を立ち読みしようとセブンイレブンに入ったのである。
入口付近には近所の中坊(中学生)と思しき男子が5、6人座ってだべっている。
といっても、そこまでワルではなさそうなところが、
都会でも田舎でもないおれの住んでいるハンパな場所をある意味で象徴していよう。
たとえばおれが注意したらその場を立ち退きそうなくらいのワル(じゃないかもう)だ。
おっさんは夢見る少女のようにテレビ雑誌の占い欄をタダ読みして店を出ると、
コンビニの陰にひそむ女子中学生二人組を見つける。おそらく、男子の仲間だろう。
男子はだらしなく菓子を食っているだけだったのだが、
女子のほうは、くううマブイぜ、しっかりタバコをふかしていたのである。
背伸びしていやがる、と思った。同時に女子中学生から叱られているような気もした。
女子中学生でさえ見栄をはってふかしているのである。背伸びして喫煙している。
対しておれはどうだ。なんておれはダメなんだ。
中坊の子どもがいてもおかしくない年齢だというのに、
いまだ大人になりきれていないところがあるのだから。
子どもっぽい喫煙女子と目が合った。先に視線をそらしたのはおれのほうだ。
「おっさんもいいかげんに大人になんな」と説教されたような気がしたからである。
今日も大敗北だ、と思った。大勝利する日はいつ来るのだろうか。

どうでもいいことだが、このところ他人の喫煙にかなり寛容になっている。
タバコの煙がくさいから嫌いだったのだが
(ぜん息の問題は最近なぜかよくなったのでもういい)、考えてみたら飲兵衛も酒くさい。
ならば、お互いさまじゃないかという結論に酒飲みのおれは達したのだ。
喫煙者には防波堤になってほしいという本音もある。
タバコが狩られたら次はかならず酒に健康病の患者たちは矛先を向けるはずである
酒会社や居酒屋がいくらがんばろうとも、
健康病の患者は自身を絶対正義と信じて疑わないから始末が悪いことこの上ない。
喫煙者にがんばってもらわないと明日はわが身になってしまうのである。
このため、十代の喫煙少女もおれは応援している。
背伸びをしながらどうか立派な大人になってほしいと思う。
しかし、どうして子どもは背伸びして大人になりたがるのだろうか。
相当数の大人が子どものころに戻りたいと思っているだろうに。
おれのようになかなか大人になれないおっさんには喫煙少女がたいそうハクイものに思えた。
がんばれと激励したくなった。がんばろうとおのれを叱咤した。

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