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「幸福になれない理由」

「幸福になれない理由」(山田太一・小浜逸郎/PHP研究所)絶版 *再読

→酒をのみながら好きな作家のゆる~い対談本を読むのはいいものだよ。
最近になってようやく気づいたのだが、
どうやらわたしはテレビドラマがとりわけ好きなのではなく、
山田太一ドラマのみ偏愛しているようだ。
このことがわかったのはいつも山田太一情報でお世話になっている
ドラマ・ファン掲示板の管理人、あいどん氏のおかげかもしれない。
あいどん氏はもう……おっと! 
うっかり個人情報である年齢を書きそうになってしまった。
自分が個人情報を公開しているからといって人様のものまで書いていい理由にはならない。
あいどん氏はけっこういいお年なのだが(ぼかしましたからね)、にもかかわらず、
いまやっているテレビドラマまでがんがんご覧になっているというのだから。
もしかしたらあの世代はことさら感覚がヤングなのかもしれないが、それでもすごい。
わたしはテレビドラマを辛抱と思ってみることが多い。
正直、よく理解できないのである(哲学書のようなもんですな)。
もはや自分が正しいという傲慢な感覚は完全に捨て去っている。
テレビドラマはみんな(多数派)のためを思って、
社会上層部にいらっしゃる優秀な方たちが何度も会議をして創ってくださっているのだから、
理解できないとしたらわからないほうが悪いのである。
老いてなおますます人格がゆがんできたわたしのように悩みの多い人間は、
テレビを見るより本を読んだほうがいいのだろう。
大半のテレビドラマは悩みを描くものではないと本書で山田太一先生もおっしゃっている。

「若い人たちの内面の悩みというのは
身の上相談レベルでは出にくいものが多いから、
なんとかそういう深度に手が届くようなドラマを書きたいと思うのですけれど、
ま、多くの観客は、そんな現実はいいよと、むしろ現実を忘れる架空の物語、
当たりさわりのない友情のすれちがいとか、恋のすれちがいとか、
そしてハッピーエンドで終わるドラマを、
いい音楽ときれいな俳優さんといい映像で見ればいいというところでしょう。
それも私はあるリアリティだとは思うけれど」(P49)


まったく本当にそうだと思う。山田太一先生は正しい。
世の中は理不尽なことばかりでいまの若い人はとくに傷ついているのではないかと思う。
そういうたいへんな人たちのためにテレビ局の人たちはドラマを制作なさっている。
しんどい現実なんか見つめさせてどうする?
現実は見つめるものではなく、忘れるものだという見方は意義あるものだと思う。
深みのあるドラマを求めているのはある意味苦労知らずの有閑者だけなのかもしれない。

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